現場の改善に、やる気のない人に手法だけ教えても、改善は進まないことは承知しています。
改善の意志に対する適切な働きかけが重要だと思っております。
現場の人間が改善を楽しむようにモチベーションへ働きかけるにはどうしたらよいでしょうか。
改善が成功している工場は、経営層が現場に関心を持ち、現場の達成感を高め、自信を持たせて
新しいことに挑戦させる風土づくりに成功していると思います。
5Sも見える化も実施はしました。しかし、成果が感じられません。
現場改善のイノベーション、アドバイスをお願いします。
やる気のない人はどんな企業にも組織にも残念ながら確かにいます。
私が以前、5S支援をしたケースをご紹介します。
この企業はプレス加工業で従業員は30名程度でした。
本来であれば改善意欲が旺盛であるはずの若い従業員達のモチベーションが低かったのです。
現場で個別に「傾聴」し、彼ら出た言葉は上司や会社への文句ばかりでした。
「本来はこうすると効率アップするが、上司は、ベテランは、これまでのやり方に固着し、全く自分のことを分かってくれない」「以前、自分で改善したが結局また元に戻ってしまった」など。
可能であれば第三者に改善支援に来ていただき、改善の目的や手法を教示するのと同時に、現場の社員達の意見を個別に聞いてもらうことです。
これまで聞かれなかった意見や不満などが出るかもしれませんが、第三者はあくまでも黒子に徹して業務改善へとつなげ、改善が自主的にできる組織を育成することです。
案外、従業員は改善の手法は分かっているものです。もしやる気のない人がいて、組織のモチベーションが上がらないのであれば、この阻害要因を見つけ出し、これを排除し次のステップへとつなげることです。
やる気のない人に見えても、本当は改善をしたいのかもしれません。
事例を交えての回答ですが、ご参考になりましたら幸いです。
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他の専門家の方が記載されているように、どのような企業にも意欲の無い方は存在します。
しかし、社内風土を高めることでこの様な従業員の方々は会社を去っていくものです。
従って、現状では会社内でそういった皆さんが居心地の良い部分があるのではないかと予想されます。
私の経験では、カイゼンが進まない、根付かない多くの原因は職場環境が整備されていない場合がほとんどです。
5Sも見える化も実施しましたとありますが、過去形になっていることが気になります。
5S活動も見える化も終わりのない活動ですので、5S活動も見える化も実施していますが、カイゼンが根付きませんというのが本来の発言であるべきだと思います。
更に、私の経験では5S活動や見える化を実施し続けて活動が定着している企業でカイゼンが進まないという事はありません。
まづは5S活動を見直して下記の目的を充分に従業員の皆さんに理解してもらうことが先決だと思います。
① 職場の環境を考える。
仕事の流れは常に同じではありません、変化に応じて環境を変化させられるようになることが重要です。
② 社内標準を明確にする。
問題意識には個人差があります。この差を無くさないと社内活動になりません。基準を明確にしてみましょう。
③ 社印のレベルを向上させます。
各活動を通じて何を従業員に身に付けてほしいか会社側が明確にする。
下記にインドの日系企業で5S支援を実施したレポートを掲載しております。
参考にしてみてください。
http://gdmc.jp/report-4.html
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クリーン化が専門の清水です。
現場改善の継続は、現場の士気を高め、維持し、更にスパイラルアップさせていくことの繰り返しです。終わりがないので中弛みしやすく継続は相当大変なことです。
この点ではクリーン化も同様です。
管理職としては、世の中の進歩が速いのに、こんなことをしていたら置いて行かれるとか、企業の存続も意識するともどかしいものだと思います。
ただ、その管理職の方もどれだけの危機感をお持ちなのかわかりません。
でもその意識だけで「うちの会社の存続も危ぶまれる」というようにあおってしまってもいけません。
色々な企業を訪問しても、管理職の方の言動や、現場の状態を見ると心配になることが多々目につきます。日本の多くの中小企業の傾向と言えるかもしれません。
良い企業の現場は綺麗で、社員もはつらつとしている。製品の停滞も無い。この会社は採算がとれている。利益が出ているだろうことが推測できます。
東南アジアを見ると、日本を追い抜いていると思う現場も多々あります。
個々に例は挙げませんが、従業員が単なる作業者の域を超え、現場の改善や品質問題について、自分たちの意見、考えをしっかり持つようになってきています。
そういう企業には、日本に実習や工場見学に来た経験のある人たちがいます。
最初は危機感を持ち帰っていたようですが、今では日本を追い越したことを自覚しているところもあります。それが自信になってどんどん成長している。しかもいまだにその日本から謙虚に学ぼうという姿勢を見ることがあります。
外を見たことから、自分たちの現場と比較し、更に良くしようとしているわけです。
