今回は統計の確率分布から、尖った意見に潜在ニーズはあるのかを考えます。
正規分布において、下位2.5%、上位2.5%を危険域として、仮説の検定棄却などに活用します。
図. 標準正規分布の両側推定区間(90%,95%,99%)
顧客の声において、この正規分布の考え方を活用して、回答数 2.5%以下となると、顧客の声としては危険域になるといわれます。購入意向であれば、2.5%しか購入を同意しないのであれば通常、製品化は難しいでしょう。
◆ 購入意向2.5%支持では売れない
見方を変えて、100人中 5人の意見はニッチの声といえば、ニッチですから、顧客が知らない潜在ニーズになる可能性もあります。
◆ 100人中、5人の意見は見えないニーズの可能性はある
しかし、比率が低いので顧客要求を検証しないと敗者復活はしないでしょう。今までにないような製品だと、顧客は理解できないため、比率としては否定されても潜在ニーズになったことはあります。
その場合は、顧客にわかるように説明する必要があります。メリットは何か、デメリットは何か。を伝えましょう。他のニーズと組み合わせる、技術と組み合わせる等も検討します。
例えば、スマートフォンがない時代にスマートフォンのフリック(フリック:タッチパネルにおける操作の一種)を使いたいと思いますかの問に対して、使いたいと思った比率は2%でした。しかし、スマートフォンが普及した昨今、フリックを使いたい人が、2%はあり得ません。
技術的に見ると、フリック機能が自社にあって、何とか他の機能にしたい場合は、フリック機能を使って何ができるか、どう良くなるかを示さない限り、顧客は反応しません。
画面を動...
『潜在ニーズやイノベーションを起こすにはニッチからしかない」からです。
◆ 見えないニーズはその技術を詳細に説明しメリットを伝える
自社の技術を「もの」視点から、「何ができるか」のコト視点に変えることで、比率2%が比率95%のニーズに変わるかも知れません。