接着制御・メカニズム解析の考え方と分析評価法 ~接着技術の開発とコントロール~

★接着,剥離の基本的な理解,表面・界面の解析アプローチ,問題解決の考え方
★樹脂/金属/無機物,接着対象に応じた分析手法の選び方と試験評価の進め方

セミナー趣旨

あらゆる分野で,接着技術は様々な用途,場面で用いられており,現代において必要不可欠なものの一つとなっています。
また,文字通りの接着はもちろん,メッキや塗膜などの膜形成も接着技術の応用であると言えます。
すなわち,材料特性や製品性能を左右するのが接着技術であり,接着技術を支配することはあらゆる分野の基盤技術であると言えます。
そして,その接着と表裏一体のものとして扱わなければならいのが剥離です。接着や剥離現象を制御するためには,
その表面や界面の状態や構造・特性を把握することが必要不可欠ですが,その重要度にもかかわらず,
表面や界面の真の姿を知ることは容易ではありません。
本講演では,接着・剥離のメカニズムとその制御の解説と共に,
それらに必要不可欠な分析,解析の方法を中心にして,事例も交えながら詳細に解説を行います。

受講対象・レベル

様々な分野において接着技術に関わる若手から中堅、管理者まで、R&Dを中心に、技術系人材

習得できる知識

・接着、剥離の基礎及びメカニズムモデルの理解
・接着、剥離解析のための分析、評価技術
・接着、剥離にかかわる問題解決の考え方
・接着、剥離にかかわる表面、界面の解析アプローチ

セミナープログラム

1.【接着に支配される現代社会】
  接着と現代技術の関係についてイントロダクションとして整理します。

2.【接着とは】
  接着とはそもそもどういうものかについて、粘着との相違も含めて解説します。

3.【接着を支配するもの】
  接着とはどのようにして実現されているのかについて、接着メカニズム、それに関わる物性や現象などについて、
  接着剤と接着様式も含めながら解説します。

  3.1 接着を生む力
  3.2 接着・剥離を支配するもの
  3.3 接着を支配するには
  3.4 表面が関わるその他の現象
  3.5 接着関与因子と評価法
  3.6 接着剤の種類
  3.7 接着様式

4.【接着・剥離解析の考え方】
  接着と一体のものとも言える剥離について、そのパターン、主な原因、対策アプローチについて解説します。

  4.1 接着解析の分類
  4.2 接着分析のパターン
  4.3 接着過程の解析
  4.4 剥離箇所の特定
  4.5 剥離原因の分類

5.【問題解決アプローチ】
  剥離に代表される接着における問題解決にどのように取り組むかについて解説します。

  5.1 問題解決のアプローチ
  5.2 剥離の観察
  5.3 剥離状態の解析
  5.4 代表的要因別アプローチ
  5.5 アプローチの例(位置、サイズ)
  5.6 複合要因の分離
  5.7 加速試験

6.【樹脂/金属の接着】
  接着の代表的パターンである樹脂と金属の接着について、その接着様式、前処理、不良発生要因について整理しながら解説します。

  6.1 金属/樹脂の接着パターン
  6.2 相互作用・反応の様式例
  6.3 金属基材の前処理
  6.4 接着不良要因

7.【不良解析】
  様々な接着における不良解析に対して、対策の考え方も含めてどのようにアプローチするかについて解説します。

  7.1 剥離解析ファーストステップ
  7.2 ファーストステップの観点
  7.3 界面剥離の場合
  7.4 界面剥離の場合
  7.5 層内剥離の場合
  7.6 接着不良の場合
  7.7 不良対策

8.【メカニズム解明】
   複雑かつ現実的には分かっていないことの方が多い接着剥離のメカニズムをどう取られるかについて解説します。

9.【ケーススタディー】
  代表的な事例として前処理、その中でもシランカップリング処理を中心にケーススタディとしてその解析アプローチについて解説します。

10.【前処理による接着強度の変化】
11.【シランカップリング反応】
  11.1 シランカップリング処理
    11.1.1 代表的な処理方法
    11.1.2 より複雑なシランカップリング処理
    11.1.3 処理条件
    11.1.4 条件と構造の多様性の例
    11.1.5 基材表面の解析
    11.1.6 反応の一般論
    11.1.7 加水分解と自己縮合
    11.1.8 複雑性の一例
    11.1.9 フィラー処理
  11.2 【視るべきポイント:シランカップリング反応】
  11.3【解析の難しさと障害:シランカップリング反応】
  11.4 【シランカップリング反応の解析とは言うけれど】
    11.4.1 反応解析のポイント
    11.4.2 反応率解析
  11.5【シランカップリング基材表面の解析法】

12.【今後の注目領域】
   日々進歩する接着の世界における、今求められていること、今後求められることについて紹介します。

13.【代表的分析手法の使用例】
   接着、剥離解析において用いられる代表的な分析手法について解説します。

  13.1 【X線光電子分光法による組成官能基評価】(XPS,ESCA)
  13.2 【オージェ電子分光法による界面評価】
  13.3 【EPMAによる表面処理の評価】
  13.4 【TOF-SIMSによる表面化学構造評価】
  13.5 【FTIRによる硬化挙動の解析】
  13.6 【SEM、TEMによる表面・界面の観察】
  13.7 【走査型プローブ顕微鏡による評価】
  13.8 【μ−TAによる評価】

14.【接着(剥離)強度評価】
15.【接着界面の分析】
   特に接着や剥離解析で重要となる界面分析について、様々な分析方法、その限界とこれを超えるアプローチについて解説します。

  15.1 接着における界面の重要性
  15.2 界面の形成、分類
  15.3 界面における課題
  15.4 界面分析のフェーズ
  15.5 イオンエッチング法
  15.6 XPSによる深さ方向分析(角度変化法)
  15.7 角度変化ATR法
  16.8 新しいアプローチ

16.【解析の実例】
  接着、剥離解析について、実例を用いながらどのように可視化かしていくかについて解説します。

  16.1 【In-situ測定】
  16.2 システム例 (FT-IR)
  16.3 FTIR (時間分解測定)
  16.4 粘弾性(レオメーター)
  16.5 熱分析(DSC)
  16.6 硬化時歪みの解析
  16.7 【PI/Cu/Si接着界面の解析】
  16.8 【接着前処理層の深さ方向分析】
  16.9 【UV表面処理による構造変化の深さ方向解析】 
  16.10【XPSによる紫外線照射PIの解析】
  16.11【気相化学修飾法】

17.【仮説思考による研究開発と問題解決】
   複雑で手強い接着、剥離解析において欠かすことのできない仮説思考について、問題解決視点で解説します。

  17.1 仮説モデルの構築
  17.2 目的→ゴール、そして、仮説
  17.3 仮説の証明と分析
  17.4 課題解決・研究開発とは
  17.5 接着の実現・剥離の解決
  17.6 見えているものが全てではない

【質疑応答】   

セミナー講師

ジャパン・リサーチ・ラボ 代表 博士(工学) 奥村 治樹 氏

  <略歴>
     大手化学メーカー勤務後,大手電機メーカーを経て現職

  <学会・公職>
    群馬大学 非常勤講師 ,大阪産業大学 非常勤講師
    接着学会 学術委員
    京都産業21 相談員 ,滋賀県産業支援プラザ 相談員
    知財管理技能士

    ※その他,接着・表面処理・分析技術に関する講演・執筆多数

セミナー受講料

1名につき55,000円(消費税込み,資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき49,500円〕

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※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、会場での支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂加工/成形   分析・環境化学

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