いくら品質管理の仕組みを作ったり、教育訓練を行っても、行動出来ない部下が多いようです。業務改善がなかなか進まないと悩んでいる管理層の方も多いと思います。部下からやる気を引き出し、本質的に持っている能力を引き出すにはどしたら良いでしょうか。今回は、一つの方法として「コーチング」について、解説します。
コーチングは人材育成を行う手法の1つであり、質問型のコミュニケーションを使い、業務目標に対して取るべき行動を自ら選択することを促すことが出来ます。
1. コーチングの基本は教えないこと
一般的な教育訓練は、ティーチングで、答えを教える、指示を与える方法を取りますがコーチングは相手が自ら答えを発見出来るようにサポートをします。
(1) 部下の才能を引き出し、行動に移させるコーチング
コーチングは「問いかけて聞く」という対話を通して、相手自身から様々な考え方や行動の選択肢を引き出します。コーチングは相手の自発的な行動を引き出すことで相手を成功に導く手法です。「相手の才能を認めていかに引き出すか、そして応援すること」です。まず最初に「がんばっているね」のように声をかけ部下に安心感を与えることが「承認する」ことになり、そこから信頼関係が生まれます。次の段階で「何か問題があるの」と「聞く」ことに発展させます。
(2) 部下の”考える力”を高めるコーチング
コーチングはメンバーの考える力を引き出します。 答えを自力で出してもらうようにします。 答えを教えるティーチングとは対極の関係にあります。コーチングは「答えはその人の中にある」という原則に基づいています。ティーチングを続けていると、部下の力が埋もれたままになります。部下を未熟にしてしまう可能性があるので気をつけなければなりません。
(3) 組織力が向上するコーチング
組織力とは、一人ではなく、複数で何かを達成する力のことです。コーチングを行うことによって部下の組織の中の役割を認識させ、当事者意識が芽生えさせることが出来ます。目標達成を支援するのがコーチングです。 決して部下を操作するためのものではありません。
2. コーチングの3原則
コーチングは、次の3原則に基づいていますが、この原則に従って進めるためには、まず管理層がコーチングのスキルを学ぶ必要があります。
(1) 双方向
一方通行ではなく双方向でアイデアを出し合い検討し、行動に移すためのアイデアも、双方向のコミュニケーションから生み出します。
(2) 個別対応
同じことを言っても、人によって受け取り方は違いますし 行動の仕方スピードもまるで異な...