パレート図とは?【基本解説】目的やメリット、作り方、注意点をご紹介
1. パレート図とは
パレート図とは、主に不良原因分析をする際に、原因毎に件数あるいは発生率を棒グラフで大きい順に並べ、累積構成比を折れ線グラフで記入した複合グラフです。 イタリアの経済学者パレートが提唱した「20%の原因が80%の不良を引き起こす」を表現するものとされます。 QC活動では、重要な問題から優先的に対策していく事が基本であり、多少の手間はかかってもパレート図を作成してからの活動開始が、改善の早道となります。
例えば,不適合品たちを不適合の内容の別に分類することで、不適合品数の順に並べてパレート図を作ると不適合の重点順位がわかるようになります。
◆ QC7つ道具の内訳
QC7つ道具とは品質管理に役立つツールです。「新QC7つ道具」と「QC7つ道具」の2種類があります。
2. パレートの法則とは?
パレートの法則、またはパレートの法則としても知られる80/20の法則は、イタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートによって提唱された経済学の原則です。この法則は、一般的には、何かしらの要素のうち、全体の80%の結果が、その要素の20%の原因によって生じるという考え方を指します。例えば、ビジネスにおいては、80%の売上が20%の顧客から生み出されるといった具合に適用されることがあります。この法則は、効率的なリソースの配分や重要な要素の特定に役立つことがあります。
3. パレート図の活用目的やメリット
パレート図は、データを視覚的に表現するためのグラフの一種です。主な目的やメリットは以下の通りです。
- 問題の優先順位付け:パレート図を使用することで、問題や課題の重要度を明確に示すことができます。例えば、売上の80%は20%の商品から生まれているというパレートの法則を示すことができます。
- 効果的な改善策の特定:パレート図を使うことで、問題の原因や影響を特定し、改善策を効果的に立案することができます。重要な要因にフォーカスすることで、リソースの最適な活用が可能です。
- データの可視化:膨大なデータを一目で把握することができるため、情報の可視化や共有に役立ちます。複雑なデータをシンプルに表現することができます。
4. パレート図の活用例
パレート図はデータを視覚的に表現するのに役立つツールです。以下に3つの活用例を紹介します。
(1)問題の優先順位付け
パレート図を使用して、問題の発生頻度や影響度を示すことで、どの問題に優先して取り組むべきかを明確にすることができます。
(2)売上分析
製品やサービス別の売上データをパレート図にまとめることで、売上の大部分を占める主要製品やサービスを特定し、戦略の立案や改善点の発見に役立ちます。
(3)品質管理
製品の欠陥や不具合の原因を特定するために、欠陥の種類や発生頻度をパレート図で可視化することで、改善すべき重要な項目を特定しやすくなります。
これらの活用例を通じて、パレート図がデータ分析や意思決定のプロセスをサポートする有用なツールであることがわかります。
5. パレート図の作り方【エクセル】
(1)ステップ1
データを入力といして、まず、パレート図に表示したいデータをエクセルに入力します。例えば、商品別の売上データなどがあればそれを入力します。
(2)ステップ2
パレート図の作成ですが、データを選択して「挿入」タブから「グラフ」を選択します。そこで「棒グラフ」を選択し、次に「2軸のグラフ」を選択します。
(3)ステップ3
パレート図に変更するには、作成したグラフを右クリックし「グラフの種類を変更」を選択します。そこで「パレート」を選択し、OKボタンをクリックします。これでパレート図が完成です。
6. パレート図を作成する際の注意点
パレート図を作成する際の注意点は次の通りです。
- ①データの正確性を確保することが重要です。データが正確でない場合、正しい分析や意思決定ができません。
- ②カテゴリーごとのデータを整理し、重要度や影響度合いを明確にします。これにより、パレート図の軸を適切に設定することができます。
- ③パレート図は視覚的な表現ですので、デザインや色使いにも注意を払い、見やすさを考慮して作成してください。
- ④パレート図は主に上位の要因や問題を特定するために使用されるため、分析の目的に合わせて適切なデータを選択してください。
これらの注意点を踏まえて、パレート図を作成すると効果的な分析や意思決定につながるでしょう。
7. まとめ
パレート図を観れば問題の上位を占める項目が明確にわかり、それらが全体の何%を占めているか一目瞭然です。一般的に度数順に並べたトップ3で全体の70%以上を占める事が多く分類する項目は 多くても対処すべき項目は絞られる事がわかります。然しながらパレート図の上位を占める項目は関係者にはある意味周知とも言えるものであり、わざわざ解析して初めて見いだせる結果とは言えません。具体的な割合はともかくとして何が上位かは感覚的に分かっているはずです。
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