セミナー趣旨
汎用性熱可塑性エラストマーコンパウンドであるオレフィン系熱可塑性エラストマーコンパウンド、特にTPV(動的架橋熱可塑性エラストマーコンパウンド)は、スチレン系熱可塑性エラストマーやエンプラ系熱可塑性エラストマー(ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン系)と比較して柔軟性、耐候性、耐油性、耐熱性、加工性、価格などのバランスに極めて優れ、自動車をはじめとするあらゆる分野での加硫ゴム代替用途で幅広く用いられています。
また、TPVは他のエラストマーと異なり、「ゴム成分」と「液状オイル成分」と「流動成分(樹脂成分)」という「多成分の混合物」(ポリマーアロイ)です。それら3者を化学反応させて架橋させることで、耐熱性、耐油性が向上します。架橋タイプは、フェノール樹脂架橋(完全架橋型、f-TPV)、有機過酸化物架橋(部分架橋型、p-TPV)のニ種類があります。
本講座では、はじめに熱可塑性エラストマー全般を見渡した後、動的架橋ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーコンパウンド(TPV)について、完全架橋型TPV(f-TPV,フェノール樹脂架橋)を中心に下記4点を解説します。
(1) 加硫ゴム代替材料としてTPVを選ぶ他のエラストマーと比較した場合のメリット
(2) 加硫ゴム代替用途の歴史
(3) 基本特許からみた典型配合例
(4) 部分架橋型TPVと完全架橋型TPVの物性と用途展開例
受講対象・レベル
- 自動車メーカー、自動車部品メーカー、建材メーカー、成形加工メーカー等の研究開発・生産製造、材料選定等に携わる方(初心者から中級者まで)
習得できる知識
以下のような知識を得ることが期待されます。
- 加硫ゴム代替のための完全架橋型TPVの特性、選び方
- 歴史から見た代表的用途
- 部分架橋型TPV(p-TPV)と完全架橋型TPV(f-TPV)の物性と用途展開例
セミナープログラム
- ゴムとは?
- 熱可塑性エラストマーとは?
- 熱可塑性エラストマーの種類とそれぞれの特徴概論
- 汎用エラストマーとその特徴
- オレフィン系熱可塑性エラストマーTPOとその特徴〜TPVに着目して〜
- TPOとTPSの比較
- エンジニアリングプラスチック系エラストマーとその特徴
- 各エラストマーの欠点
- f-TPVの利点
- f-TPVの一般物性と用途例
- f-TPV用途採用の歴史
- TPO,TPSの成分
- 基本特許からみたf-TPVの配合
- 部分架橋型TPVと完全架橋型TPVの物性と用途展開
- 完全架橋型TPVの物性
- 部分架橋型TPVの物性
- TPVの用途
セミナー講師
鷲尾 裕之 講師
化学系知財セミナー講師/プラスチック技術コンサルタント
元 東洋大学非常勤講師(知的財産法)
2017年5月〜9月 LCY Chemical Co.,Ltd(李長榮化學工業股份有限公司)顧問
2022年5月〜現在 LCY Chemical Co.,Ltd(李長榮化學工業股份有限公司)顧問
リケンテクノス株式会社研究所にてエンジニアリングプラスチックから熱可塑性エラストマーコンパウンドの溶融混練開発に携わる。その後、知的財産部門において特許関連業務に従事。
入社以来、材料開発6年、分析研究5年、知財業務15年の実務歴。分析センター、知的財産部門の在籍中も技術開発に関わり続ける。
退職後は、プラスチックに関するコンサルタントとして、日本企業・台湾企業の技術支援・営業支援に従事。
大学で知的財産法に関する非常勤講師を務めたほか、技術セミナー/特許セミナーのプロ講師としても活動。セミナー・研修は100回を超えるリピート開催実績を有する。
《専門技術》
特にエンジニアリングプラスチック(LCP、PES、PEEK、PPS、PA、PI、POM、PET、PBT等)、PP、PE、熱可塑性エラストマーコンパウンド、溶融混練及び成形について、高度な技術的知見と実務経験を有する。
セミナー受講料
39,600円/1名(税込)
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セミナーのLive映像を、プロジェクタで視聴しながら受講できます。
ご希望の方は、お申し込みの際に、「セミナールームでの受講を希望」と記載してください。
※開催1週間前までに最少開催人数に達しない場合は、実施をキャンセルさせていただくことがあります。
※開催の場合は、開催1週間前程度から受講票と請求書を発送させていただきます。
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※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です
開催日時
13:30 ~
受講料
39,600円(税込)/人
※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます
※銀行振込
開催場所
全国
主催者
キーワード
高分子・樹脂材料
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全国
主催者
キーワード
高分子・樹脂材料関連教材
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