GFRP&CFRPのリサイクル技術の動向・課題と回収材の用途開発
セミナー趣旨
熱硬化性樹脂複合材料の代表的な製品としては、不飽和ポリエステル樹脂/ガラス繊維複合材料(GFRP: Glass Fiber Reinforced Plastics)、エポキシ樹脂/炭素繊維複合材料(CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics)が挙げられる。CFRPに使用される炭素繊維(CF)は高価なため、最近はリサイクルされ始め、回収CFの用途探索も進んできた。
一方、CFRP生産量の20倍以上のGFRPについては、2000年頃から約20年間、セメントの原燃料化によるリサイクルしか実用化されていなかった。しかしながら、ここ数年でリサイクル技術は著しく進歩し、GFRP製の風力発電用ブレードなどがリサイクルされるようになってきた。本セミナーではGFRP並びにCFRPのリサイクル技術に関する最新動向を報告する。
受講対象・レベル
- GFRP、CFRPなどの複合材料の研究、開発、設計に携わる方。
- 複合材料あるいはプラスチックのリサイクル技術に興味をお持ちの方。
習得できる知識
GFRP、CFRPを代表とする複合材料の、国内外におけるリサイクル技術の動向と課題。
セミナープログラム
1. 緒言
・複合材料の定義と分類
・米国の各種FPRの市場
・バサルト繊維
・プラスチックリサイクル技術の分類
2. GFPRリサイクル技術の動向
・GFPRの歴史
・国内のGFPR出荷量と用途
・欧州のGFPR生産量
・GFRPの廃棄物処理
・プラスチックリサイクル技術の分類
2.1 国内のGFPRリサイクル技術
2.1.1 マテリアルリサイクル
・アサオカ,群馬高専-FRP,塗料
・いすゞ自動車-熱可塑性樹脂ペレット
・石川島播磨重工業-充填材
・名機製作所-充填材
・宇部日東化成-充填材
・広島大,徳茂樹脂,広島県工研セ-充填材
・シャープ-充填材
2.1.2 熱分解法
・北海道工試-気中熱分解
・三菱重工-気中熱分解
・東芝-高圧熱分解
・日本化学繊維検査協会-液中熱分解
・日本電気-気中熱分解
・静岡県立大,日清オイリオ,神奈川産技セ-植物油分解
・福岡リ研セ,大分産技セ-気中熱分解
・四国工試, 高知工技セ-水蒸気分解
・信州大-水蒸気分解
2.1.3 超臨界流体法
・神戸製鋼所-超臨界水,亜臨界水
・物質研,熊本工技セ-超臨界水,亜臨界水
・工学院大-超臨界水,亜臨界水
・静岡大-超臨界水
・大阪府立大,松下電工-亜臨界水
・山口産技セ,山口大-超臨界アルコール
2.1.4 加溶媒分解法
・松下電器産業-脂肪族UPによる易分解性UP
・三菱電機-有機アンモニウム塩触媒
・和歌山工技セ-グリコール
・アースリサイクル-グリコール
・千葉大,産総研,中国工業-クレゾール
・日立化成-アルコール
2.1.5 その他の回収技術
・崇城大-高周波分解法
・信州大-酸化物半導体分解法
2.1.6 再利用技術
・クボタ-セメントモルタル瓦
・強化プラ協,富士田商事-セメント原燃料化
・DIC-舗装材
・田村石材-漁礁
・和歌山工技セ,京屋,福岡工技セ-マネキン
・日立化成-鉄道車両部品
・国土社-防雪板
・宮崎大-多孔質タイル
・阪大,INAX,ニチアス-軽量断熱材
2.2 海外のGFPRリサイクル技術
2.2.1 GFリサイクル
・PPG Industries Ohio,Inc.(US)-GF 工程廃材
・Vetrotex France S.A.(FR)-GF 工程廃材
・Solvay S.A.(BE)-GF 工程廃材
・Johns Manville (US)-GF 工程廃材
・Befesa Medio Ambiente (Befesa 環境)(ES)(1)-GF
2.2.2 マテリアルリサイクル
・ECO Wolf Inc.(US)-装置
・ERCOM Composite Recycling GmbH (EU)-充填材(1)
・Fibron GmbH (DE)-SMC
・Phoenix Fibreglass Inc.(CA)-充填材
・R J. Marshall Company(US)-充填材
・New York State College of Ceramics(US)-充填材
・Astoria Industries of Iowa,Inc.(US)-充填材
・Centre des Mate´riaux de Grande Diffusion (Large Diffusion Materials Center)(FR)-充填材
・University of Bristol (GB)-再成形
・The University of Manchester(GB), Pforzheim University(DE)-充填材
