統計的にn=30であればバラつきの影響が少なく母集団のデータとして使えると見聞きしたのですが、逆にサンプルが少ない場合どの様な処理、補正を行うことで得られた工程能力指数の信頼性を得ることができるのでしょうか?
理解が伴っていない中ですが実務を踏まえた場合、例えばn数が少ない場合は工程能力指数の一般的な区分をワンランク落として判断する。1.33判断を1.0まで下げる。あるいはn数に対応した補正係数などがあるなどがあればと考えています。
SQC、品質工学、信頼性工学における実践的コンサルを目指している村島技術士事務所の村島です。ご質問の趣旨からすると、おそらく工程能力指数の信頼区間を算出すれば、問題解決すると思います。
工程能力指数の信頼区間とは、要するに工程能力指数の統計的なバラツキをいいます。この式によって、算出すれば、工程能力指数の下限や上限が推定できます。ご質問の趣旨からすると、下限が大事だということになります。もしも、サンプル数が30個以下でも下限が、1.33以上ならば、一応、統計的には安心できます。信頼区間は、サンプル数と信頼水準(通常は95%にとるので、αは5%になります。)によって決まります。使う分布形状はカイ二乗分布や正規分布です。
詳細な計算式は、ネットで探してみてください。「工程能力指数 信頼区間」で検索すれば出てきます。
簡単な計算ですが、言葉の意味や、計算結果の解釈が分かりにくければ、再度、当サイトにてご質問ください。
村島
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村島です。再質問へのご回答ですが、「考え方」は十分、私の回答と一致しております。信頼区間の厳密な考え方は、他にもありますが、実際にはこの考えかたで十分です。
なお、その前段の計算式についてですが、どの式でもかまいません。お馴染みの、ウィキでも解説があります。
補足(蛇足?)の注意点です。
①有意水準をαとしたとき、信頼水準は、片側と両側で変わります。片側ならそのままαをあてはめればよいが、両側ならα/2としないといけません。
②工程能力指数は工程の安定性を表現するものではありません。安定した領域での規格に対する余裕度です。安定性は前提であって、工程能力指数で評価はしません。安定性は管理図的傾向からの判断によります。又は、変動係数などが使われます。
③安定性が十分確認されていないプロセス立ち上げ時や新製品立ち上げ時、あるいはサンプル数が少ない時(とくに大きなとび離れ値がある場合)の留意点として、規格への余裕度には、工程能力指数ではなく、工程性能指数を用います。
ご存じのことかと思われますが、念のためです。
計算式についてですが、このサイトで記入すると、うまくいきません。ワードの数式がそのまま反映されないので、結構見ずらいのです。よって、ウィキのようなサイトをお勧めします。もし、計算式そのものについての疑問や質問があれば、再度ご質問ください。場合によっては、解説記事にてお答えすることもあり得ます。(これは、ワードの数式がそのまま反映されます。)
以上です。よろしくお願いします。
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