化学工学におけるガス吸収の基礎と原理 ~化学反応を伴わない「物理吸収法」と、化学反応を利用する「反応吸収法」の違い~
ガス吸収法は、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた有力なCO2回収オプションとして注目されています!
化学工学におけるガス吸収の基礎と原理を体系的に紹介します。
セミナー趣旨
ガス吸収法は、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた有力なCO2回収オプションとして注目されている。その一方で、元来はアンモニアや塩素など、種々の有害ガス成分を回収除去するための単位操作として普及してきた事実がある。こうした経緯は、ガス吸収法のスケールアップとハンドリングに際して、化学工学的なプロセス設計法を習得することが大切であると示唆している。そこで本セミナーは、化学工学におけるガス吸収の基礎と原理を体系的に紹介する。特に、化学反応を伴わない「物理吸収法」と、化学反応を文字通り利用する「反応吸収法」の違いを明確化しながら、ガス吸収塔の設計方法を網羅的に紹介する。必要に応じて、高校レベルの微分積分を含む数学的な式変形についても詳しく解説する。
受講対象・レベル
・ガス吸収に関連するプロセスの開発や維持・管理の業務に新しく従事される方から、ある程度の業務経験を
経たものの、プロセスの詳細がブラックボックス化されているなどの理由により、ガス吸収の原理原則を
学び直したい方まで。
・カーボンニュートラルの観点から、CO2回収にも適用可能なガス吸収プロセスの設計方法を化学工学の
視点で体系的に理解したいと考えている方
・本テーマに興味のある方なら、どなたでも受講可能です。
必要な予備知識
・中学・高校における化学の基礎レベルの知識。
・高校レベルの微分積分における微分記号(dy/dx)やインテグラル記号(∫)の基本的な意味合い。
たとえば、前者からは「傾き」を、後者からは「面積」をイメージできることなど。
習得できる知識
・ ガス吸収塔の設計法の原理(導出過程の詳細を含む)
・ 化学工学の根幹をなす、物質移動と物質収支の基礎
・ ガス吸収の研究動向の概要
セミナープログラム
1. プロセス設計に必要な予備知識
1) 吸収と吸着の違い
2) 物理吸収と反応吸収の違い
3) 気液平衡とは何か?
4) 意外に盲点となる、平衡と定常の違い
5) Henryの法則の厳しい適用条件
2. ガス吸収法の最近の研究動向
3. 物質移動の基礎
1) フィックの法則とは何か?
2) 熱移動との類似性
4. 物質収支の基礎―たとえて考えてみると?―
5. 気液界面のモデル化
1) 二重境膜説の導入
2) 物質移動係数の成り立ち
3) 総括物質移動係数の考え方
4) 物理吸収法におけるガス吸収速度
5) 反応吸収法におけるガス吸収速度
6. 物理吸収塔の設計方法
1) 操作線の詳しい考え方
2) 気液向流充填塔の場合
7.反応吸収塔の設計方法
1) 設計方程式の導出過程
2) 気液向流充填塔の場合
■講演中のキーワード
フィックの法則、物質移動係数、二重境膜説、物質収支、操作線、移動単位数と移動単位高さ、気液向流充填塔
セミナー講師
南雲 亮 先生 名古屋工業大学 大学院工学研究科 工学専攻 生命・応用化学系プログラム 准教授
■ご略歴
東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻博士課程修了
■ご専門および得意な分野・研究
化学工学・計算化学
セミナー受講料
1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
※本講座は、お手許のPCやタブレット等で受講できるオンラインセミナーです。
配布資料・講師への質問等について
- 配布資料は、印刷物を郵送で送付致します。
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それ以降でもお申込みはお受けしておりますが(開催1営業日前の12:00まで)、
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(全ての質問にお答えできない可能性もございますので、予めご容赦ください。) - 本講座で使用する資料や配信動画は著作物であり、
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