日々の仕事で常にモチベーションを保つのは難しい事です。以前CMで『やる気スイッチON!』と言うのがありましたが、こういうスイッチで任意に発動出来れば良いのですが、自身でモチベーションを高めるようとする意識があれば、やる気に欠ける事を認識し改善しようと思っているわけですから大きな問題では無いでしょう。
意欲が無くてもやるべきことは、多少効率が悪くてもやろうとするはずです。卒業したばかりの若手や、仕事の面白さが分かってきた中堅社員は内からにじみ出るやる気がまだまだあるので一時的に失速しても容易に再起動させられます。
問題なのはモチベーションって何って言いそうな方です。日々の仕事が既にルーチンワークと化してしまい新しい事に取り組む意欲も現状を改善する意識も失ってしまった層と言えるでしょうか。社員のモチベーション低下を嘆いている経営者の方も少なく無いと思います。
社員のモチベーションを引き上げ自発的に仕事に取り組んでもらうにはどうすれば良いのでしょうか。モチベーションにはポジティブなものとネガティブなもの二種類があります。
シマウマとそれを追うライオンの例えが比較的知られているかと思います。ライオンはシマウマを捕らえれば餌にありつけるので気持ちが乗って狩りを行っていますが、シマウマは捕まれば食い殺されるので否が応でも逃げなければなりません。シマウマは生命の危機を脱する為、意思に関係なく嫌々走らされているのです。
仕事も往々にしてネガティブなモチベーションが原動力になっている場合があります。やらないと非難される、叱責される、減給される、降格される。ネガティブモチベーションは一時的には効果があるが長くは続かないと言われます。
それは張り詰めた緊張感の中では達成した安堵感はあっても喜びが無いからでしょう。張り詰めた緊張感の中で仕事を続けるのは疲弊しますし、気力が尽きればどうでも良くなります。かと言って慢性的にモチベーションが無い人にいきなりポジティブなモチベーションを抱かせるのは即効性を考えると難しいでしょう。
それにポジティブモチベーションでも長続きするかと言われればそうでもありません。仮に報酬で釣った場合は報酬に慣れてしまうと段々喜びが薄くなり、褒美がどんどん豪華にならないと感動が弱まってきます。長年エンジンをかけていない人達なら尚更ショボイ報奨では動きません。かと言って仕事の中にやりがいを見つけてもらうのはもっと大変で時間がかかります。
経営者に取っては、給与を払って福利厚生も用意し、さらにやる気の出るお膳立てまで準備しないと働いてもらえないのかと悲観的になりそうです。最初はネガティブモチベーションで起動させるのは決して悪政では無いと思います。
そこでお薦めなのがネガティブモチベーションを進化させたクライシスモチベーションです。つまり危機意識を持ってもらう事です。クライシスモチベーションは罰則や叱責を課すムチ方式とは異なります。経営者のもつ危機感を出来るだけ分かりやすく、リアルに従業員に伝える事です。
土台が揺らぐ様な危機感を抱くことにより現状維持ではマズイと意識してきます。なんとか打開しなければ、対処しなければ、と思わせる事が出来れば良しです。もちろん危機感が強すぎると逆効果で却ってやる気を失ったり転職を考えたりするので『冷水』を感じてもらったらある程度の所で手を差し伸べる方が良いようです。
•向かうべき方向(ゴール)を示すこと
•一人じゃなくチームで対処させ協力する喜びを知ってもらうこと
•達成した時に喜びや感謝を伝え、頑張って良か...