私が帰国後、この見たり、感じたことを上司やクリーン化担当を集め報告しても、管理、監督者さえも、話がオーバーだとなどと聞き流す傾向がありました。
信じられないとか信じたくない。あるいはその話の通りなら、自分たちも手を汚さなくてはいけないので避けたいなど色々な言い訳が頭を過るのでしょう。
大勢の前で大げさだと言われてしまう。つまりその時点で社員にブレーキをかけるということで、こうなったら進みません。
日本ではいまだに東南アジアに対し上から目線ということをつくづく感じます。
そのことに気づいていない経営者や管理、監督者がまだ多いのです。
話が長くなりました。ポイントと思われることを少し拾います。
・苦しいことを乗り越えるほど達成感、成功体験が得られる。会社側の人も、社員もこれが足りないのではないでしょうか。それがあれば相互に経験を語りたいです。
・現場の体質改善は会社の存続に繋がることを理解させる。仕事が海外に出て行ってしまい、自分達の仕事もなくなるという危機感が欲しい。それを感じさせてやりたい。
・成長している企業はやることが厳しくても社員が生き生きしている。つまり会社の問題や人ごとではなく、何とかしようと自分の問題として考えている。こういうところも社員に伝える工夫をしたい。
☆理論理屈ではなく視覚に訴える
上記のポイントは臨場感がないと単なる理論、理屈に過ぎないかもしれません。そこで、理論理屈で説得するよりも、他社の良いところを見せる機会を作ると刺激になると思います。
こんな例があります。
① 交差パトロール
私が指導した企業でも、士気が上がらないという相談がありました。
その会社は、国内にいくつか、そして中国にも工場を持っていました。可能ならここをそれぞれ交差してパトロールをしたらどうかとアドバイスしました。
他の工場を見て、良いところや優れた考え方を知ることで、刺激を受けたり導入しようとします。
また、自分たちの良いところをPR したり、アドバイスする。同じ企業でもライバルであり、相互成長を目指すということ。
早速実施したところ実は中国の工場から教わることの方が多かったということです。
② 中国と日本の工場
中国で指導していたある工場メンバーが選抜されて日本、つまり本社に勉強に来た。
その感想は、日本より中国の自分たちの工場の方が綺麗だった。
③ シンガポールと日本の工場
シンガポールの工場は、本当に綺麗でした。現場の人たちの苦労の積み重ねです。
そのメンバーの一部が、日本に作業実習に来たところ、日本の工場はこの程度ですか、そろそろ私たちが日本に指導に行きます、と言ったとの話があります。
④ 探し活動
中国のある工場では、宝探し活動というのをやっていました。
私が訪問する前に自分たちのラインを診断し、不具合は記録しておき、私が現場診断をする。その時、私が発見したもので自分たちに発見できなかったものはすべて宝である。という活動。
次には私を困らせてやろうとか、私よりも沢山見つけようということで真剣に見る。こちらも負けてはいけないので最大限に努力をする。その繰り返しで現地の人たちもレベルも上がる。他者の知恵を取り込みマンネリ化から脱却している例です。
以上は、事例の一部ですが、今回いただいたテーマへの回答は、
1. 他社を見せる
2. 専門家を工場に呼ぶ ということが考えられます。
ただ、1.の他社の現場を見せ、刺激を受けさせることが一番効果的ではないかと思います。
その意味では、工場見学会を実施している団体もあるので、有料ですが参加させるのも良いです。
・工場見学会に参加すると、刺激を受けるはずなので、報告書で感想や自社の課題など報告させこれを蓄積する。これにより見学に出したメンバーの変化も把握できる。
もし上司も一緒に参加できたら、あの会社は凄かったねという共通の会話ができるようになり、自分達ももっと頑張らなければいけないとか、こんなことをしていたら企業の存続はないなど危機感を持つように導きたい。そしてその気持ちをみんなに伝えたい気持ちにさせる。
レポートの書き方の指導もしながら育てる。
そしてまた違う企業を見てみたいという気にさせる。井の中の蛙の脱却です。
大切なのは、日本人は不得手なことですが、やったことをきちんと声を出して褒めるということです。
色々訪問すると、作業者の愚痴や不満を聞くことがあります。
例えば作業者がやったことを、管理監督者がいかにもやったように話すことも多いです。
つまり、横取りするということで、これも何回か耳にしましたが、これは絶対にやってはいけないことですね。これをやってしまうと社員の士気は低下します。
余談ですが、井の中の蛙は外を見たことがない。つまり競争する必要がないので行動しないですね。
植林も最初は距離を狭くして植えることがあるそうです。すると競争しながら育つが、距離を離して植えると、あまり競争せず成長速度は遅いというのです。種類にもよるようですが、ある大きさに育ったら、離して植え直すそうです。
ご参考になれば、幸せです。
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5Sも見える化も実施したとありますが、形だけの5Sや見える化になって
いませんか?
