凍結乾燥工程のバリデーションとスケールアップおよびトラブル対策事例

共和真空技術(株) 取締役技術本部長 細見 博

構成

B5版 並製本 134頁

分野

固有技術 > 食品技術

価格

44,000円 (税抜 40,000円) 1点 在庫あり

商品説明

凍結乾燥工程のバリデーションとスケールアップおよびトラブル対策事例
~スケールアップ、サイトチェンジでの失敗事例など、要因ごとに見るトラブルの未然防止策とは?~図表が計136点でわかりやすい! 基礎から実務のポイント、最新動向まで網羅!

発刊日 2020年05月29日

 本書のポイント 

 ★凍結乾燥のメカニズムからわかりやすく解説した実務書籍!
 ★「挿入」「予備凍結」「乾燥」など各工程のバリデーションでの確認項目と注意点は?
 ★実験事例からみたスケールアップ検討時の留意事項とは?
 ★科学的な根拠に基づく乾燥プログラムの許容幅の設定とは?
 ★凍結乾燥機システムのキャリブレーションの実施と洗浄のポイントは?
 ★「製造工程」「乾燥プログラム起因」「スケ-ルアップ時、サイトチェンジ時」など
         凍結乾燥製品製造におけるトラブル事例と対処法を解説!

 本書の構成 

 第1章 凍結乾燥の基礎
 第2章 凍結乾燥とバリデーション
 第3章 試験装置から生産装置へのスケールアップ
 第4章 凍結乾燥設備の日常管理~無菌性保証・洗浄方法など
 第5章 凍結乾燥製品製造におけるトラブル事例
 第6章 凍結乾燥機の最新技術動向

 

発刊にあたって

著者

共和真空技術(株) 取締役技術本部長 細見 博 氏

【ご経歴】
 ・1983年より共和真空技術(株)で凍結乾燥の設計・技術開発業務に従事
 ・製剤機械技術学会(無菌製剤委員会 委員長、評議員)
 ・2009年度 第7回 新機械振興賞 経済産業大臣賞受賞
 ・2013年度 第3回 渋沢栄一ビジネス大賞 特別賞受賞
 ・2016年度 第6回 製剤機械技術学会 仲井賞受賞

内容紹介

第1章 凍結乾燥の基礎
 1.凍結乾燥の歴史
  1.1 凍結を利用した乾燥方法
   1.1.1 食品の乾燥
   1.1.2 医薬品の凍結乾燥
 2.凍結乾燥の基礎知識
  2.1 乾燥方法と水の状態変化
   2.1.1 乾燥方法(装置)分類の四基準
   2.1.2 水の状態変化
   2.1.3 凍結乾燥の真空領域
  2.2 凍結乾燥の利点・難点と用途
   2.2.1 凍結乾燥の利点
   2.2.2 凍結乾燥の難点
   2.2.3 凍結乾燥の応用分野
  2.3 凍結乾燥の工程
   2.3.1 予備凍結工程
   2.3.2 アニ-リング処理
   2.3.3 乾燥工程
  2.4 昇華速度の計算
   2.4.1 昇華期の熱と水蒸気の流れ
   2.4.2 既乾燥層水蒸気移動抵抗
  2.5 デザインスペースの設定
 3.コラプス温度測定について
  3.1 示差走査熱量計(DSC)
  3.2 凍結乾燥顕微鏡
  3.3 電気抵抗測定法
 4.特殊な剤形の凍結乾燥
  4.1 有機溶媒含有物の凍結乾燥
  4.2 懸濁(沈殿)系製剤
  4.3 バイオ系医薬品、リポソームなどの新しい剤形
 5.製品温度測定センサの取り扱いについて
  5.1 品温測定センサ挿入の問題点
  5.2 品温センサの取扱い方法
   5.2.1 センサの種類
   5.2.2 センサの線径について
   5.2.3 センサの挿入方法
   5.2.4 センサケーブルの取り回し方法
 6.真空制御の重要性
 7.医薬用凍結乾燥機の装置規格について

第2章 凍結乾燥とバリデーション
 1.凍結乾燥機のバリデーション
  1.1 凍結乾燥工程の機能と確認項目(コミッショニング、IQ/OQ)
   1.1.1 挿入工程
   1.1.2 予備凍結工程
   1.1.3 一次乾燥工程
   1.1.4 二次乾燥工程
   1.1.5 復圧工程
   1.1.6 打栓工程
   1.1.7 搬出工程
  1.2 稼働性能適格性の確認事項(PQ)
  1.3 汚染防止、無菌化の確認項目
   1.3.1 CIP(Cleaning In Place:定置洗浄)での確認事項
   1.3.2 SIP(Sterilization in Place:定置滅菌)での確認事項
   1.3.3 真空リークテストでの確認事項
   1.3.4 プロセスシミュレーションテストでの確認項目
   1.3.5 コンピュータシステムバリデーション(Computerized System Validation:CSV)
   1.3.6 データインテグリティ(Data Integrity:DI)

