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QUESTION 質問No.441

金型の材料について

生産製造業全般・分類不能 |投稿日時:
私は1年ほど前から金型の鏡面磨きをやっています。
前職は不動産業の営業をやっていたこともあり、金型のことに関しては全くの素人です。
会社の人に聞いても、磨きを専門にやっているのもあり、なかなか納得できる答えが返ってこなかったので、質問させていただきます。
鏡面磨きの仕上げ段階で番手を上げていくほど表面にブツブツの模様みたいな物が出てきます。それはピンホールと言って、研磨剤よりも大きな介在物が研磨剤によって剥離されて、表面に小さな穴が開いたような現象が起こるという事は教えていただきました。
しかし、色々な材料を磨いているうちに、ピンホールがすごく出る材料とあまり出ない材料があることに気付きました。
そこで、ピンホールが出ない材料ってあるのですか?と聞いたところ、「あるんじゃない?」と曖昧な答えしか返ってきませんでした。
ピンホールが出ない材料もしくは、出にくい材料、対策方法などがあれば教えていただきたいです。
素人すぎる質問かもしれませんが、よろしくお願いいたします。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

初めまして、奥野と申します。
投稿されてから時間が経っていますので、すでにご存じかもしれませんが、ご参考まで。

金型のピンホールとのことですので、金型の材質と大きさにもよりますが、
最初は鋳造(溶かした金属素材を型に入れて固める)で製造されているはずです。
ピンホールのような金属材料の内部欠陥は、ほぼこの鋳造段階のコンディションで決まります。

ピンホールは、以下のような原因によります。(これだけに限りませんが)
(1)偏析:合金のように、ベースとなる金属にそれ以外の金属を添加している場合、
      もともと考えていた成分比と異なる部分が出てくることがあります。
      (1:1で混ぜ合わせていたはずが局所的に1:3になっているとか)
      これを偏析と呼び、周りと組織形態が異なるので、この小さいものが金型の表面に
      出て、剥がれ落ちることもあります。(介在物のようになることもあります)
      この偏析には様々な形態があり、介在物のようになることもありますし、
      表面にブツブツが見えるようになるもあります。
(2)気体の巻き込み:空気中で鋳造する場合は空気が巻き込まれることがあります。
      これは、冷蔵庫の製氷皿で作る氷が白く見えるのと同じで、固まるときに周りの
      気体を巻き込んでしまうため、細かいブツブツができます。
(3)引け巣:溶けた金属は固まる際に収縮し体積が小さくなりますので、この時に内部に隙間が
      生じることがあります(隙間の中はほぼ真空状態です)。これを引け巣といいますが、
      金型に使うような材料の場合は、鍛造や圧延などの加工で外部から圧力をかけたり、
      引け巣が生じやすい端部を切断除去するのが普通ですので、金型にはほぼ残りません。

ご質問の「ピンホールが出ない材料ってあるのか?」については、
金型用素材という観点から申し上げると、「素材の製造方法による」というのが答えになります。
上記のような偏析、巻き込み、引け巣の発生を考慮して、それを防ぐような製造管理を行っている
素材は、ピンホールも少なくなるものと思います。