リザバー・コンピューティングの理論や基礎知識から、脳型ハードウェア・ニューロモルフィックデバイス等最近の進展状況まで!
セミナー趣旨
近年、ビッグ・データ時代の幕開けとともに認知コンピューティングへの関心が高まっています。特にクラウドのみならず、エッジから発生するビッグ・データに対し、分類や識別、予測と言った認知処理をいかに効率よく行うかが産業競争力を左右すると考えられています。そこで、近年注目されているのが、深層学習に代表されるニューラル・ネットワークなどの機械学習処理です。本講演では、認知コンピューティングの有力な手法である、ニューラル・ネットワークの基礎からはじめ、再帰的ニューラル・ネットワークの新たなアーキテクチャーとして注目されているリザバー・コンピューティングの理論について詳しく解説いたします。
リザバー・コンピューティングは通常の再帰ニューラル・ネットワークや深層学習と比較してモデルの構造が簡略化されているため、学習時や動作時(推論時)のコストが著しく低いという特徴があります。さらに大規模機械学習モデルと比較して少量のデータでリアルタイム学習を高精度に実現することが可能であり、運用も容易なことから、クラウドだけでなくエッジも含めた幅広い分野への応用が期待されています。
一方、機械学習を実行するプラットフォームにおいては、従来の汎用プロセッサとソフトウェアによるニューラル・ネットワークの実装は半導体技術の限界に伴い十分な処理効率が得られない場合もあり、大きな壁にぶつかりつつあります。そこで、従来のソフトウェア処理に代わる、ニューロモルフィック・コンピューティングと呼ばれるニューラル・ネットワークの処理に特化したデバイスの研究が盛んに行われております。リザバー・コンピューティングもこれらのデバイスによって実装することで十分な処理効率が期待できます。
また近年、リザバー・コンピューティングはニューラル・ネットワークを直接用いることなく、非線形素子により実行が可能であることがわかってきました。このように、リザバー・コンピューティングに対しては様々な物理系のダイナミクスをリザバーとして直接利用する実装技術が多数提案されています。これにより、アルゴリズムだけでなくデバイスの観点からも、物理系のもつ高速性や低消費電力性を活かした実装が可能です。
本講演ではニューラルネットワーク・機械学習の基礎から始め、リザバー・コンピューティングの機械学習アルゴリズムとしての特徴と機械学習デバイス実装、IoTエッジ・コンピューティングなどの次世代ITシステムへの応用について解説します。
受講対象・レベル
・機械学習や人工ニューラル・ネットワークに関心のある方、特にリザバー・コンピューティングについて学習したい方。
・脳型のデバイスの最近の動向、特に物理リザバー・コンピューティングの最近の進展と応用について関心のある方。
習得できる知識
・人工ニューラルネットワーク、特にリザバー・コンピューティングに関する知識。
・脳型ハードウェア、特に物理リザバー・コンピューティングとその応用についての知識。
セミナープログラム
1.はじめに:ビッグデータ時代と認知コンピューティング
2.機械学習と人工ニューラルネットワークの基礎
2.1 機械学習と人工ニューラルネットワークの歴史
2.2 代表的な機械学習手法
2.3 代表的なニューラルネットワーク
3.リザバー・コンピューティングの仕組み・特徴
3.1 リザバー・コンピューティングの構成・アルゴリズム
3.1.1 Echo State Network
3.1.2 Liquid State Machine
3.2 機械学習モデルとしてのリザバー・コンピューティング
3.2.1 転移学習・マルチタスク学習
3.2.2 AI基盤モデル
3.3 リザバー・コンピューティングのライブラリ実装
3.4 性能向上のための考慮点
3.5 代表的なベンチマークタスク
4.ニューロモルフィック・デバイスの構造・特徴とその性能
4.1 従来型のコンピューティングの限界
4.2 デジタルAIハードウェア
4.2.1 SpiNNaker
4.2.2 IBM TrueNorth, NorthPole
4.3 アナログAIハードウェア
4.3.1 Analog Memristive Device
4.3.2 Photonic Neuromorphic Device
5.物理リザバー・コンピューティング
5.1 電気系(FPGA、アナログ電気回路)
5.2 光系(面発光レーザ、半導体光増幅器)
5.3 磁気系(磁性薄膜)
5.4 機械系(MEMS)
5.5 化学系(DNA)
5.6 量子系 (量子スピン)
5.7 既存技術の再利用
5.8 ニューロモルフィック・デバイスとリザバー・コンピューティング
5.9 数理モデルから物理系へ
6.リザバー・コンピューティングの産業応用とその性能要件
6.1 音声認識
6.2 画像認識
6.3 ロボット制御
6.4 IoTとエッジ・コンピューティング
7.まとめ・参考文献
<質疑応答>
セミナー講師
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所 専任研究員 工学博士 山根 敏志 氏
セミナー受講料
【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です
開催日時
12:30 ~
受講料
41,800円(税込)/人
※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます
※銀行振込、コンビニ払い
開催場所
全国
主催者
キーワード
機械学習・ディープラーニング ソフトウェア開発 ハードウェア
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キーワード
機械学習・ディープラーニング ソフトウェア開発 ハードウェア関連セミナー
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