有機/金属・無機界面のメカニズム-密着性・機能発現の要因-
構成
発刊日 2006年10月31日 体裁 B5判上製本 353頁
制作
価格
66,000円 (税抜 60,000円) 1点 在庫あり
商品説明
発刊にあたって
三刀 基郷 大阪市立大学
市村 博司 神奈川工科大学
田坂 茂 静岡大学
長尾 敏光 奥野製薬工業(株)
前田 重義 (株)日鉄技術情報センター
奥村 治樹 (株)東レリサーチセンター
上野 信雄 千葉大学
榎 学 東京大学
岩森 暁 金沢大学
山西 敬亮 日鉱金属(株)
縄舟 秀美 甲南大学
赤松 謙祐 甲南大学
池田 慎吾 甲南大学
大坪 英二 三井化学(株)
平石 克文 新日鐵化学(株)
岸本 喜久雄 東京工業大学
大宮 正毅 東京工業大学
中東 孝浩 日本アイ・ティ・エフ(株)
宮前 孝行 産業技術総合研究所
岩下 寛之 東洋鋼鈑(株)
小川 俊夫 金沢工業大学
田部井 雅利 (株)アルバック
飯田 隆文 ナガセケムテックス(株)
中谷 直人 日本アビオニクス(株)
光石 一太 岡山県工業技術センター
原賀 康介 三菱電機(株)
内容紹介
第1章 有機/金属・無機物の接着接合機構
1. 界面の結合理論
1.1 機械的結合説
1.2 化学結合説
1.3 分子間力説
1.4 静電気説
1.5 拡散説
2. 界面の相互作用力を阻害するもの
2.1 Weak Boundary Layer(WBL)
2.2 WBLの除去
第2章 密着力と複合硬度
1. スクラッチ密着力
2. 硬度
2.1 複合硬度から薄膜硬度の分離
3. 密着力と硬度の関係
第3章 金属・極性高分子界面の熱的性質
1. アルミニウム金属と高分子界面の状態
2. 熱分析による高分子金属界面の分析
2.1 表面DSC
2.2 金属・高分子界面のDSC
3. 誘電率の温度依存性
4. TSCと焦電率
5. 金属・高分子界面の構造
第4章 樹脂/めっきの結合状態および応力と密着性の要因
1. 樹脂/めっきの密着機構
1.1 アンカー効果による密着機構
1.2 化学的結合による密着機構
1.3 併用効果による密着機構
2. 樹脂上のめっき皮膜の応力
第5章 樹脂/金属・金属酸化膜の化学結合と酸塩基反応
1. ポリシロキサンと鋼板の接着界面
2. 金属蒸着高分子膜(樹脂)の界面反応
2.1 極性高分子における電荷移動
2.2 金属蒸着ポリイミド゛樹脂における界面反応
3. 樹脂ワニス塗布による金属接着界面
3.1 ポリイミド゛膜形成/Al板における非破壊分析
3.2 エポキシ樹脂と金属表面の接着機構
3.2.1 エポキシモデル物質によるIn-situ解析
3.2.2 市販エポキシ接着剤による剥離界面解析
4. 接着における酸塩基理論
第6章 有機/金属・無機界面の目的別分析法
1. 接着因子と主な評価技術
1.1 密着力評価
1.2 接着前表面、剥離面の評価
1.3 接着状態での界面の評価
1.4 従来の深さ方向分析法とその問題点
第7章 有機薄膜表面・界面の電子状態の基礎
1. 有機固体・薄膜の電子状態の一般的特徴と基本的事項
1.1 有機固体・薄膜の電子状態の一般的特徴
1.2 仕事関数、フェルミ準位、真空準位、最小イオン化エネルギー
1.3 物質間界面での電子エネルギー準位、波動関数の重要性
2. 表面・界面の電子状態の測定
2.1 有機薄膜の紫外光電子分光法(UPS)
2.2 有機薄膜のメタステーブル原子電子分光(MAES)
3. 測定例
3.1 有機分子線蒸着膜
3.1.1 単分子膜の形成
3.1.2 有機薄膜の価電子状態とその膜厚依存性
3.1.3 ダイポールナノテクノロジー:界面双極子の真の影響
3.2 ウェットプロセスで作製された有機薄膜表面:高分子薄膜の最表面
3.2.1 これまでの問題点
