これまで、製造現場の生産性改善として、無駄を省き、付加価値の高い作業の比率を
上げる活動を進めてきました。
経営者として、視点を変えて改めて現場を見回してみると、現場作業の無駄を省く以前に
活かしきれていない情報、物、人が存在することに気づきます。
従来からの慣習にとらわれることなく、作業を見直し、気づいていない資産を活かすような
現場改善活動は、どのように進めればよいでしょうか。
専門家の方のアドバイスを宜しく、お願い申し上げます。
伊藤コンサルティングの伊藤と申します。
最初に各業務プロセスを整理し、業務プロセス毎に関連する情報、物、人について棚卸されてみてはいかがでしょうか。
要求される製品を実現(アウトプット)するために様々なプロセスが存在し、それぞれが関連しています。
そういったプロセスを明確にし運営管理することで、組織を効果的に機能させることを「プロセスアプローチ」といいます。
業務プロセスを整理(必要なアウトプット、アウトプットを行うためのプロセスとそれに必要なインプットは何か)することにより、そのプロセスに関連する業務、必要な情報、物、人が見えてきます。
そして、インプット、プロセス、アウトプットが明確になれば、各プロセスを効果的に機能させるため運用、活動を行うことができます。
そういったプロセスアプローチに対しては、ISO 9001などのISOマネジメントシステムの仕組みや方法が活用できます。
例えば、ISO 9001ではプロセスの運用に必要な資源である「人」、「インフラストラクチャ―(建物、作業場所、設備、情報システムなど)」、「環境」について明確にする必要があります。
例えば「人」については従業員毎に「スキルマップ」を作成することで、各従業員の力量を、「見える化」することができます。
こういった仕組み、方法を用いることにより、今まで気付かなかった情報、人、物を明確にし、そしてそれらを活用させることで「継続的改善」へと繋げることができるのです。
ご参考になれば幸いです。
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クリーン化を専門にしています清水です。
現場を見て見ないと適切なアドバイスが出来ません。推測の範囲で記します。
また、製造品目やその量は、季節によっても変化すると思いますから、上手くいくかどうかは分かりません。
ちょっと方向が違うかも知れませんが、こんな風にしてみたらどうでしょうかと言う一つの案を提示してみます。
1) 顕在化をする
数人の管理職で工場を巡回し、不用な物かどうかチェックし、自分たちに分かりやすい絵符
(絵とか符号)を付ける。これにより、撤去可能な物がある程度見えて来ます。
複数の人が見ると、見慣れたことによる見落としが防げます。出来れば第三者も入れたいです。
普段見慣れたものの顕在化ですね。
この時点では、撤去はしない。
2) 作業者の動作を観察する
移動距離が長いとか、重量物を手作業で運搬しているとか、戻りのある移動をしているなどを拾い出します。
効率的な動きをしていればよいのですが、無駄な動作、行動、不安全な動作などが無いかどうかを見る。
上記1)、2)は現状スケッチです。
次に改善です。
3) 作業者と相談し、理解を得ながら、不用な物は撤去する
作業者に理解してもらえないと、またすぐ元に戻ってしまいますので、良く話し込み、納得した上で撤去する。
元の方がやりやすいですから、慣れるまでは、元に戻らないようしばらくはフォローを続ける。
4) 動作、行動は、流れ矢線化する
これは、矢が流れるように作業、物を移動させるレイアウトづくりです。
戻りのある作業はロスと考えます。
事故、災害の発生が予測出来そうな場合は、それも改善して行く。
常に観察していて、労働災害の芽をつむ。労働災害がひとたび起きると、人的、及び費用的にも大きなロスになりますから。
5)原材料管理
①現場に物が多いと労働災害の元になりますから、必要な分を現場に持ち込むようにしたい。
また、物流を阻害する場合も有ります。
必要な分しか持ち込めないようにする。
例えば3日分であれば、3日分の現材料しか置けないようにするなど。
これは3定管理の考え方ですね。(定められた品目を、定められた量だけ、定められた場所に置く(定品、定量、定位置)
②中の在庫が幾つになったら、外から幾つ持ち込むと言うルールを作る。
これがルール通りに出来るようになれば、外の在庫管理で、過剰在庫も持たず発注も正確になる。(バーコード管理などの手法も有りますがここでは、仕組みだけの話にします。これは情報の整理の部分ですね。
6) 不用品の管理・保管
絵符付けして、とりあえず不用とみなされたものは、倉庫、又は、区切られた場所できちんと保管しておく。
現在使用中のものが劣化、破損、あるいは増産の場合に、直ぐ購入するのではなく、その保管場所を確認し、それでもなかったら購入するようにする。
*特に事務屋さんでは、事務用品は、片方で余り、もう片方では購入していると言う事が多々ありますね)
7) 情報の整理
これは難しいことですが、情報、不満、愚痴なども同じ人に届くような仕組みが欲しいですね。それを分類して、優先度を付け改善して行くことですね。
不満や愚痴には、やり難いなど改善点が潜んでいると思います。
それらを顕在化する。拾ってやる。それを改善できた場合には、作業者にフィードバックしたり、お陰で合理化出来たとねぎらうことも重要ですね。
こんなことをしながら、相互に協力しながら、良い関係を構築し良い工場を作って行かれれば良いですね。
お役に立ちますでしょうか。
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「現場作業の無駄を省く以前に活かしきれていない情報、物、人が存在することに気づきます」そして、「作業を見直し、気づいていない資産を活かすような現場改善活動の進め方」について相談したい。
と質問されていますから、この視点から回答します。
経営者は全社員が同じ方向を目指す様に明確な方向付けをされることです。例えば「生産リードタイムの短縮〇〇%」の様な方針を明確にする。この方針に沿って各職場別に「生産量の適正量設定、段取り時間短縮、ムダ作業の発生防止など」の分担課題を決めて所要時間の短縮に取り組む。
各職場内で所要時間短縮に必要な改善点に気づきが得られる様に取り組ます。経営者が改善点を一々指摘することでは、何時まで経っても、指示待ちの人が増えるだけで、自主的に動き出すことが期待できません。
今までにムダを省く活動は実施されてきたのですから、ムダとは何か、それは概略理解されていると思いますから、これからは、自発的に問題点に気付き、改善に取り組む企業風土を育てることが課題になります。
そして、職場ごとに「短縮目標設定、目標達成への対策起案、実行、成果のまとめと反省点の経過を明らかにして反省点では今後に役立つ教訓を導き出す」
これらに関して月例会議の場で経過報告をさせることで、相互啓発に役立てる。
発表は5分以内とし、他の職場の課長は事前に提出させた発表資料に基づき評価を行って、励ましが得られる様にする。3カ月程度の周期で経過報告を行う様にすることで、改善活動が持続できるようにして、相互に気づきが得られて職場の活性化が図られる様にする。この運営に不安があるようなら、専門家の支援を求めることも考えると良い
私のホームページに小集団活動の取組み方が記載してあるから、参考になるかも知れません。
http://homepage3.nifty.com/shinjo/index.htm またはgoogleで「事業計画 5S活動」で検索可能
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