倉庫容積率と作業生産性 保管効率向上のコツ(その2)

◆ 一動作荷役を考慮する

 エリアは会社が与えてくれるものだからその資源の効率を考えなくてもいいということではありません。物流事業者であれ、卸業であれ、メーカーや小売業であっても考え方は一緒です。

 与えられたエリアを存分に活用し、会社収益につなげていくことがその現場を任された者の責任になるのです。倉庫という資源を余すことなく、有効に使い切ることが物流経営には極めて重要になってきます。

 

 この出来栄えを判断することができる指標が「倉庫容積率」ということになります。物流センター長であればこの指標を全センター間で比較し、より良いデータは評価されるような仕組みが会社の中にあると良いと思います。工場で物流を担当されている物流責任者も同様です。 

 保管効率を評価する考え方は「倉庫容積率」だけではありません。この指標は倉庫内にものをぎっしりと詰めると良いという評価になります。しかしそれだけでは作業効率を評価できませんので別の見方をする必要があります。そこで作業生産性を評価できる見方について考えてみましょう。

 

 例えば一動作で荷を引き出すことができるという考え方があります。倉庫内にものをぎっしりと詰め込んだ場合、先入先出が困難になることが考えられます。ということは古い荷物を取り出す際に余分な作業が必要になります。後から入ってきた荷物をいったんどかしてから古い荷物を取り出し、また後から入ってきた荷物を元に戻すという動作がどうしても発生してしまうのです。

 そこでこの先入先出ができるようなロケーションを組むことを考えます。後ろから入庫し、前面から出庫するようなレイアウトを作れば先入先出ができるとともに、一動作で引き出しが可能になります。

 

 倉庫内にラック...

を置くことも考えられます。棚にものを置いていくイメージですが、この方式でも先入先出と一動作取出しが可能になるでしょう。ただしこのような工夫をすることで倉庫内に保管以外のスペースが生まれてきます。フォークリフトを使用する場合は旋回可能な幅の通路が必要になります。これらが「倉庫容積率」を低下させることになっりますので注意が必要です。

 次回に続きます。

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