他社に勝てる物流体力とは:自社のポジションを知る(その2)

 

◆人の動きに注目

物流業務では人に頼る部分が大きいという特徴があります。物流倉庫では多くが人手による作業です。そこで、この「人」の部分を慎重に見極める必要があります。

 

物流作業に対する対価は企業間でそれほど大きくはないと思われます。一人が一時間働いた時の対価に大差ありません。しかし人の動きには大きな差が出てきます。これは物流の弱いところで、標準作業を確立できていない会社は特に人の動きにばらつきがあります。

 

物流倉庫での人の動きは「ゆったりと」しています。本来標準作業として定めるべきスピードよりもはるかに遅い動きと考えた方がよいと思います。この人のスピードが自社の他職場と比べて、他社と比べてどうなっているのかは確認しておく必要があります。

 

いつも申し上げていることですが、人の動きを見るのであれば、ぜひ製造業の人の動きを参考にするべきです。

 

パートタイマーを製造業も物流業も採用をしています。この時の給与は大きな差はありません。しかし、動きには雲泥の差が出ます。これをコストという観点から考えてみましょう。多分人の動きの差を見ると、2倍から4倍の差があると思われます。

 

そうなると同じ時給1000円であったとしても、物流業は一つの仕事で製造業と比べると2000円から4000円支払っているイメージになります。つまり物流現場は人件費の観点から見るとかなり高コストになっていると考えられるのです。もしかしたら経営者ですらこの事実に気づいていないかもしれません。

 

結果的に物流業の利益率は低くならざるを得ず、給与水準も上げられず、人財...

も採用しづらいという悪循環になってしまうのです。自社のポジションを知ることはそれだけ重要だということです。積極的にいろいろな会社の見学会に参加し、目を養うことが必要です。

 

ぜひ「島国」「鎖国状態」から抜け出し、他社に勝てるよう体力をつけて行きましょう。

 

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