わたしは「前に進む発想 実践セミナー」など、
アイデア発想の実践研修を企業等で長年行なっています。
アイデアを出すポイントは、「考えるな、書け」です。
腕を組んで考えてもアイデアは出ません。出るのはオナラかアクビです(笑)。
ペンを持ち書いて考えます。書くと「そうか!」と気づくのです。
何を書くかというと、「①目標」と「②ヒント」です。
①シート(A4またはB5の用紙)を用意して、上部に目標をはっきり書きます。
例 「定例会議の時間を半分に減らす(1時間にする)」
②シートの左側の部分にヒントを書きます。ヒントとは状況や関係者の意見です。
これらをできるだけ具体的に箇条書きします。できれば図を入れます。
例 会議の状況…「会議室に集まり、イスに座って行なっている」
③状況がヒントになり、「(ならば)立って会議を行なう」とアイデアが出てきます。
出てきたアイデアをシートの右側の部分に箇条書きします。
こうして2時間以上掛かっていた会議が1時間以下に減った事例があります。
立って会議を行なうと、ダラダラやらなくなるのです。
なお、現場などで、いつでもすぐ書けるようメモ帳を携帯するとよいでしょう。
そして、問題やトラブルが発生したら、その場で書いてアイデアを出してください。
詳しくは、次のページをご覧ください。
「前に進む発想 実践セミナー」 http://sozosystem.c.ooco.jp/kensyu1.html
参考図書 「1枚のシートでササッとアイデアが出る!技術」(さとうひでのり著・すばる舎)
回答者 : 創造システム研究所 さとう秀徳
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「アイデアはメンバーが持っている知識の範囲でしか出てきません。」というのは事実だと思います。そのためのアイデアの出し方やそのための会議の進め方の書籍がたくさん出版されており、いずれも参考になるかと思います。
さて、私は個人保有の範囲以上のアイデアを出すために特許検索を活用したアイデア創出を行っています。以下に簡単にご紹介いたします。
特許明細には、従来の課題と、その解決方法が記載されています。すなわち、課題とアイデアがセットになって記載されていることになります。そして特許は国内で年間30万件以上出願されており、それらが毎年蓄積されており、問題解決の事例の宝庫となっています。出願されている特許は画期的な発明よりも、ちょっとしたアイデアも含んだものが多いのでうまく利用すると大きな成果が得られると思います。
他社の特許内に記載してある(発明が解決しようとする課題)と(課題を解決するための手段)さらには(実施例)を参考にして、自社の事例にうまく当てはめることで、問題解決の質が上がるのではないかと思います。特許検索は、自社に専用のシステムがなくても、公的な「特許情報プラットホーム」というHPにて可能です。検索のためのワードの選択にノウハウや慣れが必要となりますが、何度か経験すると慣れてくると思います。
この方法の良いところは、メンバーが持っている知識の範囲を超えてアイデアを出すことができることです。なお、出てきたアイデアを参考にして自社の課題解決に当てはめるための工夫は必要となると思います。いろんな情報やアイデアが満載ですので、一度トライしてみることをお勧めします!
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クリーン化が専門の清水です。
国内、海外の現場でクリーン化現場診断・指導を長年実施してきました。
色々な現場で見たり、そこから考えたりしたことを拾い出してみます。
ご質問への直接的なアドバイスにはならないのですが、何かの参考になればと思い記しました。
現場での問題発見とありますが、どのような問題でしょうか。
例えば、品質に関わること、作業効率、在庫管理に関わること、安全に関わることなど色々ありますね。
小集団の活動ですから、1つのテーマを解決すると次に着手するテーマは違う分野かもしれないと思い、色々拾いました。
アイデア発想法としては、ブレインストーミングやそれを考案したオズボーンのチェックリストなどがありますが、おそらく既に活用されていると思います。
それ以外で気が付くことです。
①売り上げを伸ばすといったテーマでは、こんな例があります。
昔、味の素で売り上げを伸ばすには何か良いアイデアがないかを募集したところ、ある若い社員が、蓋を取った後の中身が出て来る穴を大きくすればよい、というのを恥ずかしいけれど勇気を持って提案箱に投函した。それが採用されて売り上げが伸びたという例。
現場では直接関係ないテーマですが、案外単純なこと、基本的なことなどに改善のヒントが見つかるのかもしれません。
②ある事務用品メーカーが新製品を開発しようとしたが、なかなか良いアイデアが見つからなかった。
そこで、女子高校生や女子大学生を製品開発会議に引き込んで、どんな製品が欲しいのか、今キャンパスではどんな話題があるのかということを聞き出したそうです。
女子学生が集まると、こんなものが欲しいよね。とかもう少し小さくしたものがあればねと色々なアイデアが出て来る。それを製品化、販売すると、また集まったところで話題になり、売れる。小さなヒット商品がいくつか開発されたそうです。
商品は作り手が勝手に作って顧客に売っている。悪く言うと売りつける、押し付けることになってしまうかもしれません。そうではなく、顧客(相手)が何を欲しがっているのかを探ったという例です。
③最近日本に来る外国人観光客は、日本人が日常的に見たり、知っていて観光の目玉ではないと思っていることでも、そのちょっとしたことに驚く。日本の良さを外国人が気が付く。普段の生活の中に見方を変えたり、見る人が変わればアイデアが発掘できるかもしれないという例です。
④自分達で考えようとすると、視野が狭い分、直ぐにネタ切れになりますが、過去のアイデアを見直すことで、出て来るものもあると思います。
⑤サークルメンバー以外の人の話を聞くのも良いかもしれません。
似たような環境の工場などと相談し、交差して見学して見る。
自分達が考えていなかった改善がされていたり、他職場が自分たちの改善を見て持ち帰るなど相互にアドバイスをすることで、改善の進捗や質を高めることもできます。
私が過去指導した会社で交差パトロールを提案したところ、国内数か所の工場と、中国の工場で相互に実施して、その結果を報告してくれました。圧倒的に中国の工場の方が改善は進んでいたとのことでした。
インドネシアの工場でも、現地の人の改善を紹介してくれましたが、感心するような改善がされていました。
同じ環境の人達が集まると同じような発想になってしまいネタ切れになります。
違う職場、或いは上司、現場を知らない人など仕事の環境が違う人たちのアイデアも聞いてみるとヒントが得られるかもしれません。
⑥少し専門的なことに踏み込んでも良いかもしれません。
生産の効率をあげるようなことであれば、作業分解、動作経済の原則、行動の流れ矢線化(人を流れ矢のように無駄なく動けるようにし、また戻りをなくすこと、それを考慮したレイアウト設計)、活性分析(製品の移動しやすさ)など色々な見方、考え方がありますので、少し調べてみても良いです。
また、これ以外にも、色々なことを多面的に見ることを意識すると沢山のことに気づくと思います。
上司が巡回して、「こんな風にしたらどう?」という一言もヒントになると思います。
案外周囲に転がっていると思います。
特許や実用新案などの考え方を理解しても良いと思います。出願に至ると少々難しいのですが、考え方ですね。
いざアイデアをというとなかなか出ないものですが、日頃の会話や雑談、仕事を離れた時などにふと良いアイデアが浮かんだりするものです。
日常的に頭の中を過るものはたくさんあります。それはその都度メモしておきたい。それが後で改善のヒントになるかもしれません。
あくまでも人のアイデアを否定せずに、ブレインストーミング的に進めたいです。
少しでも参考になれば嬉しいです。
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