・GEES RECYCLING S.r.l.(IT)-再成形
2.2.3 熱分解法
・Richard A. Wallace (個人)(US)-熱分解残渣
・The Budd Company (US)-GF 再生
・Stevens Inst. of Tech.(US)-抽出後熱分解
・S-P Reclamation,Inc.(US)-オゾン分解
・Univ. of Nottingham (GB)-流動床燃焼プロセス
・The Univ. of Leeds (GB)-固定床反応器
・ReFiber ApS (DK)-ReFiber プロセス
・REFORM (EU)-Re-Fib法
・ACMA,IACMI,CHZ Technologies,LLC(US)
・Univ. of Strathclyde(GB)-熱によるGFの劣化
・ACMA,IACMI,CHZ Technologies, LLC(US)
・Univ. of Strathclyde (GB)-金属酸化物混合
・KOREC S.R.L.(IT)-CO2雰囲気
・Jean J. O. Gravel (個人)(CA)
・Celanese Mexicana S.A. (MX)
2.2.4 超臨界流体法
・Modar Inc. (US)-超臨界水と酸素
・Nantes Thermokinetics Laboratory (FR)-亜臨界水
・Aalborg Univ. (DK)-超臨界アルコール
2.2.5 加溶媒分解法
・Ashland Oil, Inc. (US)-グリコール
・DSM Research (NL)-エタノールアミン
・Univ. of Connecticut (US)-プロピレングリコール
・Siemens (DE)-アミン
・IBM (US)-イオン液体
・Hongik University (KR)-硫酸,KOH
・Chinese Academy of Sciences (CN)-AlCl3 / 酢酸
・Technical University of Denmark (DK)-熱分解併用
・Univ. of Southern California (US), Adesso Advanced Materials Inc. (CN)- 酢酸 / H2O2
・Univ. of Southern Denmark (DK)AlCl3 / 酢酸
2.2.6 その他の回収技術
・Novacor Chemicals (CH)-超音波洗浄
・The University of Borås (SE)-マイクロ波分解
・Commissariat à l’énergie atomique et aux énergies alternatives (CEA)(FR)-シラン化合物
2.2.7 易分解樹脂
・Univ. of Southern California (US), Adesso Advanced Materials Inc.(CN)-酢酸 / H2O2
・Aditya Birla Chemicals (TH)-Recyclamine®
2.2.8 再利用技術
・European Composites Recycling Services Company(EU)-自動車
・Ryds Battindustri AB (SE)-ボート
・Hambleside Danelaw (GB)-住宅機器
・Conenor Ltd.(FI), Tecnalia Corp.(ES)-Wood Plastic Composite(WPC)
・Conenor Ltd (FI)-パネル
・Flexipol (NL)-風力発電機器
・Global Fiberglass Solutions Inc. (US)-パネル
・General Electric Company (US), Global Fiberglass Solutions Inc.(US)-パレット
・Loughborough Univ. (GB)-コンクリート
・Università Politecnica delle Marche (IT)-コンクリート
・Technical University of Lisbon (PT)-コンクリート
・National Center for Metallurgical Research (ES)-セラミックタイル
・CompoCycle (DE)-セメント
・Fiberline Composites (DK)-セメント
・Mixt Composites Recyclables (FR)-成形材料
・Reprocover (BE)-建設製品
・TECNALIA Research & Innovation (ES)-コンクリート
・Janicki Industries (US), Global Fiberglass Solutions Inc.(US)-防音壁
