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QUESTION 質問No.219

ビッグデータの活用法

生産戦略/マーケティング |投稿日時:
こちらで分類が合っているか不安ですが質問をさせていただきます。
弊社は製造業ですが(私は入社して10年となります。)、遅れながらビッグデータの活用法について模索をしております。
そこで皆様に質問です。皆様の会社ではビッグデータの活用法はどのようにされているのでしょうか。※どのような種類のビッグデータを扱っているかも教えていただけたら嬉しいです。
また、活用後ビジネスにどのように影響しましたでしょうか。(業績アップ、顧客増加など)
または、他社でビッグデータの活用で良い事例等がありましたら紹介いただければと思います。
ざっくりと質問で申し訳ありません。
皆様からのお話の中で何かヒントを見つければと思い投稿させていただいた次第です。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

ビッグデータという言葉が使われるようになって久しいですが、今では、その活用領域も様々な分野に拡大し、その全体像を一言で語ることが難しいほどです。特に、この2,3年は、IoTで収集したビッグデータを人工知能で分析するという流れが普及し、ビッグデータが生み出す付加価値も増大しています。

製造業について言えば、ビッグデータの活用は、自社内の業務プロセスの革新と自社が製造する製品の付加価値向上に大別されます。業務プロセスの革新では、たとえば、設計の効率化や製造工程の品質向上、設備保全など、ほとんどの業務プロセスで応用が進んでいますし、自社製品の付加価値向上では、ロボットの知能化や自動車の自動運転などが話題に上ることが多くなってきました。

設備保全の例としては、石油エネルギー技術センター(JPEC)が行っている製油所設備の不具合予測が挙げられます。製油所の配管の45年分のデータから場所ごとの腐食率を予測するもので、このような取り組みが実用化されれば、設備の不具合が発生する前に予防保守を行い、設備の稼働率を向上させることができます。

このような取り組みの進展に伴い、政府では、工場設備の安全を確保するための産業保安規制のスマート化を推進しています。たとえば、ビッグデータや人工知能などの最新技術を導入した高度な保安対策を講じている事業者に対しては、設備停止を伴う保安検査の間隔を延長するなどの優遇措置を取る予定です。

同業他社の動向調査とともに、このような国の動向も踏まえて、自社のビッグデータ活用戦略を立案されることをお勧めします。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

こんにちは。
技術士(情報工学部門)の坂東です。

「ビッグデータ」が指す範囲(定義)が広く曖昧であることから、ご質問に対する直接的な回答になっていないかもしれません。
しかし、ビッグデータについて検討するためには、まずは、ビッグデータの議論の前提を頭の中でクリアにするのが良いと思います。
その趣旨から、以下の通り、回答させて頂きます。

【ご質問1】ビッグデータの活用法はどのようなのか?

結論から申し上げると「ビッグデータをどう料理するかは貴方次第である」ということになります。

「ビッグデータ」はそれ単体では、単なる巨大なデータの塊であり、何の役にも立ちません。
ビッグデータを処理して活用する術が整って初めて活用することができます。

私個人の理解としては、昨今流行のキーワードを組み合わせると、以下が成立すると考えています。

IoT = センサネットワーク + ビッグデータ + クラウドコンピューティング + 人工知能

つまり、ビッグデータはIoTの構成要素の一部と考えています。
IoTの本質は「世界の至る所に大量のセンサーをばらまく」ことに尽きます。
その結果、無線ネットワーク経由で、莫大な量のデータがインターネットにアップロードされることになります。
この莫大な量のデータこそが「ビッグデータ」です。

インターネットにアップロードされたビッグデータは、然るべき目的のためにクラウドサーバで処理されます。(クラウドコンピューティング)
ビッグデータを扱う目的で多いのは「大量データを統計処理することで、ある一定の法則性を探り出す」ことです。(データマイニング)
この法則性を探り当てることに成功すれば、ビジネスで大いに優位に立つことができます。
極論すれば、この法則性に従ってビジネスを行うだけで、収益アップするのを約束されたようなものです。

近年、「データサイエンティスト」と呼ばれる職種の専門家が就職市場で人気を集めています。
シリコンバレーの名だたるIT企業も高い給料を払って求人しています。
その理由は、上述したとおり、彼らはビッグデータ(から探り出せる法則性)の価値を十分に理解しているからです。

更に進んで、「データサイエンティスト」(人間)の代わりに、「人工知能」(コンピューター)に、ビッグデータの統計分析をやらせてみようと言う動きがあります。ここまで来ると、IoTの上流から下流までの間に人間が介在しなくなる世界になります。
となると、人間がやるべき仕事(裏を返せば、人工知能ができない仕事)は「ビッグデータの活用法を自分なりに考えてみる」ことくらいしか残されていません。


【ご質問2】どのような種類のビッグデータを扱っているか?

