◆ 共同物流改善を進める
物流契約が結ばれればいよいよ業務が開始されます。当初予定していたパフォーマンスが出ているかどうかをチェックしていきましょう。物流アウトソースは単に物流業務を外部業者にやってもらうだけではなく、今の物流を改善し、さらに物流改革を実行していくことにつなげることが必要だと思います。皆さんが認識されている3PLの定義はどうなっていますでしょうか。3PLとは荷主の物流業務を包括的に受託すると共に、荷主に対して物流改革を提案する会社、という考え方が正しいと思われます。つまり荷主が3PLに業務委託したのであれば、受託会社は荷主に物流改革を提案しなければならないことになるのです。3PLとは顧客の物流を包括的に請け負い、物流改革を提案できる会社のことです。
では、受託した物流会社にその準備はできていますでしょうか。
もし物流会社選定プロセスの中でこのような認識があれば、何かしらの提案を求めるようになっていると思います。つまり提案の中に物流改善または物流改革の糸口が書かれていると思います。この物流改善は荷主側、物流会社側両方の共同作業になるはずです。そこで両社がどのように改善を進めていくのかについて検討しましょう。
共同改善のネタを探すと共に、目標値を設定しましょう。例えば積載率向上というテーマを掲げたとします。次にこの積載率について重量的積載率の実態と、容積的積載率の実態を明らかにしましょう。そしてこの数字を何パーセントまで向上するのか、つまり目標値を...
目標値の設定後、荷主会社は何を改善するのか、物流会社が行うことは何なのかを整理します。この改善活動の日程を作成し、それをフォローしながら改善のPDCAを回していきましょう。荷主と物流会社はパートナーですから、お互い協力して改善を進めていくことに物流アウトソースの真髄があるといえるでしょう。
次回に続きます。