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QUESTION 質問No.269

年次点検項目決定のための指針

生産信頼性工学 |投稿日時:
お世話になっております。
弊社で販売し始めた産業用運搬機械の年次点検を計画しているのですが、
点検すべき事項や判断基準などを決定するに当たり、参考となりそうな指針・規格などがあれば、ご教示いただきたいです。
尚、機械に用いているエネルギーは以下の通りです。
油圧、電気(DC24Vバッテリ)
以上、よろしくお願いいたします。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

竹内技術士事務所の竹内と申します。

貴社で販売し始めた産業用運搬機械の年次点検を計画しているとのことですが、点検すべき事項や判断基準などは、設計者に書いてもらうのが一番です。しかしここでは、設計者はまだ設計経験が少ない等で、これら点検事項や基準を書くためのアドバイスが欲しい、という想定でお答えします。
まず、産業用運搬機械といってもいろいろなものがあります。同種の機械が他社から出ているのであれば、それらの機械の点検項目や点検基準が最も参考になると思います。また、クレーンなどであれば、クレーン構造規格やクレーン等安全規則を参照する必要があります。機器によっては、JISによる基準もあります。
貴社独自の機械であれば、独自の基準も必要ですが、販売している機械の完成図書の保守点検項目は、どうなっているのでしょうか。
販売が優先されてしまい、それらの完成図書が充実していないのであれば、この機会に完成図書を整備する必要があります。
まずは、完成図書用に、油圧機器や電気品、バッテリなどの購入品の取扱説明書を集めて下さい。これら購入品の点検項目は当然守る必要があります。
次に、購入品以外の独自に設計をした部分の図面を整理して、点検項目を考えて下さい。場合によっては、組立図や製作図以外に、点検のための点検要領図も必要です。文章だけではなかなかわかりづらいので、見てわかる要領書が望ましいです。
一般的な点検項目は、外観検査、ボルトのゆるみの確認、消耗品の摩耗確認、油圧機器の使用圧力や油漏れ確認、安全装置の作動確認等があります。運転記録を確認して、故障がありそうな部分がないかも確認する必要があります。
各部の点検の周期などは、どのくらいの寿命で設計されているかによっても違ってきます。また、ボルトの増し締めなどは、社内基準があるのではないでしょうか。それ以外にも、出荷したときの検査基準があるかと思います。設計部門と検査部門でよく話し合う必要があります。
そして、外観試験以外に、動作試験が必要か、荷重試験まで必要か、等の点検後の試験内容も決める必要があります。
点検事項や判断基準は、安全にかかわる重要な項目です。関係者でよく協議して、安心して使用できる点検を実施してください。場合によっては、専門家とアドバイザー契約をするという方法もあります。