・Global Fiberglass Solutions Inc., Washington State Univ. (US)-パネル
・Washington State Univ. (US)-パネル
・Hebei Univ. of Sci. & Tech.(CN)-石膏,マンホール
・Extreme Eco Solutions (NL)-タイル
3. CFPRリサイクル技術の動向
・炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の出荷量
・CFPRの用途
・ボーイング787に使われている材料
・PAN(PolyAcryloNitrile)系CFの製造法
・CF製造時のエネルギーとCO2排出量
・CF廃材の種類
・CFPR廃材のリサイクルに適用可能な技術
・各種CFPRリサイクルの比較
3.1 国内のCFPRリサイクル技術
3.1.1 マテリアルリサイクル
・ACA-空気流によるCF回収技術
3.1.2 熱分解法
・炭素繊維協会-実証プラント
・東レ-省エネルギ-熱分解法
・三菱レイヨン-省エネルギ-熱分解
・三菱ケミカル-省エネルギ-熱分解
・高安-前処理なし
・カーボンファイバーリサイクル工業-省エネルギ-熱分解
・リーテム,富士加飾-自動制御システム
・ファインセラミックスセンタ--水蒸気分解
3.1.3 超臨界流体法
・静岡大 岡島准教授-亜臨界流体
・熊本大(現名大)-後藤教授-亜臨界アルコール
3.1.4 加溶媒分解法
・東京工大 久保内教授-硝酸
・大阪府立大-酸
・産総研,東邦テナックス-液相分解
・アースリサイクル-グリコール
・日立化成-アルコール
3.1.5 その他の回収技術
・八戸高専 杉山教授-電解酸化法
・成蹊大-電解酸化法
・信州大 水口特任教授-半導体分解法
・埼玉産技セ-CFRTPの有機溶剤溶解法
3.1.6 再利用技術
・愛媛大,東レ-コンクリート
・JAXA-航空機部品
・阿波製紙㈱-CF製紙
・三菱重工-再生CFRTP評価
3.2 海外のCFPRリサイクル技術
3.2.1 CFリサイクル
・HADEG Recycling (DE)-CF生産工程廃材
・Procotex (BE)-CF生産工程廃材
・Sigmatex (GB)-CF生産工程廃材
・Hexcel Reinforcements UK Ltd. (GB)-CF生産工程廃材
・Carbon Fiber Remanufacturing LLC (US)-CF生産工程廃材
3.2.2 マテリアルリサイクル
・Fiberline Composites (DK)-CFPR工程廃材
・Airbus (FR)-航空機
・ROTH International (DE)-各種製品
3.2.3 熱分解法
・Adherent Technologies,Inc.(US)-真空熱分解
・Karborek (IT),ENEA(IT)
・ELG Carbon Fibre Ltd.(GB)
・Carbon Conversions Inc.(US)
・REFORM (EU)-Re-Fib法
・Aachen Univ.(DE)-残留炭素除去
・Univ. of Concepción (CL)-CNT付加
・Alpha Recyclage Composites (FR), Toulouse Univ.(FR)-水蒸気分解
3.2.4 超臨界流体法
・The Univ. of Nottingham (GB)-超臨界プロパノール
・Harbin Inst. of Tech. (CN)-超臨界水
・Vartega (US)-超臨界CO2
・Cranfield Univ. (GB)-亜臨界アセトン / 水
・Washington State Univ. (US)-亜臨界水 or エタノール
・Korea Inst. of Sci. & Tech. (KR)-超臨界水
3.2.5 加溶媒分解法
・Advanced Plastics Technologies, Ltd.(GB)-酸,塩基
・Siemens (DE)-アミン
・寧波材料技術與工程研究所 (CN)-DMF / H2O2
・中国科学院大学 (CN)-AlCl3 / 酢酸
・The Boeing Company (US)-各種溶媒
・Shocker Composites (US)-プリプレグ,インライン
・Indian Inst. of Tech. Madras (IN)-酢酸 / H2O2
・Global Fiberglass Solutions (US), Washington State Univ.(US)-エタノール, 水
・Nuremberg Inst. of Tech. (DE)-NMP→H2O2
・Catack-H (KR)-水+?
