クリーンルームの天井について
2017-07-10
乱流式のクリーンルームは、あまり高い清浄度を必要としないのですが、クラス1000(Fed.Std)位から乱流式が使われています。クリーンルームには清浄度の高い空気が供給されていても、天井からゴミが降るようでは、良い品質、環境づくりはできません。
乱流式であっても、当初からそのように設計されているクリーンルームは、比較的この問題は少ないのですが、事務室や、以前はクリーンルームではないエリアをクリーンルームに改造したところでは、クリーンルームの振動で天井のゴミ(建材)が徐々に落下してきます。
それとは別に、当初からクリーンルームに設計されているところでも、地盤の影響で天井のゴミが落下することがあります。具体的には、山間部などを造成し建設した場合、山を削り、その土で低い部分を埋め立てて造成した場合で、建物が山側と埋め立て部分にまたがっている場合、山側に乗っている部分はしっかりしているのですが、埋め立てたところは、やや弱い場合があります。
もちろんそのことは建設時配慮されていると思いますが、この埋め立て部分に位置する場所に、イオン打ち込み装置など数トンもある設備が集中すると、徐々に沈むことが考えられます。
例えわずかな地震でも、経年変化で建物の劣化が始まることが考えられます。これらは、建物の床などに何本かの亀裂が見られるようになります。そのヒビが、埋め立て部分と同方向ならその可能性があります。
天井も良く観察するとヒビ割れが確認できることがあります。そこからゴミが落ちるのです。空調稼働時はややクリーンルームが膨らみ、空調停止時は元に戻ります。この繰り返しや地震などの外圧が加わると、長い時間の負荷でヒビ割れが進行します。停電や長期連休などの繰り返しでも、その都度の軋みで進行します。
この応急処置としては、天井に貼る補修用のテープがあります。クリーンルームのプラントメーカーなどでは情報が得られると思います。ア...
ドバイスをお願いすればいいでしょう。一般には天井をそのような目で見ることはまずないと思います。可能性のありそうな現場では、一度確認してみてはいかがでしょうか。
クリーン化担当などは、巡回時その意識で観察してみる。また、落下塵が多くなったとか、建材のゴミが増えたなど分析内容に異常が確認された時は、天井からのゴミを意識しておきましょう。
尚、関連した解説として、『クリーンルームの天井からの落下塵について』を参照して下さい。