例えば、5Sの整理・整頓にしても、一般的には「いるものといらないも
のを区別」、「置き場を決める」となりますが、これを真にうけると単な
る「キレイ・キレイ運動」になりがちです。
本来は、社員が仕事をしやすい環境、つまり「楽に、安全に作業できる
環境」を作ることであり、それはキレイといった状況ではない場合もあ
ります。意外とこの本質を理解していても、実践できていないケースが
多い様です。
それは従業員の視点に立ち、生産性を上げつつ「楽に・安全に作業する」
ための活動になっていないことが原因です。例えば始業時間になったら
工具類を探す作業から入るのではなく、すぐに仕事が開始できる環境は
どうしたらいいかといったことを社員が自律考え、工夫し実践してもらう
のです。 このような活動を会社全体に根付かせることが重要です。
私の支援経験でも、改善活動で「仕事がしやすくなった」などの成果を
従業員が理解すると改善活動はまちがいなく活性化します。
もちろん従業員まかせではなく、会社のトップが定期的に工場を巡回し、
それらの改善活動を認めてあげることが重要です。
また、改善が思う通りに進まない状況でも、進まないことを責めるので
はなく、なぜ進まないのか、その原因を関係者全員で追究し解決して
いくことが重要となります。いずれにしても、従業員と経営者が一体と
なって活動を推進しない、長続きしません。
まずは経営トップの意識を変えることがポイントと考えています。
尚、どんなにすばしい制度や活動でも、人間が行うものですから半年
たてば必ずマンネリ化します。安定的に活動を継続するには、活動
自体に変化をつけたりして刺激を与えることも重要となります。
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◇進まない現場改善 ご相談の経営者様へ
■□配電盤関連の完成品と部品を製造している工場で、貴方の望んでいる「現場改善」何でしぅか。
それが見えない限りは、確かに手法だけ、どこかの講師を呼んで教えても仕方が無いと察します。
★目的は、Ⅰ収益を上げたいのか。 Ⅱ従業員を活性化したいのか。Ⅲ5Sで現場良くしたいのか。
■□すべてを一気にやり遂げようとしても、所詮「ムリ」なのです。
★本気になって、Ⅰ~Ⅲのどれかを決めて、会社の年度方針にあげて責任者をを決めて、その責任者を
経営者の貴方が支援して、現場の普通の人(役職不要)を推進リーダーにして、良い時は誉め、ダメな時は
教えて、すべて、簡単な改善メモを書いて貰い責任者が提案した本人に回答することです。
★改善提案活動をやっている企業でも、改善と言えるのは、5%以下、残りは従業員の参加している
意識の向上と言われています。
■□目的の無い、改善活動はやっても、意味が有りません、"やるなら会社が把握しましょう"
従業員は、「素直で可愛いものだ」私は従業員のお陰でやっている。もっと良い職場にしようと言う
★信念が必要です。やって見て判らない事が出たら、ものづくりcomの専門家に相談して下さい。
逃げる事なく、アドバイスします。
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