自動車パワートレーンの電動化/省燃費技術/環境規制の今後の動向
構成
B5判並製本 152頁
価格
55,000円 (税抜 50,000円) 1点 在庫あり
商品説明
自動車パワートレーンの電動化/省燃費技術/環境規制の今後の動向
~自動車パワートレーンの電動化(48V,PHEV,EV等)技術を俯瞰する~
~今後の地球環境規制の動向や主要国のEV化の方針~
~主要カーメーカーの今後の電動化戦略の最新情報~
~2050年を見据えた今後の自動車のパワートレーン分野の動力源別ロードマップ~
~省燃費技術の今後の動向~
【※本書はセミナー講演録から、加筆修正を加えて書籍化いたしました。】
発刊日 2019年8月29日
✔EV化や自動運転等の大きな変革の波、異業種会社の参入、100年ぶりの大変革の時期に対処する!
✔自動車の心臓部、パワトレ周辺技術の現状と今後の流れを、俯瞰し把握する!
✔自動車業界、自動車関連会社にとっての今後のビジネス展開へ。
最近、「100年に一度の変革期」、「CASE」や「MaaS」(Mobility as a Service)という言葉を、メディアでよく見聞きするようになっているかと思うが、その「CASE」(コネクティッドカー、自動運転、シェアリング、サービス、電動化)という4つの新しい技術の潮流が自動車産業に押し寄せてきていて、従来の自動車会社も現在のビジネス形態を見直す動きが出始めている。
この4つの新技術はお互いに関連が深く、そのうち電動車(特にEV)は従来のエンジン車に比べて、主に電気モーターで車を動かすため、制御の応答性の良さや低速域での高トルクのため、自動運転との親和性が高いと言われていたり、更に短距離移動が主なシェアリングサービス(MaaSの先駆的なビジネス)の場合、ランニングコストが少ない電動車(特にEV)は最適であり、今後自動運転車やシェアリングサービス車にも電動車が多く使われていくと予測される。
更に昨今は地球環境保護が強く叫ばれており、地球温暖化に大きな影響を及ぼす車のCO2排出量の削減規制がグローバルに進んできており、今後増々規制が厳しくなっていく。本来は地球温暖化対策としては、燃料や電力を造りだす段階に発生するCO2量から、車の排出CO2量までのWell to WheelでのトータルなCO2量を削減していくことが必要であるが、現在は車の排出CO2量削減規制が先行して進んでおり、規制をクリヤーするために車の電動化が急速に進んでいくと予測される。
本書では、電動化の大きな流れの背景である環境規制の動向や各国の今後の電動化政策の動向に始まり、車からの排出CO2量と密接に関係する内燃機関の熱効率向上技術や、車の軽量化技術、更には将来を見据えたパワートレーンの動力源ロードマップ、各電動化技術(HEV、PHEV、BEV(一般に言われる電気自動車)、FCV(燃料電池車)等)の特徴と動向、更にEV化で影響を受ける既存製品や新たに今後注目される新製品動向や、今後の電動化普及のキーとなる次世代電池の最新技術動向について、わかりやすく解説する。
発刊にあたって
著者
K&Kテクノリサーチ 代表 加藤 克司 氏
【元・(株)デンソー パワートレーン制御開発部 室長】
<経歴>
1973年 (株)デンソー(旧名;日本電装)入社。
主にエンジンを中心とするパワートレーンシステム/製品の開発(排ガス対策、省燃費技術)を担当。
その後、パワートレーンシステム開発課長~室長として、多数の国内及び海外(欧州やアジア系)数社のカーメーカー向けのパワートレーンシステム/製品(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ハイブリッドシステム、トランスミッション)の開発/設計や拡販活動を経験。
2008年 タイのデンソーテクニカルセンター(T/C)の初代センター長としてタイに駐在し、パワートレーン以外の他の分野も経験しながら、T/Cの立ち上げに貢献。
2011年 その後帰国し、新興国向け全社プロジェクトで、パワートレーン関係のリーダーを経験。
約4年前にデンソーを退職後、K&Kテクノリサーチ代表として、今までの経験や知見を活かしながら国内外でパワートレーンの電動化、省燃費技術、自動運転技術に関する講演会の講師や執筆活動や、複数の会社でのコンサルタントとしても活躍中。
内容紹介
目次
第1章 自動車に関係する主要国の環境規制
(排ガス、CO2規制、ZEV規制、RDE規制)
今後の動向と各国の電動化政策の最新動向
