エマルションの安定性を維持する乳化剤選定と乳化技術・安定性評価
☆ 数値やメカニズムなど、科学的根拠に基づく乳化剤の使いこなし方 (選択、組み合わせ、配合順序など)が学べる!
☆ さまざな保存温度によるエマルションの評価、加速試験の事例を紹介!
セミナー趣旨
乳化技術は化粧品をはじめ、食品、医薬品、トイレタリー製品、化学品等の広範囲な産業分野で注目されている基盤技術の一つであるといっても過言でない。これらの乳化製品の長期間の安定性を維持するためには、「乳化剤の選定」が極めて重要な役割を果たしている。しかし、この『乳化剤の選定』はとにかく、個人的な経験に依存しているため、任意性が大きく、課題解決に障害となる場合が見受けられる。 本講義では、乳化剤の機能の属性性に関わる指標値を駆使し、科学的な視点から、乳化剤の選択、乳化剤の組み合わせ方等の「乳化剤の使いこなし方」を基礎から学び実務に生かせる様に講義する。講義で用いた各指標値は単に乳化現象に留まらず、広く、洗浄、分散、可溶化等の界面現象に展開できる。今回は特に、研究者および生産現場でも同じ技術概念でコミュニケーションが図れる事を目的として、指標値に関わる算定式は出来るだけ簡便で、実用的かつ基礎研究にも十分に耐えるものを選定した。本講演が安定かつ高品質の製品の生産かつ、乳化製剤の効率的な開発の一助となれば幸いである。
セミナープログラム
1.講義の狙い
2.エマルションの調製・安定化における乳化剤の役割
2.1 「乳化メカニズム」のいろいろ
(1)自然界の自己乳化形態
(2)粘土物質による乳化形態
(3)微粒子を乳化剤とした乳化形態(Pickering Emulsion, 三相乳化)
(4)界面活性剤を乳化剤とした乳化形態
2.2 エマルション粒子における乳化剤の作用要因
3.エマルションの主な要素技術を支援するための指標値
4.溶液・分散系における物質/物質間の相溶性に対する指標値
5.界面活性剤剤(乳化剤)水溶液の物理化学的性質
5.1 界面活性剤の化学構造要因と機能・作用
5.2 界面活性剤の相挙動
5.3 界面活性剤水溶液の物理化学的性質
(1) クラフト点
(2) 曇点
(3) 吸着等温式
(4) 臨界ミセル濃度(cmc)とその作用因子
5.4 界面活性剤の化学構造要因と分子集合体
5.5 界面活性剤高濃度分散液の高次分子集合
6.HLB方式による乳化剤の選定およびその最適化針
6.1 HLB方式による乳化剤の選定法
6.2 油性基剤の所要HLB値および混合油性基材の所要HLB値の計算法
6.3 乳化剤のHLB値および混合乳化剤のHLB値の計算法
6.4 混合乳化剤による所要HLB値の最適化指針
7.拡張HLB値
7.1 乳化剤のHLB値の算定式の推移
7.2 Davies方式による乳化剤のHLB値の算定式
7.3 有機概念図法による界面活性剤の(親水性/疎水性)比の指標値の算出法
―(無機性値/有機性値)比(IOB値;Inorganic-Organic Balance)
7.4 小田式による界面活性剤のHLB値の算定式
7.5 混合界面活性剤の拡張HLB値の算定式
8.乳化技術
8.1 物理的(機械的)乳化方式
8.2 物理化学的乳化方式
(1) 油相混合―溶解度パラメータの活用
(2)Fedors式による溶解度パラメータの算出法
(3)乳化剤の添加方法
8・3 主な物理化学的乳化方式
(1)転相乳化法
(2)転相温度乳化法
(3)D相乳化法、
(4)ゲル乳化法
(5) 液晶乳化法
9.スケールアップ時の留意事項
(1)スケールアップの基本要素
(2)剪断力
(3)乳化時の機械力
(4)乳化時間の推定
10.低エネルギー乳化法
11.エマルションの安定性評価法
11.1 保存経日中に見られる主なエマルションの変化
(1)化学変化
(2)物理的変化
(3)微生物汚染
11.2 エマルションの不安定化過程
11.3 マルションの粒子径とクリーミング速度およびブラウン運動の変位
12.エマルション製剤の安定性評価の主な加速試験法
13.加速試験法の事例研究
13.1 画像解析法による経日安定性評価
13.2 光子相関法によるヘキサデカンエマルション粒子の合一速度
(1)原理
(2)合一速度定数のアレニウスプロット
13.3 [Q10値]評価法
14.エマルションのレオロジー的性質
15.おわりに
【質疑応答】
セミナー講師
ミルボン(株) 開発本部 開発顧問 理学博士 堀内照夫 氏
元 ライオン株式会社 研究開発本部
元 明星大学 総合理工学部 生命科学・化学系 非常勤講師
セミナー受講料
1名につき 55,000円(消費税込、資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき49,500円〕
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