~新たな無機/ポリマー系ナノコンポジット設計概念の確立~

■各種ポリマー系ナノコンポジットの調製事例、シリカフィラー表面の疎水化処理、処理をしないでポリマー中に分散させるテクニック・ノウハウ
■フィラー/ポリマー界面がコンポジットの材料特性に与える影響
■発現する特性に及ぼす親水性シリカナノフィラーの役割
■コンポジット技術のブレークスルーのための材料設計方針

 

日時

ライブ配信】 2024年10月30日(水)  13:00~16:30
アーカイブ配信】 2024年11月14日(木)  まで受付(視聴期間:11/14~11/27)
  受講可能な形式:【ライブ配信】or【アーカイブ配信】のみ 

セミナー趣旨

ポリマー材料との複合化に用いる無機ナノ粒子は安価な増量材としての役割だけでなく、近年ではポリマーの特性向上や新機能の付与のための添加剤(フィラー)として注目されている。とりわけnm寸法の無機ナノフィラーを高分散状態でポリマーと複合化したナノコンポジットは、力学特性や熱物性をはじめ優れた特性発現が期待される。
ただし、望まれる特性を発現させるには、フィラーとしての無機ナノ粒子の十分な理解と適切な材料選択が必要となるほか、ポリマーの種類に合わせた分散性の均質化、フィラー/ポリマー界面制御、ポリマーとの混合・混練技術といった多岐にわたる知見が必要となる。これらの技術は一部複合材料で実用化されているものの、一般には製品の安定的な製造や信頼性の高い材料品質の確保が経験則に基づいて推し進められている場合も多い。したがって、ポリマー系ナノコンポジット開発における品質と生産性の両立に向けて最小のコストで最大の効果を狙うには、経験と理論のバランスのとれた的確なアプローチが必要となる。
本セミナーでは、大学でこの分野の基礎研究を実験と数値シミュレーションの両輪で推進している講師の経験を通して、上記の技術を系統的かつ学術的に理論づけした実務への活用のきっかけに繋がる内容を、代表的なシリカを中心に様々な無機ナノフィラーの取り扱い事例を紹介しつつ講演する。具合的には、従来型コンポジットの紹介に加え、講師が研究開発しているシリカナノフィラーの表面改質処理を必要としない新しいポリマー系ナノコンポジットに関する簡易調製技術やそのノウハウとキーポイント、さらにはポリマー系コンポジットとしての優れた材料特性の発現における無機ナノフィラーの役割・効果について、実験結果とシミュレーション解析結果に基づき分かりやすく解説する。

習得できる知識

・各種ポリマー系ナノコンポジットの調製事例
・シリカフィラー表面の疎水化処理ならびにこの処理を用いずにポリマー中に分散させるテクニック・ノウハウ
・フィラー/ポリマー界面がコンポジットの材料特性に与える影響・発現する特性に及ぼす親水性シリカナノフィラーの役割
・コンポジット技術のブレークスルーのための材料設計方針

セミナープログラム

1.無機ナノフィラーの基礎(シリカを中心として)
 1-1 ナノフィラーの基本物性
 1-2 無機微粒子の分散安定性
 1-3 無機微粒子の分散・凝集制御の理論と実際
  1-3-1 無機微粒子の分散・凝集制御理論
  1-3-2 無機ナノフィラーの表面改質技術
  1-3-3 無機ナノフィラー分散・充填ポリマー系ナノコンポジットの従来型調製法と代表的特性

2.無機ナノフィラーの表面改質処理を用いない新規なポリマー系ナノコンポジットの簡易調製法
 2-1 無機ナノフィラーのポリマー中への高分散のキーポイント
 2-2 親水性ナノシリカを事例とした本調製法にて使用する無機ナノフィラー粉体の特徴
 2-3 親水性ナノシリカをフィラーとした熱可塑性・熱硬化性ポリマー系ナノコンポジットの各論
  2-3-1 シリカ/フッ素樹脂系
  2-3-2 シリカ/エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂系
  2-3-3 シリカ/ポリスチレン系
  2-3-4 シリカ/ポリプロピレン系
  2-3-5 シリカ/高密度ポリエチレン系
  2-3-6 シリカ/アクリル樹脂系
  2-3-7 シリカ/ポリカーボネート系
  2-3-8 シリカ/エポキシ樹脂系
 2-4 異種ナノ粒子複合フィラーの活用技術
 2-5 ポリマー母相中でのナノフィラー導入位置制御を施したコンポジット膜の微視構造デザインと調製事例

3.無機ナノフィラーの分散がポリマー系ナノコンポジットの諸特性に及ぼす影響・効果と材料設計のポイント
 3-1 実測結果と数値シミュレーションに基づく力学特性制御
  3-1-1 引張特性とその向上のためのナノコンポジット設計のポイント
  3-1-2 耐衝撃特性とその向上のためのナノコンポジット設計のポイント
  3-1-3 シリカと異種粒子の複合フィラーによるポリマーの硬さ・強さと耐衝撃性の両立実現の取り組み事例
 3-2 実測結果と数値シミュレーションに基づく熱物性制御
  3-2-1 シリカ/エポキシ樹脂系ナノコンポジットの線熱膨張率・耐熱性
  3-2-2 窒化ホウ素と酸化物のナノ粒子複合フィラー充填エポキシ樹脂系コンポジットの熱伝導率と微視構造の関係
 3-3 光学特性制御

質疑応答

セミナー講師

富山県立大学 工学部 機械システム工学科 教授 博士(工学) 棚橋 満 氏

略歴
1994年3月 名古屋大学 工学部 材料機能工学科 卒業
1996年3月 名古屋大学 大学院工学研究科 博士課程前期課程修了
1999年3月 名古屋大学 大学院工学研究科 博士課程後期課程修了(博士学位取得)
1999年4月 名古屋大学 大学院工学研究科 助手
2007年4月 名古屋大学 大学院工学研究科 助教
2010年2月 名古屋大学 大学院工学研究科 講師
2018年4月 富山県立大学 工学部 機械システム工学科 准教授

専門
界面物理化学、微粒子分散・凝集制御、フィラー/樹脂系ナノコンポジット

研究・業務
フィラー研究会運営委員(2015年~)
日本学術振興会素材プロセシング第69委員会委員(2020年~)

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49,500円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

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開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   複合材料・界面技術

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