3.2.2 ポリスチレンスピンキャスト薄膜表面の洗浄性と最表面構造
第8章 Si/有機薄膜界面の密着性評価
1. 試料
1.1 Si/有機薄膜界面試験片
1.2 Si/SiO2/有機薄膜界面試験片
2. 界面破壊靱性値の測定
2.1 四点曲げ試験
2.2 二重片持ちばり試験
3. はく離経路の観察
3.1 SEM観察
3.2 ESCA分析
4. 結果および考察
4.1 荷重−変位曲線
4.2 はく離経路の同定
4.3 界面破壊靱性値の評価
4.3.1 界面破壊靱性値
4.3.2 き裂閉口応力の導出
4.3.3 楕円近似による破壊のクライテリオンの導出
第9章 金属/有機薄膜の表面・界面状態と密着強度評価
1. スピンコート法により作製したPTFE薄膜
2. 真空蒸着法により作製したPTFE真空蒸着膜
3. 高周波スパッタリングにより作製したPTFE薄膜
第10章 圧延・電解銅箔と樹脂の密着性要因とその評価
1. プリント配線板用材料
1.1 銅箔
1.1.1 電解銅箔
1.1.2 圧延銅箔
1.2 絶縁材料
1.2.1 リジッド基板用絶縁材料
1.2.2 フレキシブル基板用絶縁材料
2. プリント配線板における導体の密着性
2.1 測定方法(引き剥がし強さ)
2.2 引き剥がし強さのメカニズム(弾性理論)
2.3 測定条件の影響
2.4 銅箔の影響
2.4.1 厚み
2.4.2 表面粗さ
2.5 樹脂の影響
2.5.1 温度による影響
2.5.2 樹脂の材質による影響
2.6 破壊モード
3. プリント基板製造プロセスが密着性に与える影響
3.1 耐熱性
3.2 耐薬品性
4. 密着性向上の手段
4.1 粗さの影響
4.2 金属種の影響
4.3 カップリング剤
第11章 銅/ポリイミドの密着機構
1. ポリイミド樹脂の表面改質および銅イオンの吸着
2. グラニュラ層の形成
2.1 水素化ホウ素ナトリウム水溶液による銅イオンの還元
2.2 ジメチルアミンボラン水溶液による銅イオンの還元
3. 銅薄膜の密着機構
第12章 キャスト法、ラミネート法による銅/ポリイミド界面の状態と密着性
1. キャスト法、ラミネート法2層CCLの接着性能
1.1 接着性能の考え方
1.2 接着力発現の要素
1.2.1 ポリイミドの流動性
1.2.2 銅箔種、銅箔厚さ、および銅箔表面処理の依存性
1.2.3 ポリイミドと金属の化学的相互作用
第13章 スパッタリングによる銅/ポリイミド界面の状態と密着性
1. スパッタリングによりPIフィルム上に形成した銅薄膜
2. PIをターゲットとしてスパッタリングにより銅基板上に形成した薄膜
第14章 LCP−CCLの開発動向
1. 概要
2. 高周波電気特性
2.1 誘電特性
2.2 伝送特性評価
3. 回路基板一般特性
3.1 低吸湿性
3.2 低粗度銅箔との高い接着力
3.3 耐屈曲性
3.4 鉛フリーはんだ耐熱性
3.5 放熱特性
4. ビアホール・スルーホール加工性
5. 多層基板への適用例
第15章 PET/セラミックス薄膜(ITO)の界面付着強度
1. マルチステージピール試験法
1.1 供試材
1.2 実験装置
2. はく離試験による界面付着強度評価法
2.1 エネルギバランスによる界面付着強度評価
2.2 PET/ITOフィルムの界面付着強度
3. 引張応力下におけるぜい性薄膜層の破損・破壊過程観察
3.1 PET/ITO複合フィルムの引張試験
3.2 ぜい性薄膜層の破損・破壊過程の観察結果
第16章 PET/DLC界面の状態と密着性
1. 有害化学物質に関連する主な規制
2. DLCの特徴
3. プラスチック等高分子材料へのフレキシブルDLCの適応と問題解決手法
4. 成膜装置および処理方法
5. 実験結果
5.1 摩擦係数
5.2 摩耗特性
5.3 膜硬度
5.4 電気抵抗
5.5 ガスバリア性
