中小製造業の支援を行っている高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。
大手から受注し生産を行っている下請け体質の企業の経営者は、今後、成長戦略の柱となる事業を新たに生み出すにはどうしたらいいかを考えていると思います。
私の考えでは、固有技術力(得意の製造技術)と管理技術力(組織や人材の管理、生産・品質管理)の両方をバランスよく高めて行くことが必要ですが、なんといっても今まで培った固有技術力を更に高めることで、他社との差別化を図ることが必要と考えます。
中小企業では、一般市場向けに独自製品を開発し販売する(B to C)事業より、企業向けに独自技術やサービスを提供する(B to B)事業に特化すべきと考えられます。
但し、100名規模の企業で、日常業務をこなしながら新たな事業を立ち上げるには、おそらく自力では難しいのではないでしょうか? そこで人材、設備資金、特許出願など内部経営資源だけでは実現できない部分を、外部の力で補足する手段を考えます。
例えば
・大学の研究室と共同で技術開発、商品開発を行う
・補助金、助成金の申請を行い、人材確保、設備導入、試作などを行う
・他社との共同事業で、新たな技術、製品を開発する
・技術人材をスカウトする
・新たな市場開拓、需要創造のため、展示会への出展、WEBサイトを構築する
上記の内容は、中小企業庁、各地の産業経済局、各県産業支援部門、大学共同研究事務局など、中小企業支援策をくまなく当たってみることをお勧めします。
その際、言うまでもなく、まず自社で今後高めたい固有技術をしっかり見極めることが大切です。
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製造業において新たなビジネスを見つけ出すことは、生き残るためにはとても重要なことです。しかしながら、多くの企業において新たなビジネスの創出にかなりの資源を投入していますが、成功の確率が十分に高くないのが現状です。その成功確率を少しでも上げるための一つの考え方をご紹介したいと思います。
以下の項目を満たすビジネス/商品を見つけ出すための方法を考えました。
①自社の特徴を活かすビジネス/商品
②成長する分野のビジネス/商品
③大手企業のビジネスになりにくいもの/手を付けていないもの(ニッチ)
この①と②の条件を両方ともに満たすものを見つけ出す必要があります。まずは①に関して自社の特徴が何であるか、保有技術や保有商品を徹底的に分解して考え、ビジネスの原資となっている技術の基盤は何なのかというところまで分解して考えてみます。次に、得られた基盤となる技術を、②に関連する成長分野に使えないかを考えます。成長する分野は景気変動、法の変更や規制緩和、人口動態の変化や流行の変化、新技術の誕生や普及、など社会的な変化から見つけ出すことができると思います。現行のビジネス分野に限る必要はなく様々な分野で自社の基盤技術が適用できるかを考えることが必要です。思わぬ分野に自社技術が適用できるとなると、他社が気づいていないニッチビジネスになると思います。
すなわち、
(自社の基盤技術)☓(成長市場)=(自社で進める新たな商品/ビジネス)
ということになります。
次に③に関してですが、大企業が収益事業として考えられないかどうかの判断は難しいです。しかしながら、自社ができることとして、新たに考えたビジネスや商品を排他的にするためにコアとなる技術部分の知財権の取得が有効だと考えます。
まとめますと、自社技術の徹底的な棚卸しと、その技術が応用をできる分野を広く探すということになります。自社の基盤技術に特徴があればあるほど、さらにはその基盤技術と成長市場との組み合わせに新規性があればあるほど、強いニッチビジネスになると思います。
このやり方を経験や勘に頼らずに、データベースを元に進める方法を筆者のブログの「イノベーションを特許から生み出す!」にてご紹介しております。ご参考になれば幸甚です。
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