標準時間で生産性管理を 物流を測定するツールを導入する(その3)

 

◆ 物流センターの収支を把握

 物流センター全体の収支につきましてはセンターごとの損益計算書で把握することになります。一般的に倉庫収支、輸配送収支でそれぞれの状況が把握できるようになっています。

 しかしここで注意が必要なのが共通経費の配賦(はいふ)方法です。例えばセンターにいる間接スタッフのコストを倉庫業にどれくらい、輸配送にどれくらい、といった形で配賦しなければならないのです。

 これを売上金額で行うと、必ずしも正しい値にならない可能性があります。

 共通経費の配賦方法としては、ある一定の期間に業務時間の記録を実施し、それぞれの業務にどれくらい時間を使ったのかを把握します。そして、それに基づいて配賦することが望ましいと思われます。

 また倉庫収支、輸配送収支も得意先別に把握することが大切です。得意先ごとに見た場合、ある荷主は利益が出ているものの、ある荷主はいつも赤字だという事実があります。もし得意先別に収支管理を行っていなければこの事実に気づかないことさえ考えられるのです。まず正しく数字を把握し、それに対する対処を行っていくことにしましょう。

 

 輸配送収支は必ず自社車両で配送した場合と、協力会社を使って配送した場合に分けて把握しましょう。協力会社で儲かっている一方、自社車両で運ぶと赤字だということがあります。このような状況があった場合、どう対処すべきでしょうか。自社車両配送をとことん改善しない限り、自車配送はやめた方が良いかもしれません。

 以上のような倉庫収支、輸配送収支の背景にはさまざまな要因があります。人件費や燃料費、共通経費などさまざまです。これらの中でも特に大きな比率を占めるコストについて、実態を測定するツールを導入することが望まれます。

 簡単なツールとして「一人1時間あたり処理荷量」や「一人1間あたりピッキング数」などが挙げられます。これらはまず大まかに捉えるとともに、いず...

れ標準時間を入れて生産性管理を行っていく必要があります。

 間接業務につきましては実態が見えにくい部分もありますが、トラック一台当たりの配車管理時間や一件あたりの受発注業務時間などは押さえておく方が良いと思います。

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 とかく数値化が苦手な物流業ですが、このように簡易な方法からでも良いので、一歩一歩測定ツールを導入して実態の出来栄えを数値で把握していきたいものです。

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