5.6 密着性
6. PET/DLC界面の状態と密着性を得る手法
6.1 樹脂とDLC界面の状態基材の前処理
6.2 中間層
6.3 摺動仕様の膜形態
6.4 ガスバリア仕様の膜形態
第17章 和周波発生法を用いた酸化物/高分子界面状態の評価
—酸化物/PMMA、PET界面の構造と密着性—
1. SFG発生の原理と特徴
2. 測定装置の概要
3. SiO2/PMMA樹脂界面
4. SiO2、TiO2/二軸延伸PET
5. AlOx/PET界面構造
第18章 PETラミネート鋼板におけるフィルム密着性
1. ラミネートフィルムの密着性
2. ラミネートフィルムの特性制御
3. ラミネートプロセスの高効率化
第19章 ポレオレフィン/金属界面の状態と密着性
1. 表面処理による官能基付与
2. ポリエチレン(LDPE)とアルミニウム(Al)
3. シランカップリング剤を使用したポリマー/Al界面
4. その他の接着改善例
第20章プラスチック/光学薄膜界面の状態と密着性 -プラスチック基板への光学薄膜コーティング技術-
1. ディスプレイ用フイルム基板
2. 光学用プラスチック基板の特性
3. 光学薄膜の形成
4. メタモードスパッタリングプロセス
5. 光学薄膜コーティングの実例
6. 界面の状態と密着性
第21章 エポキシ樹脂/無機・金属の結合機構と密着性
1. シランカップリング剤の配合による接着性向上
1.1 評価方法
1.2 評価結果
1.2.1 シランカップリング剤の配合によるTg及び剥離接着強度への影響
1.2.2 シランカップリング剤の配合による耐久接着性への影響
2. VUVオゾン表面処理による接着性向上
2.1 評価方法
2.2 評価結果
2.2.1 エキシマVUV照射時間による影響
2.2.2 各温度でのSUSと無アルカリガラスの接着性への影響
2.2.3 各温度でのITO膜と無アルカリガラスの接着性への影響
2.2.4 XPSによる被着材表面の解析
第22章 電子部品実装分野における接着剤併用超音波接合技術
1. 多ピン超音波フリップチップ実装技術の現状
2. 超音波接合の基礎
2.1 凝着
2.2 塑性変形
2.3 摩擦
3. 接着剤併用超音波接合技術
3.1 超音波接合装置(フリップチップボンダ)
3.2 樹脂硬化技術
4. 多ピン超音波フリップチップ実装への応用
第23章 フィラー充填複合材料における樹脂/フィラー界面の結合機構
1. カップリング剤の作用機構
1.1 無機物との作用機構
1.2 樹脂との作用機構
1.3 カップリング処理フィラーの特性評価
2. フィラー表面の水の影響
3. フィラーへのカップリング剤の固着性
4. 樹脂中へのフィラーの高充填化
5. 物理吸着シラン剤の弊害
6. プライマーとしてのシラン剤の応用技術
7. 金属不純物の影響
8. フィラー充填複合材料の耐熱水性
第24章 接着接合の信頼性と耐久性
1. 理想的な接着状態とは
2. 接着接合における劣化の要因
2.1 熱
2.2 ヒートサイクル、ヒートショック
2.3 水分
2.4 継続荷重(クリープ)
2.5 繰り返し荷重(疲労)
2.5.1 疲労耐久性の評価方法
2.5.2 接着の疲労特性に影響を及ぼす因子
3. 長期劣化の予測法
3.1 長期熱劣化の予測法
3.2 長期耐湿劣化、屋外暴露劣化の推定法
3.2.1 アレニウス法による推定
3.2.2 吸水率分布からの推定
3.3 長期クリープ耐久性の予測方法
3.3.1 温度-時間換算による方法
3.3.2 Larson-Millerのマスターカーブ法
3.4 疲労寿命の求め方
4. 製品の耐用年数経過後の安全率の定量化法
4.1 耐用年数経過後の安全率の算出法
4.2 耐用年数経過後の安全率の裕度の評価事例
4.3 安全率の裕度の再配分