寸法のバラつきが小さく、顧客図面の公差に対してCpkは5以上あります。
標準偏差が小さい為、上限管理線と下限管理線の幅は0.003㎜程度です。
日々の測定結果の僅かなバラつきで、すぐに、管理線を越えてしまいますが、管理線に入れるために改善するのは容易ではないという状況です。
改善を重ねCpkが上昇するにつれて管理線を越えやすくなるケースは、皆さまもご経験されているのでは?と思うのでですが、皆様はどのようにアクションしているのでしょうか。
できればCpkが1.67以上の場合は管理線を越えても改善せず、慎重にモニタリング継続で対応をしたいと思うのですが、このような対応はIATF審査では指摘事項になりますでしょうか。
年々厳しくなる公差に対するご対応、大変なこととお察しします。
さて、今回のこのケースでは、お考えの内容で対応することで指摘事項にはならないと解釈します。
Cpkの基準が6σの範囲で設定され、モニタリングも行える状況であれば、万が一公差外の部品があったとしても流出防止が可能と考えられるからです。
尚、公差範囲が狭くなるにつれて、加工精度以上に測定精度との関係性を考慮しなければならないと思います。
測定精度を踏まえた上で、管理限界線を越えたものを再測定するなどの標準があると尚良いとも思いました。
ご参考になさっていただければ幸いです。
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IATF認証取得へ向けた業務の推進をされているとのこと、お疲れ様です。
工程性能Cpkは、工程が安定している(統計的管理状態)にあることが前提です。これは、特別原因(異常点)が発生していない状態です。これが成立していることが前提で、工程能力(Cpk)が5以上であり、工程性能(Ppk)もほぼ同じレベルならば、それを監視すれば良いです。
Xbar-R管理図において、管理線(管理限界線)を超える頻度がどの程度であるのかによりますが、測定機の校正、測定手順の標準化、測定者の訓練が成立すれば工程は管理状態になる、即ち管理限界を超えない状態になるのが一般的です。ですから何回か改善すれば安定するので、測定システムにおいてまだ管理しきれていない要因がある可能性があります。管理線を越えた値が測定機のプログラムや計算違いの原因で外れることも良くあります。一度、測定システムを整理、見直すことをお勧めします。
IATF審査では、その統計的工程管理している寸法が特殊特性であるか否か。顧客要求事項はどのようになっているのか(Cpk>1.33等)、コントロールプランにおいて管理すべき特性に含まれているのかが評価されます。製品寸法のばらつきが顧客に対してどれだけリスクがあるのかにより審査の優先度が違ってきます。
品質改善にはコストがかかります。経済的合理性も考慮した経営判断もありますので、改善活動の社内ルールによりどこまで改善をするのかについて決めてあり、不適合品が出荷されるリスクが低いと判断されれば指摘にはならないと考えます。
情報が限られていますが以上を回答とさせていただきたいと思います。
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