今回のテーマは、開発を効果的に加速させる進捗管理方法のご紹介です。例えば、会社全体のスキルアップを目的として、社員に「TOEICで800点を取らせたい」とか「情報処理技術者試験の資格を取らせたい」といった場合は、会社・組織として目標設定し、個々の進捗を報告させるなど手を打たれるかと思います。
過去問を受けさせた結果と目標を比較し不足している分野を特定する。そして該当分野を繰り返し勉強する…といった、いわゆるPDCAを回すことで現状のレベルと進捗が明確です。
しかし、新規事業・新商品に関わる業務は一般的な業務フローが存在せず、現状を正しく認識することが難しいものです。故に一旦は決めた目標まで、いつの間にかズレてしまうことになりかねません。
では、このような状況において、いったいどのように進捗管理をしたらよいのか、3つのステップで解説します。
1. 上位ロードマップを元に実務ロードマップを作る
ご自身の組織・開発プロジェクトの上位に経営戦略や技術戦略などがある場合がほとんどかと思います。上位ロードマップを真として、ご自身の組織・開発プロジェクトの業務に特化した実務ロードマップを作成してください。
2. 1〜2週間単位の業務(=小タスク)に分ける
組織・開発プロジェクトのロードマップから開発計画を作成し、だいたい3ヶ月程度の業務を1〜2週間単位の業務(小タスク)に分類してください。分類した小タスクは、開発スタートした時点で基本的に変更しないことを宣言することがポイントです。
小タスクの作成は、開発メンバー本人に実施させても構いません。
3. 進捗は数字(=%)と状況(信号)で管理する
小タスクがスタートしたら開発が軌道にのるまでの期間、デイリーで報告します。10名程度の開発チームの場合はメンバー全員が出席し、それ以上の場合は報告の場がダレやすいので、子チームを作り報告者を設定しましょう。
報告内容は、小タスク毎に全体の何パーセントが完了しているのか、状況を次の例のように報告させます。
- 赤信号 = 課題多し :このままでは間に合わなそう
- 黄信号 = 課題発生見込み:課題が見えてきた、時間がかかりそう
- 青信号 = 順調 :問題なく進んでいる
この報告内容のポイントは、客観的な数字と主観的な状況の両方を共有することです。状況を3種類の分類で報告することで、課題解決の議論がすぐにスタートでき、チーム一丸で素早い対応が実現できます。
人間は感情の生き物とはよく言ったもので...
、どんなに研究好き・ロジック思考のメンバーであっても、開発リーダーや仲間に対して、主観的な情報を理解して欲しいと潜在的に思っています。
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以上、3つのステップを踏むだけで、複雑な業務をシンプルにし、開発を加速させることができます。ぜひ、ご自身の開発プロジェクトに適用してください。