テクノロジー事業に必要な戦略とは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その2)
2018-07-03
ビジネスにおける戦略書というと、最もポピュラーなものとして「経営戦略書」が挙げられます。
「経営戦略書」に事業、商品、技術…などの方針が全て網羅されていると良いのですが、ほとんどの会社で満足な状態になっていません。それも大手企業であればあるほど、この傾向が強いのです。
それは、何故でしょうか?
そもそも「経営戦略」は事業の方針を決め、「商品戦略」は商品の方針を決め、「技術戦略」は技術の方針を決めるものです。では、これらは誰が決め、誰に伝えるものなのか。
本来は事業に関わる全てのステークホルダーに向けて作成されるものですが、実はメインターゲットが異なります。
ステークホルダーには、株主、経営陣、開発区、企画区、R&D…などがいます。それぞれがミッションに応じた「戦略」「方針」を理解する必要がありますが、全てをまとめようとすると、とても中途半端な内容になります。
先ほど申した通り、大手企業になればなるほど理解にズレが生じます。そこで各々の役割に合った方針を「戦略」として表現するのです。
ということは、まず事業方針「経営戦略」があり、その中に「商品戦略」と「技術戦略」が入ります。しかし、この表現には若干の語弊があります。
それは「商品戦略」と「技術戦略」が完全に「経営戦略」の下位になるとは限らないということです。
「経営戦略」と「商品戦略」と「技術戦略」は互いに補完し合う、つまり統合的な「戦略」であるべきです。「統合がうまく出来ていない」、「偏った視点でまとめられている」と、網羅性に欠けた分かりにくい「戦略書」が出...