3D Printing 2016 レポート:方式別、技術動向(その4)
2016-03-25
3D Printing 2016(2016年1月27~29日:東京ビッグサイト)から、方式別に技術動向を整理して4回に分けて解説しています。最終回は、粉末焼結・粉末溶融タイプおよびその他方式の展示、解説です。
日本電子は金属粉末(球状)を電子ビームで溶融させるタイプの3Dプリンターについてパネルで紹介していた(写真1)。レーザー光に比べて出力が数倍大きく、レーザーでは造形できない高融点の素材に対応できます。また、レーザー光は機械的にスキャンするのに対し、電子線は磁場によってスキャンするので造形速度が速いという特長があります。
写真1.日本電子ブースに掲示されていた電子線方式の金属3Dプリンター(開発品)の説明
NTTデータエンジニアリングのブースにはEOSの樹脂粉末焼結タイプと金属粉溶融タイプの3Dプリンターによる造形品が展示されていました(写真2)。
写真2.NTTデータエンジニアリングブースに展示されていたEOSによる造形品サンプル
東芝と東芝機械は金属粉末をノズル先端に供給してレーザー光で溶融させて塗工するタイプの3Dプリンターをパネルで紹介し、造形サンプルを展示していました。塗工後のレーザー光で表面を平滑化することができます。写真3に展示パネルの機構説明部分を示します。
写真3.東芝・東芝機械が紹介していたレーザーメタルデポジション方式の3Dプリンター
三菱重工はレーザー光方式の金属粉3Dプリンターをパネルで紹介していました。造形サンプルとして、銅合金上にインコネルを造形した異種材料接合サンプルを展示していました。
武藤工業は、3DSystemsの熱可塑性樹脂のSLS(粉末レーザー焼結)3Dプリンター(SLSプロダクションシリーズ)、3DSystemsの金属粉末のレーザー溶融タイプ...
の3Dプリンター(Direct Metal)を展示するとともに、自社開発のアーク溶接金属3Dプリンター(Value Arc MA5000-S-1)の展示実演を行っていました。このタイプは、汎用の金属溶接ワイヤーをアーク溶接して積層する方式です。(溶接による肉盛積層)。写真4に造形中と造形後の様子を示します。
写真4.武藤工業が実演していたアーク溶接方式の金属3Dプリンター