◆ 容器類を流出させるな
製品は容器に入れられていますし荷役時にはパレットを使うことが多いものと思います。物流というと輸送や倉庫に目が行きがちですがそれとともに重要な業務がパレット管理と容器管理です。もちろんこの2つの管理がしっかりできている会社はよいのですが意外とおろそかになっている会社があるようです。
パレット管理と容器管理がおろそかになっている会社の物流現場を見るとまったく関係のない会社の名前の入ったパレットや容器を見かけることがあります。このような状態を複数の会社で見かけますのでどこも似たり寄ったりのレベルなのかもしれません。
しかし他社の資産を悪びれることもなく使ってしまうということ自体に問題があるのであって、これはどちらかというとコンプライアンス上の課題でありモラルの問題です。こういった行為を行ってしまう背景にパレットや容器の不足が挙げられます。ではなぜ不足してしまうのでしょうか。
もともと保有する数量が少なすぎることもあるでしょう。しかし多くの場合パレットや容器の流出が要因と考えられます。出荷でパレットを使った場合、それを回収に行かない限り納品先で溜まってしまいます。リターナブル容器やパレットを使う場合には回収の仕組みを準備する必要があるのです。
この仕組みがあってもルールを徹底しきれず、またそれに対してものを言う人もいないため出荷側ではどんどんと容器類が不足してしまうのです。受け側で溜まった容器類は場所も食いますからどこかに持って行って欲しいと考えます。そうするとそれを欲しがる会社にあげてしまう可能性もあるのです。
パレットは本当に便利なもので目の前にあるものを気軽に使ってしまう傾向にあると思います。それを自社の発送に使ってしまうかもしれないのです。そうならないためのポイントは「管理」をきちんと行うことです。出荷するときには「どこにいくつ」出したかを記録します。入荷した...
これをデータとして保有し、ある時点で相手方に返却を要請し、逆に引き取りを要請することになるのです。これを容器類の貸借管理と呼びます。なぜかこのような自社の資産の管理について手を抜いてしまいます。その結果として不足した容器類を再度購入するというムダを発生さえてしまっているのです。
次回に続きます。