エリアと作業の効率とは:倉庫改善の勘所(その1)

 

◆エリア効率と作業効率

倉庫オペレーションは意外と人の目に触れない領域ではないかと思います。そうなると改善のメスが入っていないことが考えられます。倉庫で仕事をしている人たちはあまり外部を見ることもないのではないでしょうか。皆さんの会社では倉庫で効率的なオペレーションはできていますでしょうか。

 

結果的に自分たちで良かれと思って実行してきた仕事のやり方が、実際には競争力がなかったという事態になることが考えられるのです。やはり社内だけを見ていたら自分たちの立ち位置がわかりませんよね。ぜひ年に何回かは外の会社を見に行くことをお勧めしたいと思います。

 

倉庫ではエリアを効率的に使うことと、作業効率を向上させること、この両立を図る必要があります。ということで、この2つの観点から倉庫改善について見ていきたいと思います。最初に通路幅について考えてみましょう。通路について私たちはどのようにとらえたらよいでしょうか。ずばり、デッドスペースです。通路は付加価値を生まない存在であると考えましょう。

 

この観点に立つと、通路はできるだけ少なくしなければなりません。通路を少なくする一方で、保管エリアの比率や梱包場の比率を向上させたいものです。たとえばピッキング場の中の通路について。小物ピッキングであれば、棚と棚の間の通路幅は人が一人通れるスペースで十分です。

 

この考え方からおおよそ60㎝~70㎝くらいあればよいということになります。人が手を伸ばせば両側に置かれているものを取り出せればよいわけです。では世の中に多くある倉庫のピッキング場内通路はどれくらいでしょうか。1m以上は当たり前で、ひどい場合は2~3mを取っているところがあります。

 

なぜこのような通路幅になっているのでしょうか。このように質問すると次のような回答が返ってきます。

 

1.「人がすれ違える幅とした」
2.「台車2台が通れる幅とした」
3.「フォークリフトが旋...

回できる幅とした」

 

この内1の場合は1m以下でも可能だと思います。2の場合はどれくらいの頻度で台車がすれ違うケースが発生するのかを考える必要がありそうです。3の場合はフォークで荷扱いするものと、ピッキングをするものを同一エリアで混在させていることが要因だと考えられます。

 

次回に続きます。

 

 

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