制度の見直しと物流生産性向上 私たちの物流実力値(その3)

 
  
 
 日本は島国で国土面積も狭いため、国内物流は非常にやりやすい環境にあると思います。山がちではありますが道路網も整備されトラック輸送ではそれほどやりづらさは感じません。
 
 このような環境下での物流はそれほど困難さを感じないと思います。筆者の駐在していた中国に比べれば日本は天国のようです。
 
 物流途上で山賊に合わない、砂嵐に見舞われることもない、目的地まで何日もかけて移動することもないなど私たちが当たり前に感じていることが海外では日常茶飯事の様に発生します。
 
 この差が長年積み重なって物流実力値の差となって表れているのかもしれません。
 
 また物流を学問としてとらえてベストプラクティスを追求する海外と、物流は理論として重視されずに来ている我が国との差も大きいのでしょう。
 
 日本でサービスや品質が高いと思われている物流は、海外ではもっと優れているという点は認識しておいた方がよさそうです。
 
 最近は外資系の大型倉庫が多くオペレーションを開始してきていますが、輸送やその他サプライチェーンへのサービスに外資系企業が入ってきたらどうなるでしょうか。
 
 果たして日本の物流企業が彼らに太刀打ちできるかは疑問です。もっと私たちは海外を見て物流の仕事をブラッシュアップしていく必要がありそうです。
 
 これからますます進む高齢化で物流の働き手は確実に減少します。生産性も大幅に向上させていく必要があります。
 
 残念ながら物流は技能実習の対象業務ではないため、外国人が物流業務に就くことはほとんど道がありません。
 
 つまり日本の現在の物流は海外にとって学ぶ点が無いということでしょう。もし物流に海外に移転できるような優れた技術があるのであれば、技能実習の対象になってもおかしくありません。
 
 単純な輸送や倉庫...
オペレーションでは海外の方が優れている可能性もあるので、今のままでは技能実習の対象には成り得ないのです。
 
 今の時点では特に輸送分野で労働力が足りていません。しかし主要先進国ではドライバーはほとんど外国人です。
 
 日本でも単純労働に外国人が就ける選択肢の検討が必要です。サプライチェーンを途絶えさせないために、このような制度の見直しと、物流生産性向上が避けて通れない道になることでしょう。
 

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