・Korea Inst. of Sci. and Tech.(KR)-水
・Korea Inst. of Sci. and Tech.(KR)-水+界面活性剤
3.2.6 その他の回収技術
・Vetrotex France S.A. (FR)-溶媒洗浄法
・DaimlerChrysler AG, (DE)-高周波分解法
・Shenzhen Univ. (CN)-電気分解法
・Shenzhen Univ. (CN), Univ of Manchester (GB)-電気分解法
・Kunming Univ. of Sci. and Tech. (CN)-高周波分解法
・Fraunhofer Institut fur Chemische Technologie ICT (DE)-高周波分解法
3.2.7 易分解樹脂
・オランダ応用科学研究機関(TNO)(NL)-Diels-Alder反応を利用した樹脂
・Connora Technologies (US)-Recyclamine®
・Adesso Advanced Materials (CN)-Cleavamine®
・Adesso Advanced Materials (CN), Connora Technologies (US)
・Connora Technologies (US), Aditya Birla Chemicals (TH)
・Mallinda (US) / Univ. Colorado Boulder (US)-新規ポリイミン
3.2.8 再利用技術
・Imperial College London (GB)-評価技術
・North Carolina State Univ. (US)-評価技術
・CFK Valley (DE)-航空機部品
・SGL ACF / BMW (DE)-自動車部品
・Triumph Composites Systems (US), Washington State Univ. (US)-航空機部品
・Steelhead (US), Vartega (US), Michelman (US)-圧力容器
・Composite Recycling Technology Center (US)-パドル
・Composite Recycling Technology Center (US)-ベンチ
・Composite Recycling Technology Center (US)-合板
・Composite Recycling Technology Center (US),ELG Carbon Fibre Ltd. (GB),Inst. for Advanced Composite Manufacturing Innovation (US)-シートバック
・Dell (US), SABIC (SA)-ノートPC筐体
・Boeing (US), ELG Carbon Fibre (GB)
・Adesso Advanced Materials Wuhu Co., Ltd. (CN)-自動車部品
・Vartega (US), Janicki Industries (US)-航空機部品
・Vartega (US), Janicki Industries (US)-航空機部品
・Composite Technology Center (DE),Airbus (FR)
・Alchemy Bicycle Co (US), Vartega Inc.(US)
・Fraunhofer ICT (DE)-電池セパレータ
・Vartega (US), Braskem (BR)-CF強化PP3Dフィラメント
・CarloRatti Associatti,Italo Rota (IT)-MAE Museum
・IPC/CReCoF (FR)-複合材料リサイクルガイドブック
4. 結言
(1) 結論
(2) 今後の技術課題
※ 適宜休憩が入ります。
セミナー講師
柴田 勝司 氏 溶解技術㈱ 代表取締役 博士(工学)
【講師経歴】
1980年 京都大学 工学部 合成化学科 卒業
1980年 日立化成工業㈱ 入社
1981年代~2014年 日立化成工業㈱の研究所に在籍
2014年 博士(工学)取得 熊本大学
2015年 日立化成㈱を定年退職
2016年 溶解技術㈱を設立
2019年4月 名古屋大学客員教授を兼任
【研究歴】
1980年代 プリント配線板用エポキシ樹脂
1990年代 エポキシ樹脂接着フィルム
2000年以降 熱硬化性樹脂複合材料リサイクル技術
【所属学会】
高分子学会、日本化学会
【共著書】
エポキシ樹脂技術協会編“総説エポキシ樹脂 最近の進歩Ⅰ”、第6章第1節”エポキシ樹脂複合材料のリサイクル技術”p.195-201 エポキシ樹脂技術協会 (2009)
セミナー受講料
55,000円(税込)
* 資料付
*メルマガ登録者 49,500円(税込)
*アカデミック価格 26,400円(税込)
★メルマガ会員特典
2名以上同時申込で申込者全員メルマガ会員登録をしていただいた場合、1名あたりの参加費がメルマガ会員価格の半額となります。
★ アカデミック価格
学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。申込みフォームに所属大学・大学院を記入のうえ、備考欄に「アカデミック価格希望」と記入してください。
受講について
- 本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
お申し込み前に、下記リンクから視聴環境をご確認ください。
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■ お申し込み後の流れ
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- 講師に了解を得た場合には資料をPDFで配布いたしますが、参加者のみのご利用に限定いたします。他の方への転送、WEBへの掲載などは固く禁じます。
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