「グラフ」とは、キーワードからわかりやすく解説

 

1. 「グラフ」とは

グラフとは、設計を進めたり不良を分析する時に、定性的なデータだけでなく、定量データで客観的に評価するために使われる道具です。 そのために、円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、レーダーチャートなどが、目的に合わせて使用されます。 戦後の近代工業黎明期には、データを集めるのも大変、計算してグラフにまとめるのも一苦労でしたが、今やデータはオンラインで収集し、表計算ソフト上でワンクリックでグラフが描ける時代です。 それだけに基本的なグラフの見方を習う機会が減り、解析能力は上がっていないようにも思います。

 

2. 層別比較に便利な「グラフ」

層別比較に便利なツールとしては、『箱ひげ図』があります。箱ひげ図は少数データの扱いも容易で作成も簡便なので便利ですが、分布の中心が中央値で、分布の幅がパーセンタイルで表されます。
 
一方、平均値や標準偏差(SD)を用いて分布のばらつきを比較した方がヒストグラムと整合性も取れるし統計的なイメージも取りやすい場合も多いと思います。この様な場合は平均値の上下に標準偏差SDを上髭下髭と伸ばしたグラフを描画してみると、イメージ通りの各層比較グラフが描けます。
 
実験結果の比較データを平均値プロットで比較しているデータを時々見ますが、ばらつきである標準偏差が考慮されていないか、数値データだけ添付されています。平均値とばらつきを別々に見せられると分布として層別比較するのが難しく、第三者による良し悪し判断もつきにくいです。そこで上述の様な平均値の上下にSDを描画してやれば両方を一つのグラフで参照出来るので条件による違いが一目瞭然です。