「層別」とは、キーワードからわかりやすく解説

 

1. 「層別」とは

層別とは、与えられたデータを属性で分類したグループごとに分析する事です。QC七つ道具のパレート図、ヒストグラム、散布図などと組合わせて使えば、差異を発見する上で力を発揮します。例えばQC七つ道具のひとつである散布図を作成してみたら、2つの因子の間に相関はないように見えても、装置、作業者、作業方法、材料ロットなどで層別して分析してみると相関係数がぐっと大きくなることがあります。 また、ヒストグラムではデータが正規分布することが多いものですが、左右非対称な場合に層別の因子を導入を検討してみましょう。

 

2. 「層別」のポイント

層別のポイントは二つあります。一つ目はどの様な項目で切り分けるかという事です。もう一つはデータを取る時に後で層別解析が出来るように予め紐付けておくことです。

 

身長のデータは数値データに男女が紐付いていなければ男女別に層別出来ません。製造データであれば、どの装置で、どのラインで、どのシフトで作られたのか、情報が紐付けられていれば迅速且つ簡便に解析を行うことが出来ます。データ解析段階ではなく、データ収集の段階から層別する項目を意識しておくことが重要と言えます。

 

層別分析は統計解析の基本且つ最も重要と言える手法なので是非マスターして下さい。工程異常や顧客苦情の多くは層別解析により原因が絞られるケースが多いです。QC7つ道具というコアツールの仲間入りを果たしたのもこうした実績が評価されたものと思います。

 

因みに統計解析専用のソフトウェアを用いる利点の一つに層別解析の容易さがあります。データを層別したい”項目”と紐付けて入力していれば非常に簡便に層別加工後の図表を観ることができます。例えばヒストグラムであれば項目を選んでクリックしてあげれば一瞬で数個~数十の別グラフを描いてくれます。

 


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