第3章 試験装置から生産装置へのスケールアップ
 1.スケールアップの注意点
  1.1 装置基本性能の差
  1.2 装置サイズによる状態変化
  1.3 測定機器の違い
  1.4 熱容量及び熱伝導の差
  1.5 環境条件による差
  1.6 搬送条件による差
  1.7 サンプリング位置の検討
 2.試験装置の凍結乾燥から生産装置へのスケールアップ検討
  2.1 被乾燥物への入熱量
  2.2 端部バイアルへの入熱量の差
  2.3 スケールアップ時の諸影響要素
  2.4 入熱量と諸要素との関係
 3.スケールアップの実験例
  3.1 装置スペック
   (1) 試験装置のスペック
   (2) 小型生産装置のスペック
  3.2 スケールアップの実験例(1)
  3.3 スケールアップの実験例(2)
  3.4 生産装置へのスケールアップ条件の検討
   3.4.1 生産装置の棚温度プログラム設定
   3.4.2 乾燥庫真空度の設定
   3.4.3 機械室の室温の影響

第4章 凍結乾燥設備の日常管理~無菌性保証・洗浄方法など
 1.医薬用凍結乾燥機システムの概要
  1.1 構成機器
   1.1.1 乾燥庫
   1.1.2 棚板
   1.1.3 熱媒体加熱冷却システム
   1.1.4 コールドトラップ(アイスコンデンサ)
   1.1.5 真空排気システム
   1.1.6 復圧システム
   1.1.7 封栓システム
   1.1.8 CIP(Cleaning In Place:定置洗浄)及び
          SIP(Sterilization In Place:定置滅菌)システム
   1.1.9 ローディングシステム
   1.1.10 制御システム
  1.2 キャリブレーション
   1.2.1 温度センサ
   1.2.2 真空計
 2.医薬用凍結乾燥機システムの日常管理
  2.1 乾燥庫、コールドトラップなどの真空容器
  2.2 棚板
  2.3 冷却装置
  2.4 真空排気装置
  2.5 熱媒循環装置
  2.6 油圧装置
  2.7 空圧装置
  2.8 復圧装置
  2.9 制御装置
  2.10 CIP、SIP装置
 3.凍結乾燥機の清掃
  3.1 乾燥庫、コールドトラップ
  3.2 真空接気部センサノズル内部
  3.3 無菌室側露出部

第5章 凍結乾燥製品製造におけるトラブル事例
 1.製造現場でのトラブル事例
  1.1 装置起因のトラブル事例
   1.1.1 真空リ-クによる無菌性保障不良
   1.1.2 復圧フィルタ完全性試験不合格による無菌性不良
   1.1.3 含水率不良
   1.1.4 真空計不良(真空制御値不良)
   1.1.5 打栓不良
   1.1.6 挿入取出し時の不良
   1.1.7 製剤の白濁
 2.乾燥プログラムなどに起因するトラブル事例と対策
  2.1 下部コラプス
  2.2 上部コラプス
  2.3 収縮
  2.4 二層化
  2.5 表面形状不良
  2.6 飛散
  2.7 難透膜障害
  2.8 這い上がり
  2.9 破瓶
  2.10 有機溶媒残留
  2.11 沈殿
  2.12 原薬メーカの変更による不良
 3.スケールアップ、サイトチェンジでの失敗事例
  3.1 棚温度の出入り温度差による影響
  3.2 庫内気層温度の差による影響
  3.3 容器形状や容器配列の違いによる影響
  3.4 サイトチェンジの際の注意点
 4.凍結乾燥機以外の要因によるトラブル事例
  4.1 充填機の異常
  4.2 巻締機の異常
  4.3 人為的なミス
  4.4 停電

第6章 凍結乾燥機の最新技術動向
 1.氷核導入などによる凍結制御技術
  1.1 氷核導入法
   1.1.1 晶析凍結乾燥法
   1.1.2 氷核導入法
   1.1.3 その他の方法
 2.凍結乾燥プロセスの監視と最適化
  2.1 圧力上昇法(MTM法)
  2.2 TMbySR法
  2.3 無線式温度センサ
  2.4 可変ダイオードレーザー吸収分光法(TDLAS)
  2.5 質量分析計
 3.密閉型チューブ式凍結乾燥システム
  3.1 連続生産のメリット
  3.2 棚式凍結乾燥機の欠点
  3.3 ICS凍結乾燥機の特徴
   3.3.1 システムの概要
   3.3.2 システムの動作
   3.3.3 生産エリアの縮小
   3.3.4 凍結乾燥メカニズムとしての利点
   3.3.5 スケールアップの容易さ
   3.3.6 無菌プロセスシミュレーションでの凍結乾燥工程の再現性
  3.4 ICS凍結乾燥機の規格について