事例紹介:加工現場における課長という立場

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生産マネジメント

 

◆ 現場の課長が抱える悩みと解決策

【目次】

1、部長と現場の板挟み

2、加工をやっていない課長の苦悩

3、現場肌の課長さんの場合

4、タイプに応じた解決策を

 

1、部長と現場の板挟み

 金型メーカーや部品加工メーカーにおける課長というお仕事は本当に大変だと思います。ある課長さんが言っていた言葉がとても印象的でした。「もう一段上の「部長」になってしまえば楽になるんだけど…」。

 「部長」という立場が楽かどうかは置いておいて(私は楽だとは全く思っていませんが)、「課長」という立場は一つ上の部長よりも密接に、直接現場を指揮しなければいけない点で大変さがあると思います。

 この「部長になってしまえば」と話していた課長さんは、生産管理の仕事だけをメインにやってきた人で、現場加工のことは全く分からない人でした。そのため現場の作業者から突き上げを食らうことが多い上、具体的な技術面でのアドバイスもできないため、とても悩んでいました。

 さらに部長からは「業績が悪いから何とかしろ」と言われ、一方現場は中々思うように改善意識を持ってくれない…といったように、金型メーカーや部品加工メーカーの課長は、とかく部長と現場からの板挟みになることが多いようです。

 

2、加工をやっていない課長の苦悩

 そんな課長という大変なお仕事ですが、私が特に一緒にお仕事させていただくことが多い課長のパターンが、前述した「加工現場をよく知らない」方々です。

 会社がこういった方を課長に任命する主な理由としては、加工現場に元からいる職人肌の人たちに、管理やコミュニケーションに長けた方がいないため、しぶしぶ機械加工を実務で経験したことのない他部門から連れてくることが多いようです。

 抱えている課題としては、持ち前の管理とコミュニケーションスキルで、大きなトラブルは発生させないものの、色々と取り組むわりには、業績が振るわない・上向いていかないといった悩みを抱えています。

 そうなる要因として、自分で解決策をアドバイスできない苦しさがあります。

 また職人気質の人からは、軽くみられてしまいがちといった面もあり、大変苦労されている人もいます。

 私がこのような企業のコンサルティングをする場合は、やはりその課長が苦手とする技術面を補完するような役割でサポートしています。また管理面についても運用としては問題ないことが多いのですが、やはり専門家の視点から、管理のやり方について改善点を指摘させていただくこともあります。

 

3、現場肌の課長さんの場合

 逆に技術・技能はあるのですが、人を使うのが苦手、コミュニケーションが上手くとれないといった課長さんもおられます。こういった方には、技術・知識の通訳係としてお手伝いさせていただくこともあります。部下に伝えていくための標準化も行ったりします。

 また日程管理や原価管理についても、やり方が分からないといった声を聞くことが多く、こうした点についてもサポートしております。

 一方、この加工技術や知識があるタイプの課長さんで、多少コミュニケーションが上手くとれなくとも、ものづくりと並行して管理ができる人については逆に現場も回り、業績も伴っているという現場もあります。

 いわゆる「鬼軍曹」タイプの課長さんです。

 この現代社会においては嫌われるタイプと思われがちですが、私が見てきた中では意外にもこの「鬼軍曹」タイプの課長がいる加工現場は、ある意味生産性が最も上がっていました。

 

4、タイプに応じた解決策を

 このように、加工現場における課長という立場は、直接作業者を指揮しなければならない点では、本当に大変な仕事かと思います。また最初に挙げたように、課長という立場に「マネジメントができる」人材を当てようとすると、どうしても現場の叩き上げという人は該当しにくいという実状があります。

 そのような事情のなか、加工技術を良く知らないまま課長になった人は、EXCELでの日程表は立派なものがすぐに作れる...

