セミナー趣旨
昨今相次ぐ従業員の不正・不祥事に対するリスクマネジメントとして、企業が何らかの対応を講じようとする時、 その前提としての客観的事実関係の解明・把握は必要不可欠であり、そのための『社内調査』は非常に重要な意味を有しているといえます。
しかし一方で、いざ調査を実施しようという場面になると、対象者の非協力や口裏合わせ、証拠の隠滅・散逸などに直面し、一筋縄では行かないのもまた事実です。
本講座では、社内調査の初動段階で押さえておくべきポイントや、実際の調査過程で想定されうる様々な課題への対応策を考察しながら、対象者の事情聴取、収集したデータや資料の分析・検証など“社内調査の具体的進め方(=証拠化へのプロセス)”について、法的留意点や事例も交えながら実践的に解説していきます。
受講対象・レベル
監査部門、リスクマネジメント部門、コンプライアンス部門、法務部門、人事部門。総務部門など関連部門のご担当者様
セミナープログラム
Ⅰ.社内調査とは何か
(1)典型的な社内調査の例(犯罪行為、不適切な行為)
(2)典型的な「社内調査」とは少し異なる例(会社ぐるみの犯罪など)
(3)社内調査とは何か(定義)
(4)社内調査の目的(そもそも何のための社内調査か)
(5)まとめ
Ⅱ.社内調査を開始するに当たって
(1)社内調査の実施部署(調査チームの編成)
(2)社内調査スケジュールの検討(時期、回数・時間、求める証拠の範囲、収集方法など)
Ⅲ.社内調査において直面する課題とその対応
(1)会社に認められた社内調査の権限について
(2)否認
(3)口裏合わせ
(4)証拠の隠滅
・メールの送受信記録、添付ファイル、個人使用のパソコン上のデータ、会社のサーバー上のデータ、携帯電話の記録、など
・データの削除等が、犯罪行為、社内規定に違反する行為に該当するか
(5)社外に対する調査
・社外調査の可否、秘密保持に関する注意事項
Ⅳ.社内調査の具体的な進め方
(1)調査対象者に対する事情聴取
・念頭に置くべきポイント ・専門家(弁護士)への依頼
・証拠化の方法、録音による証拠化の是非 ・供述の真偽の見極め、それを確かめるための補充調査
・他の従業員に対する事情聴取、など
(2)パソコンのデータの解析
・特定文書へのアクセス、ダウンロード、インターネットの閲覧履歴
・外部メディアへのコピーの有無と記録メディアの特定
・削除されたメールの復元、など
Ⅴ.社内調査の結果を踏まえた対応
(1)社員に対する処分
(2)社内外に対する事実の公表
・隠ぺいとならないか、関係省庁への報告、報道発表の失敗など
(3)再発防止策一般
※申込状況により、開催中止となる場合がございます。
※講師・主催者とご同業の方のご参加はお断りする場合がございます。
※録音、録画・撮影はご遠慮ください。
セミナー講師
西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 パートナー/弁護士 梅林啓 氏
1989年東京大学法学部卒業。1991年検事任官。東京地検特捜部検事ほか、各地方検察庁において、犯罪捜査・公判等の検察実務に従事。法務省刑事局では主として刑事関連の国際条約の起草作業に関与。在イギリス日本国大使館一等書記官(外務省出向)、内閣官房副長官秘書官等を歴任、2007年2月検事退官後、弁護士登録。同年3月西村あさひ法律事務所(現 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業)入所。2010年1月よりパートナー。
現在は主に一般企業法務、コンプライアンス、企業不祥事にかかる危機管理案件などに取り組む一方、「社内調査の進め方」「従業員不祥事の早期発見・抑止」などコンプライアンス関連のセミナー講師を多数務め、現場での経験を踏まえた臨場感溢れる講演として定評がある。
日本経済新聞2012年6月13日経済教室「技術流出、どう防ぐ(下)情報保護法制の整備急げ」ほか、コンプライアンス・危機管理関連の論文も多数執筆。
セミナー受講料
受講料(1名につき)
会員 38,500円(本体 35,000円) 一般 41,800円(本体 38,000円)
※会員価格適用については、企業研究会会員が対象となります。
(所属先の会員登録有無がわからない場合、お申込みの際に備考欄へ「会員登録確認希望」とご記入ください。)
※最少催行人数に満たない場合には、開催を中止させて頂く場合がございます。
※お申込後のキャンセルは原則としてお受けしかねます。お申込者がご出席いただけない際は、代理の方のご出席をお願い申し上げます。
受講について
【オンライン受講の方】
視聴用アカウント・セミナー資料は、原則として開催1営業日前までにメールでお送りいたします。
※最新事例を用いて作成する等の理由により、資料送付が直前になる場合がございます。
【会場受講の方】
お申込完了後、自動返信メールにて受講票をお送りいたします。
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