食品容器包装向け透明バリアフィルム・環境配慮型バリア材料の最新動向と用途展開
★透明バリア(蒸着)フィルムを含めた最近のパッケージにおける特徴や機能性について紹介!
★ガスバリア性と優れた生分解性を併せ持つポリグリコール酸の製法と特性、その発現機構について解説!
★各国の規制動向、食品包装用材料への影響、バイオマス、リサイクル、減容化など環境配慮設計への対応について解説!
セミナープログラム
第1部 透明バリアフィルムの最新技術動向と容器包装の事例紹介
【13:00-14:30】
講師:凸版印刷(株) 生活・産業事業本部 パッケージソリューション事業部 開発本部 関西開発部 部長 工学博士、包装管理士 吉永 雅信 氏
【講演主旨】
透明バリアフィルムは、その特長から広範囲で使用されており、包装材や産業資材においてシェアが広がっています。
一方で社会状況や世代構造の変化に対して、食品や飲料の容器包装も進化し続けており、透明バリアフィルムやガスバリア技術を含めた最近のパッケージにおける特徴や機能性について紹介させて頂きます。
【キーワード】
1.透明ガスバリアフィルム、透明蒸着フィルム、ガスバリア性(付与)技術
2.電子レンジ対応食品包装、液体紙容器
3.鮮度保持機能
【講演ポイント】
・透明バリアフィルムの種類と性能や特長、製造方法を説明、どのような商品に使用されているのかを提示します。
また蒸着方式を基本とした透明バリアフィルム『GL BARRIER』(最新グレードを含む)も紹介させて頂きます。
・更にはパッケージを取り巻く社会の課題から、機能性を備えた包装材の事例や環境に配慮した紙容器について、その変遷を含めながら講演させて頂きます。
【習得できる知識】
・ガスバリア性能やバリアフィルムの要素技術と商材への展開事例
・パッケージを取り巻く社会の課題(サスティナブル社会とSDGs)
・電子レンジ対応食品包装容器
・鮮度保持機能包装
・液体内容物を充填し保存できる紙容器
【プログラム】
1.透明バリアフィルムについて(種類・性能・特長・製造法など)
2.透明バリアフィルムを取り巻く市場動向
3.透明バリアフィルムの商品展開
4.透明バリアフィルム「GL BARRIER」の紹介
5.電子レンジ対応食品包装への展開
6.鮮度保持機能との組み合わせ
7.液体紙容器への展開
【質疑応答】
第2部 ポリグリコール酸系樹脂の特性と生分解性バリア材としての応用
【14:40-15:55】
講師:(株)クレハ 樹脂加工研究所 所長 博士(工学) 鈴木 義紀 氏
【講演主旨】
ポリグリコール酸(PGA)は、最も単純な分子構造を有する脂肪族ポリエステルであり、生分解性樹脂として広く使用されている。その存在は古くから知られていたが、量産化技術に数多くの課題があり、従来は医療用途での小規模生産に留まっていた。(株)クレハでは、PGAが高いガスバリア性や高強度を有することを見出したとともに、世界で初めて工業的な製造方法を確立し、これまでにはない高機能型の生分解性樹脂としてPGA樹脂Kuredux®を開発した。本講演では、Kuredux®の特性とガスバリア材としての応用について、用途例を交えつつ紹介する。
【キーワード】
バイオプラスチック,ポリグリコール酸,生分解性,ガスバリア性,食品包装材料,多層ボトル,多層収縮フィルム,循環型経済
【講演ポイント】
既存樹脂の中でトップクラスのガスバリア性と強度,優れた生分解性を併せ持つポリグリコール酸の製法と特性,その発現機構について解説するとともに,循環型経済の実現に向けたバリア材としての可能性について事例を交えて紹介する。
【習得できる知識】
ポリグリコール酸の合成と性質
ポリグリコール酸の特性発現メカニズム
ポリグリコール酸の特性を活かした用途
食品包装材料の循環型経済への対応
【プログラム】
1.はじめに
2.ポリグリコール酸の原料と製法
3.ポリグリコール酸の特性
3.1 基本特性
3.2 生分解性
3.3 ガスバリア性
3.4 機械特性
3.5 成形加工性
4.ポリグリコール酸の用途例
4.1 共押出多層ボトル
4.2 共押出多層フィルム
