現在までに行った改善はロボットのスピードアップ、歩行距離の短縮、運搬の軽減です。
竹内技術士事務所の竹内と申します。
生産性と2Sに関係はあるのかというご質問ですが、生産性と2Sにはとても深い関係があります。
2Sとは「整理」「整頓」を指し、職場の見通しをよくする活動です。
「整理」とは、不要なものを捨てることです。
「整頓」とは、必要なものを所定の位置にきちんと並べることです。
不要なものが散らかっていると、必要なものをすぐに探せません。
逆に、必要なものが所定の位置にきちんと並べてあれば、必要なものを必要な時にすぐに見つけられます。
このように、「整理」「整頓」をすることで、ものを探す時間が減り作業の効率が上がります。
職場の見通しが良くなると、油漏れや錆の発生も目につきやすくなります。
油漏れが見つかれば、それを修理することで大きなトラブルを回避することができます。
ここから更に「清潔」「清掃」へとつながっていくと、4S活動になります。
そして、床には直接ものを置かないとか、作業は作業スペースのラインの中で行うというようなルールを作って徹底すれば、「躾」を加えた5S活動へと発展していきます。
必要なものがなくなって、買い直すというようなこともなくなります。
また、整理・整頓をすることで作業スペースが広くなる、ということもあるかもしれません。
そして、これらの活動は特にお金をかけることなくできます。
スピードアップ、距離の短縮、運搬の軽減といった生産性に直結した改善も確かに重要ですが、このように2Sを行うことでも、生産性を向上させることができるのです。
まずは身近なところから、2Sを実施してみてはいかがでしょう。
|
ケイタッチ 様
クリーン化が専門の清水です。
クリーン化を通じて現場も沢山見てきましたので、私の感じることを記します。
2S(整理・整頓)が行き届いていないと、仕事には関係のないものが持ち込まれていたり、物の置き場がきちんとしていないために、標準書や工具などを探す等余分な時間がかかります。
これらは皆ロスですね。それでも見つからない場合があります。
工具類などでは、あるはずのものが見つからないために、発注することも起きるかも知れません。
整理・整頓がされていないために作業ミスが発生することもあります。
作業ミスが発生すると、品質問題や、やり直し、手直し、廃棄による追加投入などが起きます。
更に納期にも影響しますので、客先からの信頼性も低下します。大きな損失です。
故に2Sは、ものづくりの現場では、最低限必要なことです。
これが出来ていないと、現場全体がすっきりしているとか、清々しているという感じがないですね。
これが出来たら、清掃をしましょう。つまり3Sに繋げることです。
清掃をすると色々な不具合を見つけることが出来ます。清掃は点検なりとも言われます。
現場がきちんとすることは、作業ミスが起きにくいとか、事故、災害の未然防止(参考:ハインリッヒの法則)に繋がります。
一度事故が起きると、ラインも止まり、人的な被害もあるかも知れません。会社にとっては大きなマイナスです。
ただし、これらは人の意識に頼る部分が多いです。自分だけでなく、周囲の作業者の意識を変えていくことが重要です。
自職場の景観を見慣れてしまうと、不具合や問題点になかなか気づかなくなります。
できるだけ新鮮な目で自職場を観察することを意識して見ましょう。
例えば、他職場や他社の現場を見ると色々なことに気づきます。しかし、安易に他所の現場には入れてもらえないと思いますので、他所の工場を見るつもりで自職場を見る努力をすることも必要です。
この他、同じような立場にある他職場の担当者などがいれば、意見交換や相談をすることも良いです。
恐らく沢山の問題に気付くと思います。これらは生産効率に対してはロスと言う見方が出来ます。
日頃気が付かないロスを顕在化し、それを確実に改善していくことです。
具体的な着眼点は、
① 人の動作、行動(動作分析、動作経済の原則)
② 物の置き方の工夫(活性分析)移動しやすい置き方
③ レイアウトの改善(流動に戻りがないこと)→(流れ矢線化する 流動に戻りが無く、矢が流れるようなレイアウト設計)
この他にも、多くの作業者から情報を集めることで、沢山の項目が拾われると思います。物事を多面的に見ることも大切なので、大勢の人を活用することもその工夫です。
効果の大きい順に優先度をつけ、一つ一つ改善を積み重ねましょう。
これらが出来ても、徹底してやり続けないとすぐに元に戻ってしまいます。
定着できるよう根気よく頑張りましょう。
このようなアドバイスしかできませんが、お役に立てば嬉しいです。
|