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QUESTION 質問No.109

アイデア出しの手法

全体/その他アイデア発想法 |投稿日時:
工業高等専門学校の情報工学科の学生さんの質問を最近みましたが、学生さんも
勉強熱心な方がいることを知り、ものづくりの後継者にうれしく思いました。
さて、私も、9月に会員登録したばかりですが、このコーナーを利用させてもらいます。
私は、自動車部品製造の孫請け工場を経営しています。従業員は、約20名です。
社員を集めて、VA、VEのアイデア出し会議を行うのですが、アイデア出しの手法について
この会議の目的に合う手法、その手法を利用する注意点など、アドバイスをお願いします。



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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

技術者向きには、ブレインライティング法が簡便で使いやすいと思います
中国でブレインライティング法を実施したところ、技術者の方から「我々は営業と違って、話し下手なので、ブレインライティング法が大変向いている」との反応がありました
ご参考までに

                                     高橋 誠




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

 大学や企業でのセミナー、技術開発コンサルをしている経験からアドバイスします。まず、結論から先に述べます。VA、VEを前提としたアイデア抽出会議ということですので、VA、VEに親和性のある発想法がよりベターだと思います。次の3つの視点で述べます。

(1)VA、VEに親和性のある発想法
 VEの基本的な考え方は、モノやサービスの機能とコストのバランスを改善することによって価値の向上を図ることです。公式とその手段は次のよう表せます。

 V(価値)=F(機能)/C(費用)

 ①機能はそのままでコストを下げ価値を上げる。
 ②コストはそのままで機能を上げ価値を上げる。
 ③コストを下げ機能を上げて価値を上げる。
 ④コストも機能も上げて価値を上げる。

 上記の定義から、ベストな選択は、FとCの両者を満足させる方法を短リードタイムで実現することになります。では、“非”価格競争を目指したり、FとCの両者を満足させたりするにはどうしたらよいのでしょうか。それには、ブレークスルーが必要です。発想法は多数存在します。中でも、TRIZは、発想の切り口が多彩で、これでもかこれでもかと解決策の具体案のヒントを示してくれます。最強の発想法と言われています。VEで問題提起し、機能定義を行った課題を、例えば、TRIZの40の発明原理でアイデア出しすれば、差別化できる解決策が見つかると考えます。オズボーンのチェックリストのようにシンプルに使えば、特に教育も不要と思います。

(2)アイデア出し前に、本当の目的、根本原因を特定
 一般的には、「アイデアを生み出すには質より量」と言われています。確かに、凄いアイデアを出している人は、その何倍も並みのアイデアを出しているのも事実です。しかし、御社のような20人規模の企業にとって、アイデア出し会議の時間は、非常に貴重な時間だと思います。そこで、効率的にアイデア出しを行うには、まず、VEで機能を正しく定義することが有効となります。また、新技術のアイデア出しの場合には、真の目的を探求する目的展開をお薦めします。具体的には、「目的の目的は?」を数回繰り返します。さらに、不良等の問題点の解決には、なぜなぜ分析で、「なぜ?」「なぜ?」を数回繰り返し根本原因を特定します。

(3)アイデア出し会議にはメリハリを
 個人でアイデア出しをする方が、ブレストよりも、出てくるアイデアの数も、アイデアの質も高まる傾向を示しているデータもあるようです。その主な原因は、ブレストでの「他者への気兼ね」です。筆者もたびたび経験してきました。どうしても「自分のアイデアを他の人はどう評価しているか」が気になります。特に、権威のある人がブレストに参加すると顕著になることも示されています。つまり、短時間のブレストとブレストの間に、個人でアイデア出しする機会も設ければよいわけです。

回答者:ぷろえんじにあ代表 粕谷茂




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回答No3 | 投稿日時:

発明的創造の心理学について
G.S.アルトシュラー、R.B.シャピロ(バクー市)
雑誌『心理学の諸問題』第 6 号、1956 年、37~49 頁
翻訳:産業能率大学 総合研究所TRIZセンター 黒澤 愼輔

http://www.hj.sanno.ac.jp/files/cp/page/5973/altshuller.pdf

以下抜粋

創造過程のスキームを次の形で示すことができる。

Ⅰ. 分析段階
1. 課題の選択
2. 課題の最重点の確定
3. 決定的矛盾の発見
4. 矛盾の直接原因の確定

Ⅱ. 操作段階
1. 典型的解決法(原型)の研究
a) 自然的(自然の中に存在する)原型の応用
b) 他の技術分野の原型の応用
2. 次の各部の変更によって解決をもたらす新たな方法の探求
a) システムの範囲内における変更
b) 外部環境における変更
c) 隣接システムにおける変更

Ⅲ. 総合段階
1. システムの変化から必然的に帰結する変更の導入
2. システムの変化が必然的に伴う使用方法の変更
3. 原理の他の技術課題の解決への応用する可能性の検討
4. 発明の評価

実践こそが
発明的創造の心理学の最終目的であるからである。
認識された法則性は、発明活動の
科学的方法論の開発に利用されなければならない。

コメント
 科学技術の学習と、発明の経験により
 この資料の読み方が変わります。
 詳細なアイデアの出し方よりも
 例外はあるものの、
 この手順こそが、「TRIZ」だと感じています。

TRIZ:発明的問題解決理論