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QUESTION 質問No.571

ダミー割付した場合の解析方法

生産品質工学(タグチメソッド) |投稿日時:
当方初めて直交表を使用している初心者です。
L18直交表を用いて、製造現場での最適条件を設定しようと試みております。

L18直交表の因子7・因子8において、3水準が足りずに2水準によるダミー割付を行う予定で、
因子7(1,2,2)、因子8(1,2,2)
で直交表を作成しました。
水準2をより監視したく、このようにしております。またこの際望小特性で算出予定です。

実験データの取得がまだ出来ていないのですが、解析の時間を早めるために仮の数値を入れて要因効果図を作成してみました。
山型・谷型、或いは水準2~3にかけて水平が多く表れている傾向があるのですが、これは明らかにダミー割付をしたことによる結果だとは思います。

この場合に、正しく解析するにはどのような計算を行うべきなのでしょうか。
そもそも成り立たないのか、数式としてはこうなるなどのアドバイスをお願いします。

補足1 投稿日時:2022/02/14 15:23

対馬様

ご回答ありがとうございます。
恐縮ですが2点追加質問させて頂きます。

①ご教示頂いた内容で誤差変動Seを求めた場合、因子7・因子8の要因効果図はどのように評価?説明?するのでしょうか。
望小特性でのSN比の計算では誤差変動Seを含めた式が出てこないことと、出来上がっている要因効果図へのフィードバック方法を理解しておらず、ご教示願いたいです。

②因子1~6の要因効果図はどう解析すべきでしょうか。
因子7・因子8を2水準で行っているためデータに偏りが出ると思うのですが、①同様に評価の仕方をご教示お願いします。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

品質工学のコンサルティングをしております対馬と申します。

まず、山型・谷型、あるいは水準2~3にかけて水平が多く表れたことについては、原因は仮の数値を入れたことによるもので、ダミー割付をした影響によるものではありません。
それを踏まえたうえで、次にダミー割付を行なう場合の解析方法についてお話しします。

L18の実験から因子7の水準別合計を計算したところ、仮に水準1が29.3db、水準2が23.2db、水準3が26.2dbで、修正項目CFが
、CF=18個のSN比の合計の2乗/18=345.0だったとします。

因子7の水準にダミーがない場合の変動S7の計算式は、
S7=(29.3の2乗+23.2の2乗+26.2の2乗)/6-345.0=2.20(自由度f=2)です。
一方、因子7の水準2と3がダミー場合の変動S7の計算式は、
S7(ダミー)=29.3の2乗/6+(23.2+26.2)の2乗/12-345.0=1.45(自由度f=1)となります。

そして、この両者の差、すなわちS7-S7(ダミー)=0.75(自由度f=1)が誤差変動Seで、これをダミー間の誤差といい、誤差の一部になります。
これは、因子8についても同様です。

以上、参考にしていただければ幸いです。





ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

補足質問に対して回答いたします。

L18の直交表を用いて、2水準(自由度f=1)が1因子、3水準(f=2)が7因子の実験を行なう場合、L18の全変動STの自由度が17ですので、2水準のf=1と3水準のf=2 ×7=14を合計した15の差として、誤差変動Seが自由度2として求められます。

計画している実験が、2水準が1因子、3水準が7因子として、分散分析手順を以下に説明いたします。
なお、便宜的に、因子1は2水準の因子A、3水準の因子はそれぞれB、C、D、E、F、G(因子7)、H(因子8)としています。

手順1 修正項CFを求めます。
CF=18個のSN比の合計の2乗/全データの個数
=[(実験No.1のSN比)+(実験No.2のSN比)+‥‥+(実験No.18のSN比)]の2乗/18 (f=1)

手順2 全変動STを求めます。
ST=(実験No.1のSN比の2乗)+(実験No.2のSN比の2乗) +‥‥+(実験No.18のSN比の2乗)-CF (f=18-1=17)

手順3 因子の変動Sおよび分散Vを求めます。
・SA=[(水準別合計A1の2乗)+(水準別合計A2の2乗)]/9 -CF (f=1)
VA=SA
・SB=[(水準別合計B1の2乗)+(水準別合計B2の2乗)+(水準別合計B3の2乗)]/6 -CF (f=2)
VB=SB/2
以下、同様にSC~SFおよびVC~VFを求めます。
Gについては、
・SG=(水準別合計G1の2乗)/6+(水準別合計G2+水準別合計G3)の2乗)/12 -CF (f=1)
VG=SG
Hについても、Gと同様です。

手順4 誤差変動Seおよび誤差分散Veを求めます。
・Se=ST-SA-SB-SC-SD-SE-SF-SG-SH(f=4)
Ve=Se/4
なお、因子GとHがダミーのない3水準の場合は、
・Se=ST-SA-SB-SC-SD-SE-SF-SG-SH(f=2)
Ve=Se/2
となりますが、Seは0ではない数値になりますので、このSeがL18直交表における誤差ということになります。

手順5 効果のある因子を推定します。
因子の分散VA~VHをそれぞれ誤差分散Veと比較したとき、Veよりも十分に大きな値であれば、その因子は目的特性に対して効果があると推定します。 さらに、その効果のある因子については、水準別平均の値が大きい水準ほど、望小特性ですので目的特性を小さくしていることになります。
なお、因子GとHについては、水準1の水準別平均の値と、水準2と水準3の水準別平均の合計を2で除した値とで比較します。

また、要因効果図は、各因子の水準別平均の値を視覚的に見やすくするために作成するものですが、上記手順5の効果のある因子並びに水準別平均の値が大きい水準にマークを付けるなどすると、よりわかりやすくなるかと思います。

以上ですが、不明な点がありましたら再度ご質問ください。