当社には、インターネットからダウンロードしたワークシートの記入欄を埋めて
作成したBCPがあります。
熊本の地震報道を見て、今のBCPが当社で必要としている事が網羅されたBCP
なのかと反省しております。
地震想定のBCPを作り直すにあたり、事業経営の存続にフォーカスした
まともな計画作りをどう進めていけばよいか、解説をお願いします。
経営工学が専門ではありませんが、東日本大震災時にBCPを作成した経験から回答させていただきます。
私も、BCPのシートに入力することから始めましたが、入力したところで実態にはそぐわないので、新たに別で作成しました。
まず最初に決めるたのは、生産品の優先順位を決定しました。
これは、利益が大きいものより、製造を中止した場合に上流過程での影響が大きいものを優先としました。
利益が大きくても、数日で他の地方から納入することが可能な製品ではなく、他社からの納入が難しいものを優先して復興させると考えました。
そのうえで、その製品を製造するために必要な機械や、その製造のために必要な人員の技量及び人数や、必要な資材を洗い出すことから始めました。
洗い出しが終わったら、現状でのリスクを分析して、製造機械の管理や人員の一部が出勤できないことを想定した人材の育成や、材料の納入業者や納品業者との輸送計画などを調整していくことになります。
これが、再生産開始の条件にもなります。
大まかな作業内容は以上の通りになります。
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事業経営にフォーカスしたBCP作成に関して、リスク分析の観点から
ご説明いたします。
(1)対策が必要な事業を見極めます。
まず、事業を取引先や製品などでグルーピングします。
次に、経営への影響度(売上・利益)をランク付け(例えば5段階表示)
します。 更に、それらの事業の代替手段可否を、当社との関係性
などを考慮し同様にランク付け(例えば5段階表示)します。
それらのランク付けしたものを縦軸を経営への影響度、横軸を代替
手段として表を作成し、取引先・製品などをマッピングします。
(2)事業経営にフォーカスしたBCP計画の策定
事業マッピング表から、経営への影響度が高い取引先や製品などに
ついて、代替手段の有無によって対応策を決定します。
①代替え手段があれば、災害時に協力してもらうための協力関係を
日頃から強化していたり、災害時の代替えルールなどを明確にして
おくことが重要となります。
工場分散やデータ二重化などもこの対策となります。
但し、近距離の場合など同様に被災する可能性が高い場合や、戦略
製品などは代替手段がない前提で考えておく必要があります。
②代替え手段がない場合は、耐震などの地震対策、災害時に対応
可能な従業員の確保や下記の災害復旧計画などをBCP計画に
盛り込んでおきます。
・顧客や協力会社向け(代替手段、他社への一時移管、取引復元)
・従業員や資源対策(安全確保、修理・復旧対策、資源調達)
・財務対策(運転資金、不渡対策、仕入や給与支払、復旧資金確保)
但し、会社の経営状態や経営資源、立地条件などによりこの対策は
異なりますので、自社独自のBCP計画を練ることがポイントと
なります。
以上、ご参考になれば幸いです。
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