質問お願い致します。
XバーR管理図での管理限界外れが起きた時の当該ロットの適切な処置方法を教えて下さい。
Xバーの場合で、
Xバーは規格内ではあるが、管理限界外れが発生した場合です。
異常内容を調べるのは当然ですが、
当該ロットの処置方法を教えて下さい。
規格内には入っているため、ロットアウト処置は不適切かとおもわれます。
全数検査して規格内ならOK判断するべきでしょうか。
よろしくお願い致します。
品質保証コンサルティング 森本と申します。
ロット保証という概念では、それでよろしいかと存じます。
ただし、老婆心ながらあえて述べさせて頂ければ製品保証ではありません。
Xbar-R管理は通常数個のサンプリングによって、該当ロットの出来栄えを判断します。
しかし、合格ロットであっても全製品が良品である保証はありません。
つまり、ロット保証の条件は次工程(顧客含む)が許容できる不良流出から算出した工程能力指数(Cp)によって決まります。
(Cp=1.67では不良流出は0.57ppm:詳細は小職記事「質問No.401;全数検査について回答No.4 」「キーワード記事;電子デバイス製造工程設計の留意点」を参照)
次工程(顧客含む)に不良流出をゼロにする事が条件であれば、全数検査以外方法はありません。
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ロット検査は、不良品が流出した場合の経済的損失と、検査費用を考慮して設計されているはずですから、規格内に入っているならばロットは合格として出荷して良いことになります。
不良を正確に捉えるのが目的であれば、全数検査しかありませんが、ある程度許される前提のもとでロット検査しているわけです。
一方で管理値外れということは、何かしら管理できていない状態にあり、いずれロット規格外が発生する可能性が高いわけですから、その原因を調査する必要があります。
原因調査の一環として全数検査しなければ分からないというケースもありそうです。
またこのロット検査が購入側(受取り側、発注者)との合意のもとに実施されているとしたら、規格外れや管理限界を超えた場合の処置も規定されているでしょうからそれに従います。
もし自社独自にロット検査を設定している場合は、ある意味判断は自由です。出荷責任者あるいは事業責任者が、検査結果だけに限定せず、自分の持っているあらゆる情報(その製品の用途、現在の生産状況、部材の在庫など)を総合して全数検査なり、なんなりを決定します。
その結果責任は自社で負うしかありませんが、費用を掛けすぎるとそれは購入者の価格に反映されますから、品質至上主義は必ずしも社会正義ではありません。あくまでも経済的合理性の本で決定したいものです。
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