4.3 その他
5.ポリグリコール酸の環境適性
6.おわりに
【質疑応答】
第3部 バイオマスプラスチックフィルム・環境配慮型包装用フィルムの開発とバリア特性
【16:05-17:20】
講師:東洋紡(株) パッケージング開発部 マネージャー 博士(工学) 技術士(化学部門) 清水 敏之 氏
【講演主旨】
気候変動対策でプラスチック廃棄物のリサイクルが注目されるなか、長期的な材料移行の過程においてバイオマスプラスチックの果たす役割は重要である。本セミナーにおいては、プラスチックに対する各国の環境規制全般について紹介し、特に食品包装に使用されるフィルムなどで使用されるバイオマスプラスチックの動向について紹介する。また、食品包装用ではバリア性は食品の消費期限延長の面からも重要だが、バリア性を有するバイオマスプラスチックとそのフィルム特性についても紹介する。
【キーワード】
食品包装 バイオマスプラ バリア 環境配慮設計 プラスチック資源循環 プラスチック資源循環推進法
【講演ポイント】
気候変動対策についての各国の規制動向、食品包装用材料への影響、バイオマス、リサイクル、減容化など環境配慮設計への対応について解説する。
食品消費期限延長の面からバリア性材料の利用拡大が見込まれるが、フィルム各社の動向とバイオマスプラスチックのバリア性などについて紹介する。
【習得できる知識】
・成型加工用に使用されるバイオマスプラスチックの最近の動向
・環境規制の動向、それらに対する対策
・バリア性バイオマスプラの最近の動向
・バイオマスプラスチックのバリア性
【プログラム】
0.はじめに
1.バイオマスプラスチックの動向
1.1 従来からのバイオマスプラスチックの動向
1.2 最近のバイオマスプラスチックの動向
1.3 今後のバイオマスプラスチックの動向
2.バイオマスプラスチックフィルムの動向
2.1 現状、課題
2.2 最近のバイオマスプラスチックフィルムの動向
2.3 各社の動向
3.バリア性を有するバイオマスプラスチックとそのフィルム特性
3.1 バイオマスプラスチックのバリア性へのニーズ
3.2 バイオマスプラスチックのバリア性
4.まとめ
【質疑応答】
セミナー講師
第1部 凸版印刷(株) 生活・産業事業本部 パッケージソリューション事業部 開発本部 関西開発部 部長 工学博士、包装管理士 吉永 雅信 氏
第2部 (株)クレハ 樹脂加工研究所 所長 博士(工学) 鈴木 義紀 氏
【経歴】
2000年4月 呉羽化学工業株式会社(現:株式会社クレハ) 入社
2010年7月 Kureha America出向
2016年4月 中央研究所 高分子研究室 室長
2021年4月 樹脂加工研究所 所長
【著作】
(1)「PGAの分解性,強度・耐久性と応用事例」, 『生分解性,バイオマスプラスチックの開発と応用』, 技術情報協会, pp.180-187 (2019)
(2)「ポリグリコール酸”クレダックス(Kuredux®)”」, 望月政嗣監修, 『生分解性プラスチックの素材・技術開発-海洋プラスチック汚染問題を見据えて』, エヌ・ティー・エス, pp.129-136 (2019)
(3)「ポリグリコール酸の特性と生分解性」, 岩田忠久, 阿部英喜監修, 『生分解性プラスチックの分解機構と環境配慮設計・高機能化』, シーエムシー出版, pp.186-196 (2019)
【受賞】
(1)第51回日本化学工業協会技術賞 技術特別賞, 高分子量ポリグリコール酸の製造技術開発と新市場開拓, 日本化学工業協会 (2019年5月)
(2)第65回日本化学会 化学技術賞, ポリグリコール酸の工業的製造技術の確立と機能性・環境適性に優れた材料としての新市場開拓, 日本化学会 (2017年3月)
第3部 東洋紡(株) パッケージング開発部 マネージャー 博士(工学) 技術士(化学部門) 清水 敏之 氏
【経歴】
1992年 東洋紡績株式会社入社
2017年より現職
セミナー受講料
【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。