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QUESTION 質問No.181

製造プロセスの見える化

生産生産マネジメント |投稿日時:
プラスティック製品の製造業です。製造プロセスの見える化で、ご意見をお願いします。

見える化したいことは、次の2点です。

1、生産量、熱量、電力量を直接リアルタイムにデータ収集して、機器別・ライン別・日別に、エネルギー消費構成(量と比率)とエネルギー原単位を算出。

2、品質や不良率とエネルギー・操作因子の相関。

見える化して探索したいことは、エネルギー原単位の最小操作条件と生産性最大の操作条件です。

エネルギー計測データの戦略的活用は、どのようなステップで進めたら良いでしょうか。
又、エネルギー見える化ツール(EMS)の構成は、特定の機器・ベンダー仕様に依存しないで進められるのでしょうか。

漠然とした内容で恐縮ですが、専門家の方とのファーストコンタクトの位置づけで、このコーナーを利用させて下さい。


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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

EMS観点での製造プロセス見える化に関しては専門ではありませんが、当方のわかる範囲で回答させていただきます。

(1) エネルギー原単位の見える化について
 エネルギー原単位を見える化する目的は、生産エネルギーを物理軸や事業軸・工程軸にリアルタイム(例えば、10分単位)に可視化し、エネルギー異常を把握し原因を把握し問題解決に活用したり、ものづくり改善効果の確認を容易にすることで、エネルギーや施設・人員などの経営リソースの最適化を行うものと考えています。

 経営ソリースの最適化といっても抽象的ですので、もう少し噛み砕くと、把握した生産エネルギーに対し、閾値(しきい値)を設けることで現場監督者や管理者・経営陣の意思決定を迅速化したり、環境経営に向けた取り組みに活用することだと思います。

(2) エネルギー原単位の戦略的活用のステップ(例)
 まずはエネルギーセンジング技術を活用し、一次データとして電力、ガス、水、蒸気、温湿度、稼働状況、音、映像などを入手する必要があります。また工場毎などの物理軸、事業セグメント毎の事業別、組立や加工・検査といった工程毎に、しかも経営判断が可能なタイミング(頻度)と粒度でデータを入手します。

 次にセンジングデータの内容や傾向を調査・診断します。例えば、日・月年などのトレンドを見たり、各工程や工場毎の生産台数と電力消費量を比較し、例えば各工程の負荷設備の瞬間電力量と電力使用量を如何に抑えるかなどを検討します。この時、しきい値との比較から、現在のエネルギー使用量の妥当性を判断することになります。

 そのうえで、生産量や品質、コスト、設備保全、安全衛生などの経営視点からセンシングデータを横串で管理し、エネルギーの異常をリアルタイムで把握し、異常に対してタイムリーに対応する仕組みを構築するのです。そうすることで、エネルギーや施設・人員・生産などの経営リソースの最適化につなげることが可能となります。

(3)EMSの構成とツールに関して
 エネルギー見える化ツール(EMS)についてもあまり存じ上げませんが、ツールに依存するよりまずは今ある粒度のデータを使い、入手可能なタイミングで、上記にあるようなしきい値管理をされることが良いと思います。

 そのなかで経営リソースを最適化するには工場毎や事業毎、工程毎にどのようなデータがどのようなタイミングで必要かが把握できます。その上で、世の中にあるツール類と貴社の要望事項のフィットギャップ分析を行い、貴社に最適なツールを見つけられた方がよろしいと考えます。ツールありきで考えず、最も効果を上げる仕組みや改善を行った後に考えるべきだと思います。

以上、当方の知識の範囲内で整理させて頂きました。
既にご存知の部分も多いかと存じますが、ご参考になれば幸いです。