~ナノ材料・光学材料などへ向けた材料設計~
★中空粒子の作製法・合成法の基本をじっくり学びます。
★中空粒子の作製法として鋳型を使用するテンプレート法やテンプレートフリー法などと改善方法、調整方法とは?
★光学材料や断熱材、ドラックデリバリーなどの中空粒子を用いた機能性材料の応用展開!シリカの中空粒子や有機ポリマーを中空化する技術の最前線技術とは?
セミナープログラム
第1講 無機中空微粒子の作製・合成・特性と粒子構造制御の留意点、特性を用いた応用技術
【12:30-13:45】
講師:九州大学 工学研究院 化学工学部門 分子・生物システム工学大講座 教授 岸田 昌浩 氏
【講演趣旨】
ナノスケール~ミクロンスケールで無機材料からなる中空粒子の作製法と構造制御法について説明する.作製法では,鋳型となる微粒子をコーティングした後に鋳型粒子を除去する鋳型法を中心に説明する.この方法は大きさの制御が容易であるとともに,中空粒子内に様々な機能性物質を効率よく内包できるという特徴がある.また,中空粒子では粒子外殻の細孔径制御が重要となるが,その細孔径は鋳型粒子のコーティング条件に大きく影響を受ける.最後に,中空粒子の特徴を生かした応用として,ドラッグデリバリー,触媒,吸着剤などについて簡単に紹介する.
【講演キーワード】
無機中空微粒子,無機コーティング,鋳型法
【講演のポイント】
・無機の中空粒子作製においては,鋳型材料の選定に加え,鋳型のコーティング条件が非常に重要となる.それらのポイントをわかりやすく説明する.
【習得できる知識】
・タイトル通り,無機中空粒子の作製と構造制御技術を習得できる.
・無機の中空粒子作製技術の基本はコーティング技術であり,様々な材料のコーティング技術も習得できる.
【講演プログラム】
1.鋳型法に必要となるコーティング技術
1-1 湿式無機コーティングに関係する基礎知識
1-2 コーティング層の形成機構~不均一核発生
1-3 コーティング層の形成機構~均一核発生(ヘテロ凝集)
1-4 コーティング前処理の重要性
1-5 被コーティング粒子の材質による違い
1-6 被コーティング粒子のサイズによる違い
1-7 シリカコーティングのポイント
1-8 シリカコーティング層の構造制御
1-9 シリカ以外の無機物質によるコーティング
2.中空粒子の製造法
2-1 鋳型を用いた中空粒子の作製法
2-2 鋳型を用いた中空粒子の作製例
2-3 中空への異物内包
2-4 有機分子集合体を鋳型とする中空シリカの調製
2-5 鋳型法による中空ワイヤーの作製
2-6 中空構造の自発形成
2-7 非鋳型法による中空粒子の作製
3.中空粒子の応用
3-1 ドラッグデリバリー
3-2 触媒など保持特性を生かした応用
3-3 散布薬などの放出特性を生かした応用
4.まとめ
【質疑応答】
第2講 ナノサイズ中空粒子の合成法、構造制御と機能材料への展開
【14:00-15:15】
講師: 岐阜大学 工学部 准教授 博士(工学) 高井 千加 氏
【講演キーワード】
中空粒子、ナノ粒子、表面改質、分散凝集
【講演のポイント】
2007年博士(工学)取得後、民間企業、ポストドクター、出産・育児による退職、留学を経て、2021年岐阜大学工学部助教、2022年同准教授、現在に至ります。粉や分散体を対象として、構造制御・分散性制御や評価方法の確立を目指しています。お困りのことがありましたらお気軽にお声がけください!
