生産部門などと異なり、設計業務は(とりわけ当社は顧客仕様対応の多品種少量生産のため)個人単位の業務が多く、小集団活動のテーマの選定や活動の活性化に苦慮しております。
実際には各小集団の誰か1個人が行った業務プロセス改善やトラブル対策、場合によっては本来業務である設計改良などの内容をその個人がまとめ、小集団活動の成果と称して社内発表会などで発表しているのが現状で、業務小集団活動の本来の目的からは遠く離れてしまっていると感じています。
設計・開発部署に合った業務小集団活動のあり方やモチベーションの高め方、テーマの選定や活動運営の具体的方法・事例などについて、アドバイスをお願い致します。
*注:これは事務局スタッフが、交流している技術者の皆様のお話などをもとに構成した架空の質問です。
現場ですぐ使える品質改善技法の開発と普及活動を行っている高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。
製品設計部署で業務小集団活動で活動の本来の目的からは遠く離れてしまっていると感じられておられるとのことですが、では、御社の場合、設計部門で小集団活動を行う目的はどこに置いているでしょうか?
一個人が行った業務プロセス改善やトラブル対策、本来業務である設計改良などの内容をその個人がまとめ、成果として発表されている現状を見ますと、会社として、小集団活動を行う目的と、どのような成果を期待しているのかをメンバーにはっきり示されていないのではないかと推測されます。
製品設計部門では、例えば、市場に出てから発生する設計原因のトラブルをなくすためにはどうするのか?あるいは設計期間を短縮して年間受注件数をアップするにはどうするか?製品原価を今より大幅に下げるにはどうするのか?などの懸案になっている問題があると考えられます。
しかし、このような設計部門として根本的な問題に取り組むとしても、日常多忙な設計技術者の小集団活動に期待するのは荷が重すぎるのではないかと懸念が生じます。
改善活動には、4つのレベルがあると考えます。
一つは、経営者のビジョンからブレークダウンされた目標達成のための方針管理による活動です。
二つ目は部門共通の問題を解決するプロジェクトテーマによる活動です。
三つ目は、各部署の日常業務の問題を解決する小カイゼン活動です。
四つ目は、個人の小カイゼンを提案する改善提案制度です。
個人単位の日常業務形態からすると、現状では個人の小カイゼンに留まらざるを得ないと考えられます。
いづれにしても、小集団活動を今後も継続することを前提とするならば、何を期待しているのか?その意義と活動の枠組み、活動のサポート体制などのしくみを経営層、管理層が明確に示すことが重要と感じます。
|