輸送は買い手市場か 今後の物流に向けて荷主が取り組むべきこと(その1)

◆ トラック待機時間の解消を

 消費増税の際に駆け込み需要はあったものの、それを顧客にタイムリーに運べていなかったという事実がありました。物流は経済の血管ですからこの流れが鈍ると、経済自体が滞ってしまいかねません。これだけは何としても避けなければならないのは当然のことといえるでしょう。

 このところドライバー不足の話題が急に盛り上がってきた感があります。この背景には景気が回復し、さらに将来的にも復興需要やオリンピック需要などの存在が挙げられます。一方でドライバーという職種自体の要因もあります。つまりドライバーが高齢化してきていることです。若者がドライバーになりたがらないのです。何とドライバーの8割以上が自分の子供をドライバーにはしたくないと思っているそうです。

 ドライバーが不足することで実際にものが運べなくなりつつあることについては荷主もしみじみと感じてきていることと思います。ではこの危機的状況に対して荷主はどのような対応をしていったらよいのでしょうか。

 この機会に一度物流会社との取引に関して考えてみてはいかがでしょうか。従来は物流会社と交渉すれば必ずと言っていいほど価格は下がりましたので「輸送」は買い手市場だったといえるでしょう。しかしここに来てこの流れは変わりました。

 契約ごとですからお互い合意のもとに条件が決定されます。しかしこれまであまりにも理不尽な取引があったことも事実です。

 例えば「待機時間」の問題。物流会社のトラックが荷主会社に積み込みに行っても、何時間も待たされ、それがドライバーの労働時間を長引かせると同時に納期が迫り危険な運転につながるといった問題...

が存在します。

 このような「待機時間」についての記述は契約書には書かれていないことがほとんどです。これについて明記しない物流会社にも責任がありますが、契約書に書かれていないからといって、顧客側が一方的に有利な解釈をしてしまうことにも問題があります。

 まずこの「待機時間」解消に向けた方策を荷主の責任の下、考えていく必要がありそうです。

 次回に続きます

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