PMBOKとは?基礎知識やメリット、プロセスを徹底解説

 

プロジェクトという言葉は良く耳にします。プロジェクトで思い出すのは、NHKの「プロジェクトX」です。番組では、大きな困難にであったチームが失敗を繰り返す中で、ふとしたことから解決のヒントをつかみ、苦労の末に大成功を収めるというパターンが多いようです。しかし、このようなストーリーでは、ビジネス的にはダメなパターンです。今回は、PMBOKとは?基礎知識やメリット、プロセスを解説します。

1. PMBOKとは何か?

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、米国PMI(プロジェクトマネジメント協会)が標準化を司るプロジェクト管理の知識体系で、[ピンボック]と発音します。 ここではプロジェクト全体を立ち上げ、計画、実行、監視、終結という5つのステージに分割し、それぞれで必要なスコープ、タイム、コスト、品質、要員、伝達、リスク、調達、ステークホルダーという10個の観点から有効な手法や考え方を解説してくれます。 ISOやJISのように必ず守るべき基準ではありませんが、関係者通しが共通言語で話すように一体感を持って作業するための、デファクトスタンダードのようなものです。

(1)PMIとは?

PMI(Post Merger Integration)は、企業の合併や買収後に行われる統合プロセスを指します。PMBOK(Project Management Body of Knowledge)において、PMIの実施体制は以下のようになります。

  • プロジェクトマネジャー:PMIプロジェクトのリーダーであり、計画、実行、監視、制御、閉鎖などのプロジェクト管理活動を担当します。
  • プロジェクトチーム:PMIプロジェクトの実行に関わるメンバーで、各部門や機能からの専門家やステークホルダーが含まれます。
  • ステークホルダー:PMIプロジェクトに影響を受ける関係者で、経営陣、従業員、顧客、株主などが含まれます。
  • プロジェクトスポンサー:PMIプロジェクトの支援者であり、資金提供や意思決定などのサポートを提供します。

PMIの実施体制は、これらの役割と責任が明確に定義され、効果的なコミュニケーションと協力が確保されることが重要です。プロジェクトマネジャーは、ステークホルダーとの関係を構築し、プロジェクト目標の達成に向けてチームをリードする役割を果たします。

(2)PMPとは?

PMP(Project Management Professional)は、プロジェクトマネジメントの認定資格で、PMBOKガイドラインに基づいています。PMP資格を取得するためには、倫理規定に従うことが求められます。PMP資格保持者は、プロジェクトマネジメントにおいて高い倫理基準を守ることが期待されており、PMBOKガイドにはそのための倫理規定が含まれています。これには、誠実さ、公正さ、尊重、責任、信頼性などが含まれています。PMP資格を持つことで、倫理的な行動を重視し、プロジェクトの成功に貢献することができます。

2. PMBOKのプロセスとメリット

PMBOKの各プロセスとそのメリットを以下に整理します。

(1)立ち上げプロセス

プロジェクトの目的や範囲を明確に定義し、ステークホルダーとのコミュニケーションを確立する。
メリット:プロジェクトの成功基準を確立し、スムーズなスタートを可能にする。

(2)計画プロセス

スケジュール、予算、リソースの計画を策定し、リスク管理計画を立てる。
メリット:プロジェクトの方向性を明確にし、目標達成のためのロードマップを提供する。

(3)実行プロセス

プロジェクト計画に基づいて作業を実行し、リーダーシップを発揮してチームを指導する。
メリット:プロジェクトの進捗を確認し、目標達成に向けて作業を進める。

(4)監視・コントロールプロセス

プロジェクトの進捗を監視し、必要に応じて変更を管理し、品質を確保する。
メリット:問題やリスクを早期に発見し、プロジェクトの成功確率を高める。

(5)終結プロセス

プロジェクトの成果物を納品し、プロジェクトの完了を確認し、振り返りを行う。
メリット:プロジェクトの成功や失敗を評価し、今後のプロジェクトに生かす教訓を得る。

3. PMBOKを活用する際の注意点

PMBOKを活用する際の注意点です。まず第一に、PMBOKはプロジェクト管理のベストプラクティスやフレームワークを提供していますが、すべてのプロジェクトにそのまま適用するわけではないことを覚えておいてください。プロジェクトの性質や規模によって、適切なプロセスやツールを選択する必要があります。

また、PMBOKはあくまでガイドラインであり、柔軟性を持って適用することが重要です。プロジェクトの進行状況や環境の変化に応じて、適宜修正や調整を行うことが必要です。

さらに、PMBOKを活用する際には、プロジェクトチームやステークホルダーとのコミュニケーションを重視することも大切です。プロジェクトの成功には、適切なコミュニケーションが欠かせませんので、関係者との円滑なコミュニケーションを心がけてください。

4. PNBOKの計画におけるマネジメントの種類

PMBOKの計画におけるマネジメントの種類です。

(1)スコープマネジメント

プロジェクトのスコープを明確に定義し、変更を管理することで、プロジェクトの目標を達成するための範囲を確保します。

(2)スケジュールマネジメント

プロジェクトの進行状況を把握し、タスクや活動のスケジュールを計画し、適切なタイミングで完了させるための管理を行います。

(3)コストマネジメント

プロジェクトの予算を管理し、コストを最適化するための計画や予算の策定、コストの追跡、予算との比較を行います。

(4)品質マネジメント

プロジェクトの成果物が品質基準に適合していることを確保するための計画や品質管理活動を実施します。

(5)資源マネジメント

プロジェクトに必要な人材や物資、設備などのリソースを適切に計画し、割り当て、管理します。

(6)コミュニケーションマネジメント

プロジェクト参加者間の情報共有やコミュニケーションを円滑に行うための計画や戦略を策定します。

(7)リスクマネジメント

プロジェクトに潜在するリスクを特定し、評価し、対策を立て、リスクの影響を最小限に抑えるための管理を行います。

(8)ステークホルダーマネジメント

プロジェクトに関わるステークホルダーとの関係を構築し、適切なコミュニケーションや関与を促進するための管理を行います。

(9)結合マネジメント

プロジェクト全体の進行状況や成果物の統合を管理し、異なるマネジメント領域間の調整や一貫性を確保します。

5. まとめ

死屍累々の失敗プロジェクトの経験を基に、成功しやすいパターンを専門家がまとめた体系が米国PMI(Project Management Institute)が出版したPMBOK (Project Management Body of Knowledge)です。多くの人が関係する大きなプロジェクトほど混乱しがちで、こういった体系が有効であり、大規模になりがちな建設や情報システムのプロジェクトで活用されています。

 

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