技術コンサルティング、大学のものづくり講座講師などで活動している者です。ご要望の次の2点にフォーカスしてアドバイスします。
(1)ものづくりとVRの検索方法について
「ものづくり」というキーワードは、検索エンジンにとって抽象的な言葉であるため、具体的内容まで特定できにくいものと考えられます。確かに、ヒットする記事は少ないようです。しかし、「ものづくり」を何段階か具体化してみてはいかがでしょうか。例えば、ものづくりは「プロダクトイノベーション」と「プロセスイノベーション」に分解されます。さらにそれらを分解すれば、「デザイン」、「商品開発」、「技術開発」、「設計」、「工程設計」、「生産準備」、「製造」、「物流」等となります。それらの具体的キーワードとVRで検索してみてください。非常に多くの記事に出会うと思います。試してみてください。
(2)今後のものづくり現場への適用について
ものづくり現場への適用については、既に、自動車、電気製品、情報機器等で多くの実用化例が紹介されています。念のため、ここでは、代表的なものをいくつか列記しておきます。
①設計プロセスのデザインレビューへの適用(3D CADを用いて、組立性、メンテナンス性等を評価する)
②デジタルモックアップによる仮想空間でのユーザーテスト
③生産ライン設計における生産準備前の効果検証・IE分析、工程事前教育
④海外工場との遠隔指示・研修
⑤臨床体験による安全検証・危険認知教育
回答者:ぷろえんじにあ代表:粕谷茂
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ものづくり革新や技術・技能伝承で取り組んでいるおります。当方が支援活動などで把握している情報をお伝えいたします。
(1)VRの活用事例
VRを活用したものづくり現場の利用場面としては、自動車産業などは30年以上前から実施されているようですが、中々その実態は明らかにされません。ですが、最近色々なツールが出てきており、今後ものづくり場面で活用の場面も多くでることが想定されます。但し、ツールが高価で効果も限定的ですので、まだ一般的ではありません。しかし、次のような場面での活用が期待されています。
◇原子力発電所の事故現場など、人間が近づけないような場所での
作業や修理トレーニングを仮想環境で実施するような場合
◇組み立て作業やメンテナンス作業のトレーニングでの活用。
例えば、ジェット機など内部構造やエンジン構造の理解と
メンテナンス・トレーニング
(2)活用する際の情報の流れ
3D-CADで設計→シュミレータで設計検証→VRツールで組立・保守トレーニング
などのステップでデータ連携し、実機を試作することなく量産化までのステップを行うことが可能となります。このようなデータを活用すれば、VRだけでなく、AR(Augmented Reality:拡張現実)や3Dプリンタ、タブレットでの動画マニュアルなど様々な用途が可能ですが、VRから論点が外れてきますので、この程度にとどめておきます。
(3)VRツールの例
当方が知っているものづくり場面で活用されているツールをご紹介します。インターネットで検索すれば簡単に知ることが可能ですので、調べてみては如何でしょうか。
◇ホログラフ ディスプレイ ZSPACE
◇4面立体視システム iCUBE
◇ミックスド リアリティ システム MREAL
◇VPS(Virtual Product Simulator) 富士通
✳VPSはシュミレータでいわゆる「フロントローティング」のための
ツールです。 VRとは違いますが、ご参考まで。
なお、ものづくり関係の展示会などでは、上記以外のVRツールも多く展示やデモが行われています。時間的な余裕があればそれらに参加し、情報収集するのもいいかも知れません。
以上です。 ご参考になれば幸いです。
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