ビッグデータの種類の話をするには、まずは、「ビッグデータ」が指す範囲(定義)を明確にする必要があります。
結論から言うと、「ビッグデータ」は明確な公式定義がないBuzz word(流行言葉)という側面があります。

ですが、一般的には、下記の"4V"を充足するデータを「ビッグデータ」と呼んでいます。

・Volume (規模) ⇒ データ量が巨大である。
・Variety (種類) ⇒ 非構造化データ(テキスト、音声、画像、動画など)を含む。
・Velocity (スピード) ⇒ リアルタイムに近いスピードでデータ処理する。

4つ目のVは、下記の2つのうちどちらかです。(定義がぶれています)
・Veracity (正確性) ⇒ 限られたサンプルのみでなく、全てのデータを対象とし、分析の精度が正確である。
・Value (価値) ⇒ 何らかの目的に用いるために収集する価値が大いにある。

という訳で、上記の"4V"条件を充足するデータであれば何でも「ビッグデータ」となります。
このように「ビッグデータ」が指す範囲が余りにも広いことから理解しづらい面もありますが、身近な具体例を挙げると下記があります。

・機械に搭載したセンサーから収集したデータ (いわゆる、IoT)
・検索エンジンの検索履歴
・オンラインショップの購買履歴
・POSデータ
・SNSなどの書き込みログ
・動画サイトにアップロードした動画
・クレジットカードの決済履歴
・アフィリエイトサイトのクリック履歴

【ご質問3】活用後ビジネスにどのように影響したか?(業績アップ、顧客増加など)
【ご質問4】他社でビッグデータの活用で良い事例等がありましたら紹介してほしい。

ビッグデータの活用事例は幾つか存じ上げていますが、概ね、ある一定のパターンがあるようです。
私の理解では、下記のパターンがあると考えています。

(1).
工業製品にセンサーを搭載して、IoTシステムを構築する。
その目的は、故障の予防保守、商品の位置把握(GPSと連動)、消費者の購買活動の分析、などです。
有名な企業では、コマツ、ヤンマー、ロールスロイス、JR子会社(自販機ビジネス)、Amazonなどが挙げられます。
故障しそうなタイミングをある程度予測できるようになり、故障する前に予防保守できます。
商品の位置を把握することで、物流の最適化を図ることもできます。
最近の自動販売機などでは、消費者の購買履歴データを分析し、時間帯や場所に応じて、品揃えを最適化します。
売上機会の増大、コスト削減、顧客満足度向上などの様々なメリットが見込めます。

(2).
事業活動により得られるデータを統計分析して、人間では気づけないポイントをフィードバックすることで、自社の製品やサービスの付加価値を向上する。
ビッグデータのメリットは、膨大なデータを統計処理することで、人間では気づけない(処理しきれない)ポイントを洗い出すことが可能なことです。
分かりやすい事例は、ECサイト(Amazonや楽天など)が実装している「購買履歴に基づくオススメ機能」でしょう。
「同じ製品を購入した顧客全ての購買履歴」というビッグデータに基づいてオススメする商品を決定しているだけあって、顧客がオススメされた製品を実際に購入する可能性が高くなります。

(3).
インターネット上に公開されているビッグデータを収集して統計分析し、何らかの法則性を探り出す。
その目的は、端的に言うと「世の中の流行の先読み」です。
シリコンバレーのIT企業を筆頭として、先進的な企業が調査研究をしている段階です。
ブログ、口コミサイト、SNS(Facebook、twitter、YouTube、Instagram、LINEなど)の書き込み情報は、まさに「ビッグデータ」の典型例だと言えます。
これらの「不特定大多数より成るインターネット上の声」は社会の将来の動きを示唆する情報です。
例えば、こういった情報から何らかの法則性を見いだせたとしたら、ファッションの流行から株式投資の値動きまで、自社のマーケットの先行きを高精度に予測できるようになるでしょう。




ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

「データサイエンティスト」について補足説明します。
「データサイエンティスト」はビッグデータを統計処理する専門家であり、ビッグデータのHow(技術)だけでなく、ビッグデータをビジネスに活用するためのWhat(対象)やWhy(目的)も考えられる必要があります。
つまり、エンジニアリングの専門知識に加えて、ビジネスの知識と経験も両立することが必須となります。




ANSWER
回答No4 | 投稿日時:

コメントありがとうございます。
併せて、以下の私の記事も参考にしていただければ幸いです。

● 日刊工業新聞
「ビッグデータの活用で変わるモノづくり」
 http://hiroy001.wixsite.com/-yahagi/article-1
「人工知能が加速させるモノづくりの進化」
 http://hiroy001.wixsite.com/-yahagi/blank

● 近代中小企業
 2014年7月号 「ビッグデータの活用で顧客獲得と売上拡大を図る」
 2016年8月号「IoT とは何か? それは、世の中の隅々へと浸透する情報を活用した付加価値」
 http://hiroy001.wixsite.com/-yahagi/about