【習得できる知識】
主にシリカ(SiO2)を基盤とする中空粒子の合成法、およびその構造制御や評価手法に関する知識、中空粒子を機能性材料として用いる際に必要な表面処理およびその評価手法に関する知識。
【講演趣旨】
内部に空洞を持つ中空粒子は、そのユニークな構造に由来する様々な機能を発現する。特に、粒子のサイズが小さくなると、その機能性は顕著に現れる。本講座では、中空粒子が持つ魅力とともに、中空粒子の微構造をコントロールする手法や評価手法、機能性材料へと発展させる基礎的な技術についてご紹介する。
【講演プログラム】
1.ナノサイズの孔をもつ粒子の魅力
2.中空粒子の合成法
2-1 テンプレートフリー法
2-2 テンプレート法
2-2-1 有機粒子テンプレート法
2-2-2 無機粒子テンプレート法
2-2-3 生物テンプレート法
2-2-4 エマルジョンテンプレート法
2-2-5 気体テンプレート法
3.中空粒子合成手法における問題点と現状
3-1 有機粒子テンプレート法における改善
3-2 無機粒子テンプレート法における改善
3-3 エマルジョンテンプレート法における改善
4.中空粒子を用いた機能性材料
4-1 超断熱性を引き出す中空粒子
4-2 光拡散透明フィルムへの応用
4-3 防錆コーティング
4-4 バレーボールコーティング
5.まとめと将来展望
【質疑応答】
第3講 中空粒子~有機から有機-無機ハイブリッドまで
【15:30-16:45】
講師: 積水化学工業(株) 高機能プラスチックスカンパニー 開発研究所 先端技術センター 主席研究員 博士(工学) 山田 恭幸 氏
【講演キーワード】
中空粒子、マイクロ/ナノカプセル、低屈折率、反射防止フィルム、LR、ナノ、マイクロ、低温分解、有機、有機-無機ハイブリッド、エポキシ
【講演のポイント】
有機または有機-無機ハイブリッド材料をシェルとした中空粒子/カプセルの一般的な作製方法や使用方法、弊社における中空粒子技術について紹介し、反射防止フィルムといった光学分野への応用事例について解説する。
【習得できる知識】
有機材料をシェルとした中空粒子の作製方法や使用方法に関する知識
有機系の中空粒子がどのように作製されて、どのような使い方や応用事例があるのか把握できる。
【講演趣旨】
本講座では、有機または有機-無機ハイブリッド材料で構成されたナノ、マイクロオーダーの中空粒子やマイクロカプセルについて製法の概略から使用事例について紹介する。具体的な事例として中空粒子を用いた光学材料(反射防止膜)への展開と課題についても紹介する。
【講演プログラム】
1.積水化学工業の会社ならびに微粒子製品のご紹介
1-1 積水化学工業の紹介
1-2 微粒子製品の紹介
2.有機ポリマーを主とした中空粒子
2-1 中空粒子の作製方法と研究事例
2-2 中空粒子の応用事例
3. 低屈折率化を可能にする中空粒子の開発事例
3-1 設計コンセプト
3-2 反射防止膜への応用事例と課題
3-3 他展開へ向けた試み
4.マイクロカプセル/複合粒子
4-1 硬化促進剤マイクロカプセル
4-2 屈折率傾斜粒子
4-3 無機酸化物をシェルとしたコアシェル粒子
5. まとめ
【質疑応答】
セミナー講師
第1部 九州大学 工学研究院 化学工学部門 分子・生物システム工学大講座 教授 岸田 昌浩 氏
第2部 岐阜大学 工学部 准教授 博士(工学) 高井 千加 氏
【ご経歴】
2007年博士(工学)取得(名古屋工業大学)後、民間企業2社を経て、名古屋工業大学の博士研究員(ポスドク)となった。
2014年出産育児のため退職。2015年同大学ポスドクとして復職し、2017年日本学術振興会特別研究員RPD、2018年スイス連邦材料試験研究所(Empa)留学、2018年11月より岐阜大学テニュア・トラック助教、2021年同助教、2022年同准教
授、現在に至る。
【ご活躍】
粉体工学会誌、Advanced PowderTechnology誌、日本粉体工業技術協会「粉体技術」誌編集委員。Researchmap:https://researchmap.jp/ChikaTakai-Yamashita?lang=ja
第3部 積水化学工業(株) 高機能プラスチックスカンパニー 開発研究所 先端技術センター 主席研究員 博士(工学) 山田 恭幸 氏
【経歴】
2002.3 新潟大学大学院自然科学研究科生産システム専攻 博士前期課程修了
2005.3 東北大学大学院工学研究科化学工学専攻 博士後期課程修了
2005.4 積水化学工業株式会社 入社
現在に至る
セミナー受講料
【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。
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