生産マネジメント

 

◆ 現場の課長が抱える悩みと解決策

【目次】

1、部長と現場の板挟み

2、加工をやっていない課長の苦悩

3、現場肌の課長さんの場合

4、タイプに応じた解決策を

 

1、部長と現場の板挟み

 金型メーカーや部品加工メーカーにおける課長というお仕事は本当に大変だと思います。ある課長さんが言っていた言葉がとても印象的でした。「もう一段上の「部長」になってしまえば楽になるんだけど…」。

 「部長」という立場が楽かどうかは置いておいて(私は楽だとは全く思っていませんが)、「課長」という立場は一つ上の部長よりも密接に、直接現場を指揮しなければいけない点で大変さがあると思います。

 この「部長になってしまえば」と話していた課長さんは、生産管理の仕事だけをメインにやってきた人で、現場加工のことは全く分からない人でした。そのため現場の作業者から突き上げを食らうことが多い上、具体的な技術面でのアドバイスもできないため、とても悩んでいました。

 さらに部長からは「業績が悪いから何とかしろ」と言われ、一方現場は中々思うように改善意識を持ってくれない…といったように、金型メーカーや部品加工メーカーの課長は、とかく部長と現場からの板挟みになることが多いようです。

 

2、加工をやっていない課長の苦悩

 そんな課長という大変なお仕事ですが、私が特に一緒にお仕事させていただくことが多い課長のパターンが、前述した「加工現場をよく知らない」方々です。

 会社がこういった方を課長に任命する主な理由としては、加工現場に元からいる職人肌の人たちに、管理やコミュニケーションに長けた方がいないため、しぶしぶ機械加工を実務で経験したことのない他部門から連れてくることが多いようです。

 抱えている課題としては、持ち前の管理とコミュニケーションスキルで、大きなトラブルは発生させないものの、色々と取り組むわりには、業績が振るわない・上向いていかないといった悩みを抱えています。

 そうなる要因として、自分で解決策をアドバイスできない苦しさがあります。

 また職人気質の人からは、軽くみられてしまいがちといった面もあり、大変苦労されている人もいます。

 私がこのような企業のコンサルティングをする場合は、やはりその課長が苦手とする技術面を補完するような役割でサポートしています。また管理面についても運用としては問題ないことが多いのですが、やはり専門家の視点から、管理のやり方について改善点を指摘させていただくこともあります。

 

3、現場肌の課長さんの場合

 逆に技術・技能はあるのですが、人を使うのが苦手、コミュニケーションが上手くとれないといった課長さんもおられます。こういった方には、技術・知識の通訳係としてお手伝いさせていただくこともあります。部下に伝えていくための標準化も行ったりします。

 また日程管理や原価管理についても、やり方が分からないといった声を聞くことが多く、こうした点についてもサポートしております。

 一方、この加工技術や知識があるタイプの課長さんで、多少コミュニケーションが上手くとれなくとも、ものづくりと並行して管理ができる人については逆に現場も回り、業績も伴っているという現場もあります。

 いわゆる「鬼軍曹」タイプの課長さんです。

 この現代社会においては嫌われるタイプと思われがちですが、私が見てきた中では意外にもこの「鬼軍曹」タイプの課長がいる加工現場は、ある意味生産性が最も上がっていました。

 

4、タイプに応じた解決策を

 このように、加工現場における課長という立場は、直接作業者を指揮しなければならない点では、本当に大変な仕事かと思います。また最初に挙げたように、課長という立場に「マネジメントができる」人材を当てようとすると、どうしても現場の叩き上げという人は該当しにくいという実状があります。

 そのような事情のなか、加工技術を良く知らないまま課長になった人は、EXCELでの日程表は立派なものがすぐに作れるのですが、そもそも個々の案件の工数がよく分からない、また実際に現場で作っている工数そのものが、早いのか遅いのかよく分からないといった問題があったりします。

 よくある対処として、外注メーカーとの比較で評価しようとしますが、本当のことを教えてくれなかったり、私のような専門家からみると、そもそも外注メーカーの加工も100点なのかな?という疑問もあります。

 また外注メーカーの事業戦略として、もし私だったら本当の工数は絶対に教えません。質問されたのが取引先であれば、絶対にゲタをはかせた工数を伝えると思います(それよりも社内の方が遅いようであれば、それはそれで問題ですが)。

 このように加工現場を管理する課長の苦悩は様々なものがあります。上述したようにそれぞれタイプに応じた解決策で、色々と取り組んでみてください。参考になれば幸いです。

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この記事の著者

村上 英樹

金型・部品加工業専門コンサルティングです!販路開拓・生産改善・外注費削減の3つを支援するトライアングル支援パッケージ、技術を起点とする新しい経営コンサルタント

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