【※この章では、世界の主要国の排ガス、燃費規制動向や、最近ディーゼルの排ガス不正問題に関係した新たな排ガス規制や、主要国における今後の電動化の政策や動向について解説します。】
1. 自動車を取り巻く環境変化と課題
2. 自動車の排ガスの種類
3. 各国の排ガス規制動向
4. 排ガス規制値の日欧米のレベル比較
5. 排ガス認証試験法
6. 自動車試験法
7. RED(Real Driving Emission)規制
8. カリフォルニア州のZEV(Zero Emission Vehicle)規制
9. 中国のNEV(New Energy Vehicle)規制
10. 各国の燃費規制動向(乗用車市場)
11. 各国の最新動向
第2章 パワートレーンの省燃費技術(熱効率向上)、軽量化素材の最新及び今後の動向
【※この章では、過給ダウンサイジング、アトキンソンサイクル等の現在の熱効率向上技術、可変圧縮比エンジンやSPCCI等の最新技術の特徴、将来の熱効率向上のロードマップ、今後注目される軽量化素材について解説します。】
1. 自動車用動力源の分類
2. ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特徴の比較
3. 最新の燃費向上技術(熱効率向上技術と軽量化素材)の動向
4. 高膨張比サイクル(アトキンソンサイクル/ミラーサイクル)
5. クールドEGRシステム
6. 可変動弁系バルブタイミング制御システム(Variable Valve Timing)
7. アイドルストップシステム
8. 今後の燃費向上技術の動向
9. 自動車の軽量化素材における今後の動向
10. 今後の自動車の各素材シェア予測及びマグネシウムの地金の世界需要予測
11. 熱硬化性/熱可塑性CFRPの特徴と動向
12. セルロースナノファイバー(CNF)の自動車用途としての取り組み
第3章 自動車パワートレーンの今後の動力源別ロードマップと動力源別のWell to Wheel CO2量比較
【※この章では、化石燃料を使った内燃機関中心の現在から将来どのような総力源(HEV、PHEV、BEVのような電動化や代替燃料の動向、各動力源別のWell to Wheel CO2の比較について解説します。】
1. 世界のパワートレーン別台数予測
2. 今後のEV展開予測
3. 今後の動力源別Well to Wheel(W-t-W) CO2量の動向
4. MaaSと自動運転による販売台数への影響予測
5. 今後のパワートレーン別ロードマップ(まとめ)
第4章 パワートレーンの電動化技術の特徴と主要カーメーカーの電動化戦略
【※この章では、48VMHEV、FHEV、PHEV、BEV(電気自動車)、レンジエクステンダーEV、FCV(燃料電池車)等の特徴と今後の動向、及び主要メーカーの最新の電動化戦略について解説します。】
1. パワートレーン動力別の電動車の種類
2. 各ハイブリッドシステムの詳細
3. フルハイブリッド車(FHEV)の種類①:シリーズ方式
4. フルハイブリッド車(FHEV)の種類②:パラレル/シリーズ・パラレル方式
5. プラグインハイブリッド(PHV)
6. 二次電池搭載の電気自動車(BEV)
7. 世界の充電規格の種類と普及状況
8. レンジエクステンダーEV(BEVx)
9. 燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)
10. 主な国内のカーメーカーの今後の電動化戦略の最新情報
11. 海外のカーメーカーの電動化戦略
12. 主要サプライヤーのEV及び電動化戦略
第5章 EV化で影響を受ける既存製品や新たに注目される新製品
【※この章では、EV化が進んでいくと、大きく影響するエンジンやトランスミッションの動向や新たに生まれてくるeAXLEのようなモジュール化やインホイールモーター等の動向について解説します。】
1. EV化が影響する既存製品/新規製品・素材
2. EV化による変速機の今後の動向
3. EV化による空調システムの今後の動向
4. EV化によって注目される新素材の動向
第6章 今後の電動化普及のカギとなる次世代電池の最新技術動向
【※この章では、現在主流であるリチウムイオン電池の問題と現在最も注目されている次世代電池である全固体電池やリチウム空気電池の特徴と課題、将来の車載電池のロードマップについて解説します。】
1. リチウムイオン電池の概要
2. 次世代電池の開発動向
3. 全固体電池の構造と特徴
4. EV用次世代電池の今後の動向